Melzi 基板のモータ電流設定方法

3Dプリンタ

 
3Dプリンタ始動しました でご紹介しましたMelzi基板上の半固定抵抗の調整方法についてまこさんよりお問い合わせをいただきましたので説明の投稿をいたします。
細かな作業なので写真/図が無いと説明しにくいのです。

私が参照しましたのは、reprap wikiこのページです。
Setting motor currents というのは、プリンタについているステッピングモータに流す電流を設定するところです。
Melziに乗っているステッピングモータドライバはAllegro社のA4988です。小さいICのくせに2Aの電流を流す事が出来、マイクロステップにも対応するという優れものです。
私の作った、そしてたいていの3Dプリンタに使われているステッピングモータは2Aもの電流を必要としません。いいところ500mA位と思います。ということで、A4988が全力で働くとモータが過熱したり焼き切れたりしてしまいます。それを防ぐためにA4988の出力する電流を適切な値に絞る必要があり、その設定がここで説明する作業になります。
モータに流れる電流は抵抗で絞ってもいいのですが、電流がそこそこ流れるためにセメント抵抗のようなごつい負荷が必要になります。これはでかいし、コストも高いし、何よりも抵抗で熱にするのは無駄だということで別の方法が考えられました。それは供給する電流を断続的にすることで平均的な電流値を下げようという方法です。ONになっているときはどばっと電流が流れるんだけど、これを1秒間に数百回ON/OFFして、OFF時間を長くしていけば平均電流は下がるじゃないか、という考え方です。

毎度のことながら前置きが長くなりました。設定方法です。基板上の半固定を回します。
テスターを使ってA4988の電流設定端子にかかる電圧を調整することで行います。

reprap wiki の写真を引用します。
下記のようにして行います。もし結線を終わったあとであれば、基板に電源を供給している端子2本(下の写真のテスターの黒端子がつながっているところの端子)だけを外せばOKです。
その端子に写真のように黒プローブをつなぎます。

で、もう一方の赤プローブを下のように接触させます。
テスターは電圧測定に設定ください。電流を設定するのに電圧を使うというわかりにくさ^^;。

上の写真でもわかりにくいですよね。
いい加減な絵を描いてみました。下記の赤色の部分にプローブをあててください。わかるかな。

この端子には半固定抵抗で分圧された電圧が出てきます。この電圧をテスターを見ながら設定値にしたがって調整してください。
私の場合は0.4Vで順調に動いております。モータが手で触れないほど熱くなるようならもう少し下げたほうが良いですし、トルク不足で脱調するようであれば上げて良いでしょう。
やってみてくださいませ。

コメント

  1. まこ より:

    みら太さんわざわざこんな丁寧でわかり易いページまで作成して下さり
    ありがとう御座います、おかげさまで調整できました^^
    本当に感謝しています。
    電圧が四つとも大体0.55~0.48位でした!
    私が使用しているプリンターはオリオスペックさんが販売しているものと同じもので、みら太さんが購入したものと似ています。
    そして先日に起動しないと思ったら電源もみら太さんと同じ箇所が爆発してましたw
    また参考にさせてもらいます、このような情報を載せていただいて改めてありがとう御座います^^

  2. みら太/mirata より:

    まこさん
    それなりにお役に立てた様子。良かったです。
    設定電圧と出力電流の関係は良くわかりませんが、いずれも大目の電流になっていたようですね。こんご順調に動きますことを願っております。
    まこさんと私が使っているプリンタは、reprap の prusa mendel (http://reprap.org/wiki/Prusa_Mendel_(iteration_2))というモデルの改良版です。フレームの構造は同じですが、使われているエクストラクタが異なります。
    シンプルな設計で良いプリンタと思います。何よりむき出しのメカがかっこいいですよね。動いているのを眺めていると時間を忘れます(笑

    で、電源も逝ったとのこと。あらら、という感じです。設計の問題ですかね。
    もう修理を済まされたかもしれませんが、同じ物は以下に売っております。
    http://dx.com/p/reprap-prusa-mendel-3d-printer-diy-accessories-12v-power-supply-silver-250730
    また同じところが壊れるかもしれませんが…
    ちなみに、電源は12V以上でも大丈夫な設計になっているようです。制御基板MelziにはLM7805(5Vの電圧レギュレータ)が乗っていますのでロジック系を壊すことはないはずです。確かMelziの設計情報にもそんなことが書いてありました。たしか30V位までOKだったんじゃないかと。あんまり上げるのも怖いですけど、私は今は15V電源で動かしています。そのほうがヒータが早く加熱されますので作業時間の削減につながります。
    一番安い方法はジャンクのPC電源を使うことだと思います。12Vで10Aなんてのはごろごろしています。
    修理がこれからであれば参考にしてください。

  3. END-ON より:

    始めまして。過去記事に失礼します。END-ONと申します。
    モータードライバA4988について質問よろしいでしょうか。このA4988これに取り付けてある半固定抵抗は、無限にぐるぐると回せるものなのでしょうか。
    自分のものは限度なく回せるようになっており、回し幅が定められているものと思っていたので戸惑っております。みら太さんのお持ちのA4988の半固定抵抗は、どのような仕様となっているか、教えていただけないでしょうか。よろしくお願いします。

    • みら太/mirata より:

      END-ONさんありがとうございます。
      はい無限にぐるぐる回ります。でも一回まわって振り出しに戻っているだけですので、回し過ぎても問題はありません。
      ちなみに、A4988というのはアレグロ社のモータコントローラICの型番で、それを使ったステッピングモータドライバ基板はたくさん出ています。有名なのはPololuのものだと思いますが、これの互換ボードがまた山ほどあります。
      ちゃんとしたプラパッケージに入ったスルーホール実装用の半固定抵抗はつまみがついた可変抵抗のようにおおよそ300度くらいしか回転しませんが、表面実装の安い半固定抵抗はぐるぐる回っても驚きません。止まるやつも回したことがあります。
      結局テスターで電圧合わせればいいだけなので、私は気にしていません。

      こんなんで答えになってるのかな。

    • END-ON より:

      みら太さん
      返答ありがとうございます。
      電子部品に関して全くの素人なので、
      大変助かりました。ありがとうございました。