サイクロン集塵機作製

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ガス枕を作るために、5mmtアルミ板にエバポレータの溝を切削しました。蓋の側なので深さは2.5mmです。ちなみに本体側は10mm厚の板を8mm削り込む予定です。
たった2.5mm削り込んだだけですが、その切削屑のすごいこと。切削油のべたべたも加わってなかなか扱いにくい屑が大量に発生します。
こんな感じ。

これをついったで嘆いたところ、@knobcreateさんよりサイクロン集塵機を勧めていただきました。ということで早速作ってみました。

材料はサイクロンと屑受けの密閉箱と各部を連結するホースです。吸引のソースは今使っている掃除機をそのまま使用する計画で。
「もちろんサイクロンから自作やろ」という声が聞こえそうですが、今回はありものを使いました。だって2000円くらいしかしないんですもん。

購入。

ドルマークというか早稲田マークというか。

思っていたよりも小さかったのですが大丈夫かな。
でもちゃんと金属製なんですよ。プラスチックだとサイクロン壁面でアルミ屑がぶんぶん回って傷だらけになりそうと思っていたのでここは安心したポイント。

そして屑受けになるペール缶。蓋と蓋を締め付けるバンド付きのものをホームセンターで購入。セットで2000円くらいでした。
蓋と缶の接面にはゴムが引いてあるので気密は大丈夫でしょう。液体とか入れるためのものですしね。

こんな感じにサイクロンを取り付けるかなと。

取り付け部分は3Dプリンタで作ることにします。
「3Dプリンタで作ることにします」と簡単に書いていますが、10年前には考えることもできなかったことをやってるんですよね。ほんとにすごい時代になったもんです。

サイクロンの寸法をざっと測ってサクッとモデリングします。
これもまたしばらく前までは考えられなかった実質無償の高機能3DCADであるfusion360を使います。
こんな感じでいいでしょう。

STL吐いてCURAでスライスしてGコード作ります。これもまた….もうやめますが、ほんとにいい時代です。もちろんこれらの恩恵を100%享受するためにはそれなりのスキルを身に着ける必要がありますが、努力をする価値は十分すぎるほどにあります。

プリントに使うフィラメントはPLA。色はゴージャスに金色を使います(笑 ミクさんプリントした時にパラソルの一部に使っただけのフィラメントで、多分10mも使ってないんじゃないかな。
この部分ね。

プリント開始。久々に動かします。

 それなりにしっかり作りましたので何の調整もしなくてもフィラメント交換だけできっちりプリントが進みます。素晴らしい。

あとは待つだけであります。

外観無視の形状重視ですので、積層は0.3mm。それでも10時間以上かかります。

サイクロンを受けるでっかいほうのパーツが終わりました。

全部完成。

外して、

サイクロンセットします。プリント誤差を織り込んでモデリングしていますのでぴったり収まります。

ホースカプラもつけてみました。

サイクロンの周りとカプラ部分にビニールテープを巻いて密着を確保します。
ええ感じです。

掃除機との連結と吸い込み口はこの洗濯機用の排水ホースを使います。ちょいと硬めですが、掃除機の延長に使っても十分機能を果たしてくれます。1mで600円くらいだったかな。

ホースは一方がABSの硬い口、これはホースバンドなんかで固定するためかな。そしてもう一方はテーパーがついたエラストマーでできていて、好きなところで切って洗濯機側の排水ホースにかぶせられるようになっています。

このやわらかい側をカプラにねじ込みます。ちょっとだけ切断すればばっちり嵌りました。ちなみにカプラの方にもテーパーがつけてあります。

お次はペール缶への穴開けです。このサイクロンホルダの底面形状を、

dxfで吐いて、

jwcadにもっていって実寸で印刷します。

A4に印刷して切り取って型紙にします。

ペール缶持ってきて、

位置決めします。
真ん中に取り付けるつもりでいましたが、移動の際に取っ手を上げるとサイクロンに当たるので、オフセットすることにしました。内部の気流の具合が変わるかもしれませんが、それも実験として。

型紙を頼りにオートポンチでドリル穴の位置出しをしていきます。

大穴はドリル穴をつないで開けます。ホルソーないときによくやる方式。

ネジ穴から開けていきます。ここはM4ねじを使う予定。

次いで大穴に取り掛かります。

まずはここまで開けて、改めて穴の間を小さめの穴で埋めていきます。

ここは滑ると危ないので新しい錐を使うことにします。

3.4mmくらいで行くかな。

新しい錐は食いつきが違いますね。快適。

穴だらけになったところで、

大きめのニッパーであなをつないでいきます。

あっさり大穴できました。

非常に鋭い切り口です。手を切らないように注意して作業します。

穴周りの板が暴れているところは、金床の上で叩いて平らにしておきます。

こんな感じで納まるはず。

いい感じですね。

内側。大穴周りはバリの処理をしていません。日頃は触らないところなのでいいかなと。

しっかりねじ止めすれば密閉は確保できそうですが、念のためにこのウレタンスポンジ挟むことにします。

再度型紙に登場してもらって、

ドーナツ型のパッキンを切り出します。

仮置き。問題ありません。

ねじ止めしていきます。

ネジは6ヶ所。だんだんスポンジがつぶれていくと思いますので、今は緩めに締めておきます。

裏から。

取り付けはこれで完成。

ペール缶の中に改めてプラバケツを入れて掃除をしやすいようにしてみましたが、果たして使い勝手はどうでしょうか。

蓋をペール缶に乗せ、ベルトで締めれば完成です。

掃除機と接続し、集塵機本体はCNCの下に置いてみました。

今週は切削をしていないので、まだ本格的な吸い込みはしておりませんが、作業台や床周りを掃除した感じでは十分にサイクロンの効果が出ているようです。
アクリルの小片を吸い込むとサイクロンからカラカラという音がし続けます。吸い込んでいる間はサイクロンの壁面をぐるぐる回っている感じですね。少なくとも掃除機側には吸われていないということですから動作としては正常だと判断できます。

でしばらく掃除したのちにペール缶を開けてみると…
おおおお!なんかちゃんと屑が落ちてます。思いのほか小さな埃状の屑まで固まって下に落ちてます。サイクロン壁でくるくる回って固まったのかな。これはええ感じではないでしょうか。
ペール缶いっぱいまでゴミ捨ての必要がありませんから、掃除機の小さな紙パックを何度も買える必要がありませんし、うまく動作して掃除機側にあまり埃がいかないならば、吸引力が強いまま維持されるはずです。
これは期待したいと思います。

ということでknobcreateさんにアドバイスいただいたおかげで非常に良い切粉対策ができたようです。早く削りたいですね。

が、課題も一つ見つかりました。掃除機の入り切りが面倒なのです。
掃除機は普通の家庭用のものなので、ホース先端の床用ノズルとの接続部分に強度切り替えのスイッチがついています。これをいちいち動かさないと集塵機を使えません。
何とか離れたところ、例えばCNCのそばからON/OFFしたいです。これは掃除機のリモコン化が必要ですね。
幸いにも今使っている掃除機はやや古い型のため、吸引切り替えスイッチはスライド式で、吸引力をセットすればコンセントの抜き差しをしてもそのまま吸ってくれる構造です。ということで、コンセント側をON/OFFするリモコンを作ってやればいいことになります。SSRをArduinoでコントロールしてやればいいかな。でも有線は面倒なので無線にしたいな。赤外線リモコンかな、WifiかBluetoothというのもありですね。そういえば、買っただけで放置している ESP-WROOM モジュールがあります。こないだMFTの時かったM5 STACKもありますね。

何か考えてみます。次はコンセントON/OFFの無線化をしてみましょう。
なかなか霧箱が進みませんが、そこはそれ、みら太な日々的には平常運転であります。

コメント

  1. sbin より:

    いつ作られるかなと思っていました。
    上手く機能しそうですね。私も ペール缶にVU塩ビパイプを刺してつくりました。少し大きすぎたので、VUパイプのみのも作りました。現在は細身のVUパイプのみのを使っています。
    掃除機の接続は、VU20 とか VU25 だと挿すだけで良い感じです。
    問題はCNC側の吸い込み口の構造が今一歩で改良したいと考えています。

    掃除機はトライアックで電圧下げて使おうとしましたが回りませんでした。最初の回転始めを工夫しないと駄目なようでした。時間が無かったのでスライダックで50Vで回しています。こちらは問題ありません。

  2. ita より:

    私も同様のサイクロンを使用しております。まだ大丈夫だろうとずぼらしてゴミ捨てを怠ってペール缶が満杯になっていた事があったので、蓋に覗き窓を付けました。
    掃除機の遠隔操作は私もやりたいのですが、スイッチ側に回路が入っているようなタイプなので簡単には手を出せず、未だそのままです。(^^;