レーザ管試運転

自作レーザ加工機

 
購入した電源の配線が謎である件を投稿しましたところ、らせたろきん さんから速攻で重要な情報をいただきました。らせたろきんさんの情報により無事にレーザ管の動作試験を行うことが出来ました。らせたろきんさん、ありがとうございました。

以下にらせたろきんさんからの情報と、私が調べていた情報をあわせて電源の接続方法、駆動方法をまとめつつ、動作試験の様子を報告いたします。

結論から先に出しますと、以下のような配線でこの電源は動作します。業者に教えた説明図のままですが。
わからない、というかどうでも良いので調べていない端子は図の一番上の”L”端子だけです。この端子は110Vを入れたときに5Vが出ています。LASERをONした時の電位は見るのを忘れました。ひょっとするとLASER出力時はLOWになっているのかもしれません。
後の端子は図の通り。例の”TEXT”ボタンを押すととりあえず出力をしますが、外部コントロールを使用とすると必ずP+をGNDに落さないといけません。これはらせたろきんさんの情報です。これがわからないと嵌るところでした。

ということで、P+は非常停止スイッチにつなぎ、GNDに落しておきます。そしてK+/K-端子間をON/OFFする事になります。
この電源は印鑑刻印用の電源で、ラスタースキャンをしながら高速でLASERをON/OFFすることが出来ます。このときにK+/K-をトランジスタかFETのスイッチで高速断続すると良いと思われます。
G/IN/5V はLASERの出力コントロール用です。この電源は最高電圧30kVの定電流電源として動作すると考えられますので、電流出力値を電圧の形でIN端子に入れてやれば良いのです。マニュアルで動かす場合は上図のように5-10kΩ位の可変抵抗をつないでやって5Vを分圧してINに入れてやります。実験したところ、私の購入したレーザ管では0.6V付近から出力が出始めました。
このIN端子は外部からコントロールする事も出来ます。もちろんボリュームをモータで回すなんて事はしません。PWMを使います。
PWMは電圧パルスを高速でIN端子に印加し、Duty比を変化させることでIN端子にかかる平均的な電圧を変える方法です。たとえば5Vのパルスを使うとすると、Duty比50%でIN端子の平均電圧は2.5Vとなります。気をつけないといけないことは、パルスの周波数が低いと電源が5Vと0Vのパルスにそのまま反応してONとOFFを繰り返してしまうということです。この電源がどの程度の周波数でパルスを平均値としてしか認識できなくなるかはわかりませんが、他の電源の説明を見る限り下限は20kHz程度のようです。これ以上の周波数でPWMコントロールをすれば外部からレーザ管の電流値、すなわちレーザ出力をコントロールすることが出来る様になります。うまく制御をしてやればIN端子のPWMとK+/K-端子のON/OFFで階調コントロールをしながら写真を刻印するなんてことが出来るはずです。

ということで、動作確認の記録です。
まず、コネクタの配線を作ります。2PのものはたまたまPCB上のハウジングに合う物を盛っておりました。

圧着ペンチを使ってカシメていきます。

P+/G用、K+/K-用に二本作ります。

IN端子に入れる電圧を作るための可変抵抗です。レーザディスクをばらして取り出したジャンク品です。ジャンク万歳!

目論見どおりに動いていることを確認します。

3Pのコネクタは持っておりませんので、直接ハンダ付けします(笑
IN端子は3Pの真ん中にあり、両側のGND/5Vと近くてハンダ付けしにくかったので、GNDと5Vは右側のシステム電源のところから配線しました。これらはそれぞれPCB上でつながっていますのでどこにつないでも同じです。

んで、2Pのコネクタをつなぎます。あとは電源とレーザ管への配線をすれば終わり。ここらは簡単。

動かしてみました。動画をどうぞ。

やっぱりちゃんとした管は違いますね。一撃で木片が焦げます。
これでも5mAくらいしか流しておりません。レーザ出力は電流にリニアに比例するはずですので、製品が仕様通りの動作をしているならば10Wの出力しか出していない事になります。10Wで、しかも集光もせずしてこの威力。さすがです。

いやあ、加工機を作るのが楽しみになってきました。

部屋に木が焦げるいいにおいが立ちこめております。

ということで、動作確認は完了しました。P+端子をGNDに短絡するコネクタ(危険ですね)を作って挿しておく事に事にします。

さて、次はステージの設計です。
正月休みの間に何とかカット動作までこぎつけたいですね。
がんばります。

コメント

  1. らせたろきん より:

    みら太さま
    いやぁ~、お仕事早いですねw
    もう御存知だったんじゃないですか(笑)
    結線図、私も参考にさせてくださいね。
    それと、みら太さまはCADファイルからX-Y軸のコントロールは何のソフトを使われる予定ですか?
    CNC用のMACH3とかメジャーかなと思ったんですがPCからの出力がパラレルなので迷っています。

    • みら太/mirata より:

      らせたろきんさん、
      いやいやあなたの情報は大きいです。G/IN/5Vについては他に売られている電源にも同じ端子があり、おおよその意味はわかっていたのです。
      謎だったのはP+/GとK+/K-でした。この電源は印鑑用の刻印電源として売られている物ですので、少なくともレーザをロジックレベル(電源を入り切りするのではなく)でON/OFFする端子があるのは間違いないと踏んでおりました。そこにらせたろきんさんの情報です。わからなかったP+/GとK+/K-のうちP+/Gを教えていただけましたので、残りのK+/K-がスイッチになっていると想像するのは簡単なことです。
      実のところ両方とも短絡しないとONしないという想定はしていませんでした。といいますのも、他の電源では「片方がHiでON、もう一方はLOWでON、一方が開放(不定)の場合は他方に影響しない」という端子構成になっているのがほぼすべてなのです。つまり、両方を短絡するというのは少なくとも実験の中には無く、最後の手段に近い物です。
      もちろん、4つの端子(うち2つはGND)の順列組み合わせみたいな物ですので、いずれ正解にたどり着いたかもしれませんが、高電圧は怖いのでやったとしても恐る恐る、そしてうまく動いても「これでいいのだろうか」という不安が残り続けたと思います。
      ほんとうに助かったんですよ。ありがとうございました。

      で、コントロールの件ですが、お察しの通りMACH3を使います。実は以前CNCステージを作ったときにレジストしました。このブログの「CNCフライス盤作るぞ」のシリーズをご覧いただければ格闘の後が残っております。
      MACH3のプラグインにはレーザカッターを使ったラスタスキャンに使う物もあるらしい(どなたかのブログで拝見しました)のでそのあたりを使うことも視野に入れております。
      パラレルポートの問題は確かにありますが、まだまだパラレル付のPCはごろごろしておりますので不安には思っておりません。それに、MACHはUSBでも動きます。これまた失念しましたが、どなたかのブログで拝見したことがあります。
      らせたろきんさんもレーザ加工機自作を考えていらっしゃるのですね。今後とも情報交換をよろしくお願いいたします。
      ブログとか何かネット上の記録とか公開していらっしゃいませんか?
      ありましたらどうぞご紹介ください。
      mirata.na.hibi@gmail.com

    • らせたろきん より:

      みら太さま
      とにかくお役に立てて良かったです。
      此方は手元に電源BOX届いてない所為もあって検証できてないですがK+とK-が全く解りませんでした。
      21日のコメント欄にも書かせて頂いたのですが此方の情報ではK-には何も繋がれて無くて、なのでK+がパルス入力なのかな~って思ってました。
      G/IN/5Vの分圧抵抗も(アナログという概念が無かったので)出力可変なんてのも予想できて無かったです。
      私もこちらのBlogで色々と助かっています、有難うございます(笑)

      CNCの方はレジストしてらっしゃると言う事は500行問題は解決されてるのですね。
      パラレルPCも持ってるのですが遅くて・・・専用PCにするしか無いですね。
      メモリ山盛りの手元のPCは逆にパラレルが無くて、でUSB-パラレル変換ケーブルだとMACH3が動かないって記事もあり、恐らく伝送量が間に合ってない感じでした。
      Arduinoとか使うとすぐにステッピング回路とか組めそうなのですが制御ソフトとの相性もあったりでソフト周りで迷っていました。
      正直2次元のdxfをG-code系に変換すればモーターくらいは回るかなって程度ですけど機械工作が苦手でして(笑)
      実はとある工房でレーザー加工機使っていまして便利だなって思ってたのです。
      そこにひょんな事からレーザー管を入手しましてやっぱり作ろうかなって感じになってるところです。
      これからもみら太さまのBlogを参考にさせて頂きますね。
      私のBlogは情報量が少なくて申し訳ないですが名前のリンクから立ち寄ってくださいね。

      らせたろきん

    • みら太/mirata より:

      らせたろきんさん いろいろとありがとうございました。
      今後とも情報交換しながら行きましょう。
      らせたろきんさんのブログを拝見しました。CO2レーザ管を入手されたのですね。私が購入した物と同じように見えます。
      いまから加工機の製作でしょうか。そうならば私と全く同じタイミングですね。

      CNCの件、MACH3があまりに気に入りましたのでレジストしました。まだ円高のときだったのでそこそこの出費で済みました(確かカナダ$だったかと)。ということで500行問題はありません。500行ごとにそれまでの行を削除して行けば何のことなく動くのですけど、めんどくさいですよね。
      モータドライバは今回中華製のモジュールを10個まとめて購入しました。CNCステージを自作したときにPICマイコンとSTマイクロのL293Dで基板を作っておりましたので流用も考えたのですが、電流が少々足りないのです。おんなじような物をまた作るのもしゃくなので。

      私は正月休みの内に一気に作り上げようと目論んでおります。
      今も3Dプリンタでパーツを出力しているところです。
      お互いがんばりましょう。

  2. 匿名 より:

    みら太さま
    レーザー加工機の製作をやっており、いつも参考に拝見させていただいております。
    上記の写真に写っている接続で、FGの箇所の接続がないように見えたのですが、アース接続は行っていないのでしょうか?
    ご教授願います。

    • みら太/mirata より:

      匿名さんありがとうございます。
      今出張先で確認ができないのですが、FGとL-はつながっていたような気がします。
      週末まで出てますので、かえって確認しますが、とりあえず写真の結線で問題なく動いています。ビリビリもしていません(笑

    • 匿名 より:

      みら太さんへ
      アドバイスの通り-LとGNDで導通が確認できました。
      おかげさまで無事試射試験が完了いたしました。
      ありがとうございました。