ファブラボ大宰府

雑談

 
ファブラボ大宰府で作業してきました。

福岡市近郊にはファブがいくつかあります。が、安定して運営できているのはこのファブラボ大宰府とファブラボ博多くらいかな。
ファブラボ天神(と言い切っていいのか微妙)もありますが、ここは運営を模索中のようですし、博多駅KITTEにあった(らしい。行ったことないので。)Maker’s BASE博多(痕跡がこちら)は撤退しました。
このほかにも福岡市近郊ではMakerムーブメントに乗って5年位前から様々な取り組みがなされてきました。
まず、今はおそらく活動をしていないファブラボ福岡。ここはβのまま最終的にはオープンしなかったんじゃないかと思います。厚かましくも一度お邪魔したことがあります。キーエンスの光造形機があるなど、設備的に素晴らしいものだっただけに残念ではあります。福岡でのファブラボ設立の声を上げたのはここが一番だったので、それ以降の施設は誰も「福岡」を名乗れず、博多、天神といった名前が使われてきました。
それから博多図工室。ここが実質的に福岡のファブのパイオニアだったと思っています。
開所は高砂(高砂にあったときに見学にお邪魔したことがあります)、その後中州に移り、一瞬ファブラボを名乗ったような気がしますが(勘違いかも)その後活動を停止しました。が、素晴らしいことに跡地には再起動の案内があります。今後に期待したいと思います。
そしてファブというよりもレンタルオフィス+工房といった風情のものたち。例えばヨカラボ天神Fukuoka Growth Next があります。特にFukuoka Growth Nextは高島福岡市長による官民共同プロジェクトであり、Gooday Fab Daimyo というしっかりした工房があったりします。
そしてさらに、やや特殊でオープンなのかクローズドなのかよくわからない九州大学のファブ。ここは一時外向きっぽい活動をしていたように記憶していますが、今は停止したのかな、何も情報がありません。

といった感じで、いまいち盛り上がらない福岡のMakerムーブメントであります。
しかしながら、これは福岡に限ったことではなく、ファブラボ鎌倉のころからすでに言われていたことで「ファブは儲からない」のであります。
儲けの対象としてファブを見てはいけないのかもしれませんが、運営サイドから見れば「食えない事業は続けられない」のは当然のことです。やたら高価なくせに稼働率が低い設備、常にイベントで集客をし続けなければ閑古鳥が鳴くラボ。これでは続かないのは当たり前であります。
このあたりについては「ファブラボ天神を一年間やってみた」にその理由が集約されています。これが実態です。ぜひご覧ください。

みら太な日々でも一時期工房を開放してファブラボ的な活動をすることを本気で考えたことがありました。レーザ加工機、3Dプリンタ、CNCを始めとする各種工作機械は一通り、というよりへたなファブラボには負けない規模でそろっていますので、ファブとして開放してもたいていの要望には応えられる状態にあるのです。
が、検討していた当時に株式会社マイサの加藤社長(ファブラボ福岡βを準備中でした)や、ファブラボ佐賀の陣内さんなどファブの運営に携わる方々の話を様々聴かせていただき「自分にはとても無理だな」と結論して開放を見送りました。

例によってものすごく前置きが長いです。
そんなファブラボ大宰府でありまして、みら太な日々はファブラボ大宰府のメンバーなのです。工房になんでもあると書いておいてファブのメンバーになっているというのも矛盾していますが、ファブラボ大宰府にはSpeedy300があるのがメンバーになっている理由です。でかい板切りたくなったらやはりspeedy300でしょう。speedy100はあちこちにありますが、100のテーブルは300x600mmで、ホームセンターでよく売られている320x545mmの板が乗りません。(多少余裕がみられていますので板材側の誤差でギリギリ乗ることもあるのですが….)もう10mm余裕があればspeedy100でもいいんですけどね。
今回は職場でとある冶具を作ることになり、その試作加工のためにお邪魔しました。

入り口。

外観

ファブラボ大宰府は九州の代表的なホームセンターGoodayが運営するファブラボです。
Goodayの柳瀬社長は….という話を始めると長くなるので割愛して、ファブラボ大宰府はEKジャパン株式会社の本社屋内の一角にあります。
「EKジャパンって何よ」という方も多かろうと思いますが、エレキットシリーズといえばピンとくるラジオ少年もいるのでは。
このあたりも話を始めると長くなりますが、EKジャパンは九州の方は多分ご存知嘉穂無線に関係する会社です。嘉穂無線はGoodayの運営会社でもあります。が、福岡の秋月電子であるカホパーツとは現在資本関係は無いらしいという少々複雑な事情になっております。

ファブ内。

機材はもとより、ミーティングスペース、Maker関連書籍もそろっています。

CNC。奥は基板加工機。

デジタルミシンかな。

で、これが目的のSpeedy300。向こう側の陰にはRayjetもあります。

カッティングプロッタとたくさんある3Dプリンタのうちの一台。

奥の部屋にはShopbotまであります。
ファブラボというよりTechShopに近い感じですね。

そのほかの3Dプリンタ。このほかにも何台かあります。

とフィラメント。

加工の様子をチラ見せ。

ベクターデータの処理ソフトはイラストレータが使われています。

前職で使っていたSpeedy100ではCorel Drawを使っていて、イラストレータはTechShopのUVプリンタでしか使っていなかったのでいまいちごっちゃになってやりにくいところがありますが、Speedyの性能はピカイチであります。

ということで、ファブラボ大宰府でした。
今回の試作で改良点含め設計が固まりましたので、水曜日は終日このマシンを使ってアクリル板を切りまくり、冶具の量産加工を行います。ということで、水曜日は終日ファブラボ大宰府に詰めていますので、みら太な日々の中の人に興味がある方は遊びに来てください(笑

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