工房設営 その9 3Dプリンタ始動

自作3Dプリンタ



 
横浜から移動させてきただけで放置していた3Dプリンタを動かしてみましたところ、何の問題もありませんでした(笑 原点位置調整も含めて。

ということで、これではなんの投稿にもならないので、3Dプリンタについて引っ越し前後でいろいろ計画していたことを実行することに。

まず一つ目は外観品質が求められるもののプリントです。FDM式の3Dプリンタで生じる段差の問題との闘いとも言えます。
FDM方式で生じる段差は積層高さが0.1mmになっても解消してませんよね。パテで埋めたりとか、削ったりとか、人によって様々な工夫がされています。
みら太な日々でもこれまでにおびただしい回数の3Dプリントを行ってまいりましたが、どれも部品であり、外観品質は全く問われないものばかりでした。部品以外というとテストとして花子さんをプリントしたくらいですか。
ということで、機構部品を作っている限りにおいては積層にかかわる問題は積層方向とそれに直行する方向での強度差の問題くらいでした。
それがですね、今回急に(笑)外観品質が求められるようなものをプリントしたくなりました。
というのも、

みら太な日々をご覧になってきた方はご存知と思いますが、私はミクさんが大好きであります。ボカロとしてもキャラとしても。
例えば、現在の私のメインPCのログイン画面とデスクトップの壁紙はレーシングミクさんです。

また、文月さんが雪ミクさん&ノーマルミクさんと共に横浜基地を訪問いただいたときにはえらく盛り上がったものでありました。

美しいご尊顔を思い出しますね。
そんな私がネットをさまよっておりましたある日こんなものを見つけたのであります。

これは良いです!これは良いです!ぜひプリントしてレーシングミクさんをわが手にしたいのであります!
ということで、工房でのファーストプリントはこのレーシングミクさんに決定したのであります。

作者のAnimu氏に感謝しつつ早速データをDLして見てみます。今年の5月にアップされたものなんですね。どうやって何のソフトを使えばこんな造形が出来るのか不思議であります。よく見るZBrushとかなんですかね。こんなことができる才能を持った人がうらやましいです。

さて、ファイルは二つ入っており、この完成版といいますか、完全版のミクさんと、

オーバーハングを考慮してAnimu氏が独自にサポート材を入れたものです。

形が複雑ですから、サポート材というかサポート柱も非常に複雑に配置されております。

接点は一旦細く絞られており、あとから外すのが楽なように(あんまり楽とは思えませんが)考慮されています。

で、この複雑な造形を私の自作DINレールプリンタでプリントしようとするとどうしてもZ軸のストロークが不足しております。およそ100mmしかありません。全高100mmではディティールの再現に難があることが容易に想像できます。
思わずこのデータのためにプリンタ作り直そうかと(笑)思いましたが、それはいずれの作業に取っておいて、ここは苦肉の策として全高200mmのデータを作ってそれを半分にして上半身だけプリントしてみることにしました。
STLデータを編集するのは一般に非常に面倒なのですが、Windows10には3DBuilderがあります。ついこないだ もなか@hikirekia 氏のツイートで知った情報です。ありがたや。
早速3DBuilderを使ってデータを分割します。

stl 読み込んで、

分割位置きめます。変なところで分割するとサポート柱が意味を無くしたり、体の一部が空中プリントになったりしてしまいますので、気をつける必要があります。
幸いこのデータでは高さ方向のちょうど真ん中付近でよい分割ポイントが見つかりました。

太もものあたりというか、絶対領域の下の端といった方が一部の方にはわかりやすいかもしれません(笑
分割に伴って発生する断面は3DBuilderが面を張ってくれます。便利。

こうやってできたデータを再度RepetierHostに読み込みます。

プリントが破綻しないか再度確認します。

スライサでGコード作ります。0.2mmノズル、0.2mm積層ピッチで15.5時間、Gコードのファイルサイズ48MBという過去最大規模のプリントであります。

失敗しないように朝日に手を合わせつつ、土曜日05:30AMにプリント開始しました。

最初は何が何だかさっぱりわかりません。

おそらく手前の丸二つが足なんだろうと思われます。

この後早くもサポート柱が外れて倒れそうになったので、ホットメルトで補強することに。

まだまだ序盤なのに大丈夫なんでしょうか。

たまには動画も挟みつつ。

元のデータを見ながらどの辺まで進んでいるのかを確認します。

この時点で9時過ぎくらいだったかな。

以下作製経過を写真で、

この辺りでまた動画を

首のあたりまで来た感じですかね。

鼻通過

目のあたり

もう少し

この自作プリンタはXYZ軸全てDINレールスライダで作られております。

Z軸はぎりぎりであります。

こちらもあと少し。ティアラを残すのみ。

終わりました!まさか完走するとは(笑

ステージに乗せたガラス板ごと降ろして細部をチェックします。

それにしてすごいサポートです。どうやって外すかな。

このスケールでも積層痕は目立ちまくりますね。
スケールでこの倍、体積で8倍くらいまで持っていけばもっと積層が目立たなくなると思われます。やっぱりプリンタもう一台大型のやつを作りたいですね。
ミクさんのためだけに(笑

サポート材を外して面をそれなりに仕上げる作業は別投稿にします。
作業途中のミクさんを一枚だけ。

やはりこのサイズでは仕上げをしても無理があるなあという感じです。
1/6のドールくらいが一発プリントできるでっかいプリンタを作りたくなりました。

コメント

  1. fuzuki より:

    プリンタの自作と言うのは、やはり凄いなぁと。
    1/6が一発と言う事は、1/3ならパーツごとに出せますね(違

  2. 守谷工房 より:

    トップの写真が新しくなりましたね。面白そうなものばかりが並ぶクールな風景です。工房のデルタプリンタも改良を進めていますが、積層痕の低減は実に難しい問題です。最近はホットエンド温度のふらつきが気になっています。FDM方式ハイエンド機では、ヒートブロックが完全に保温対策されているようです。何か良いヒントはありませんか。