グヤトーン EDM-3 の修理

修理、改造

 
いつも 分解 → 破壊 の一方通行ばかりなのでたまには修理ネタを。
アコースティックギター用のマイク&マイクアンプの Guyatone EDM-3 です。 会社でたいへんお世話になっている先輩からご依頼いただきました。先輩もギターを演奏されるのですが、今回のものはお父様のものとのこと。お父様もギターを演奏されるのです。すばらしい。

モノはこれです。右下にあるのがギターに貼り付けてつかうマイクです。

ネットによると、仕様は以下のようなもののようです。

EDM(ギター用)マイクロフォン
■ 型式:面接触エンクローズド・ダイナミック型 (実用新案申請中)
■ 周波数特性:50Hz~20kHz(専用ヘッドアンプ使用時)
■ インピーダンス:30Ω
■ 出力電圧:65mVrms(専用ヘッドアンプ使用時)
■ ケーブル長:70cm1.9φmm
■ プラグ:3.5mm L型ミニプラグ
■ 外形寸法:24(w)×7(H)×32(D)mm
■ 重量:11g(ケーブル、プラグ含む)

EDM-C (ギター用)ヘッドアンプ
■ コントロール:ボリューム×1
■ 端子:インプット(3.5φフォーン)×1
     アウトプット(6.3φフォーン)×1 
■ 入力インピーダンス:470Ω
■ 出力インピーダンス:4.7kΩ
■ 電源:DC9V 006P(連続使用時間:270時間)マンガン電池
■ 消費電流:1.5mA
■ 外形寸法:74(W)×118(H)×23(D)mm
■ 重量:120g

私もその昔ベースギターを持っていた頃がありますので、グヤトーンという名前は記憶にあります。
EDMシリーズはいまや貴重なモノとなっているようですね。

症状はずばり「音が出ない」というものです。
音が出ないということは、入っていないか出てこないかどちらかですので、まず問題の切り分けから行きます。この時点で「おそらくマイクの断線だろう」と踏みます。本体はアンプですからそうそう壊れるものではなさそうだし、マイクもダイナミックマイクということですから頑丈そうです。

ということで、まずはスマホから音楽を流し込んで出力が出るか試してみます。
….OKです。アンプ部は壊れておりません。ということでマイクですね。

マイクのジャックは3.5mmのモノラルです。ダイナミックマイクですから2極です。ということで構造上両極間は導通しているはずですのでテスターでチェックします。

….だめですね。原因はマイク側で間違いないと思われます。問題はマイク自体が壊れているか、断線しているかということです。おそらく断線でしょうけど。

これがマイク。

ばらします。4本のネジでしっかりと固定されています。はめ込みだとびびったりしそうですのでこのあたりはしっかり作られているものと思われます。
中身はシンプル。マイクと背面にあてられた不織布のクッションのみです。

マイクの出力端子を直接あたります。ここが導通していればマイクは壊れていません。
….ばっちり仕様どおりの30Ωです。これでマイク-ジャック間の断線で確定です。

対策は「断線しているところを除いて接続しなおす」のですが、経験上線の途中が切れいていることはまずありません。マイクの首のところか、ジャックの首のところです。どちらも曲げ応力によって断線がおきやすいところです。
ジャックは一体成型されていますので、切ると面倒です。ということでハンダ付けで対処可能なマイク側から見ます。
まずハンダを外して、芯線、シールド双方の導通を見ます。すると、やはり芯線が切れていました。

マイク側の首のところで切断して被覆を剥き、再度導通を調べます。
すると、残念なことにまだ切れています。ということでジャックの首が切れている可能性が高まりました。
ジャックの首を切断して再チェックします。…….やはりここでした。これはジャック交換です。

3.5mmの2極ジャックはいくつか手持ちがあるのですが、どれも不恰好です。一体成型のスマートさは全くありませんがここはやむを得ません。
作っていきます。といっても被覆を剥いてハンダ付けするだけなので簡単です。

マイク側も被覆を剥いでハンダ付けします。

マイクをアンプにつないで、さらにその出力を別のアンプに入れてマイクを引っ掻いてみます。
するとガリガリ音がします。大丈夫のようです。

結果的には断線の再接続だけでしたが、久々の修理でした。配線のロスも40mmくらいでしたので、使い勝手もあまり変わらないと思います。
これでまたしばらくは快適に使っていただけるでしょう。

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