コントローラについてはA4一枚の説明資料があるのですが、これはMACH3での制御を前提としたものであんまり役に立ちません。ということで、現物をよく観察して接続方法を考えます。
コントローラ前面には、本体電源スイッチ、スピンドルスイッチ、スピンドル回転数調整つまみ、非常停止のキノコが配置されております。
背面は、電源プラグのほか、XYZ三軸分のモータケーブル、三軸分のリミットスイッチ(フォトインタラプタ)入力、スピンドル電源ケーブル、そして制御ラインであるD-SUB25ピンケーブルが接続されます。このほかに背面下部にトグルスイッチがついており、スピンドルを手動(前面パネルのつまみ)で調整するか、制御ソフト側からPWMで調整するかを切り替えられるようになっています。
手がかりとしてはA4一枚の接続資料が付属しているのですが、これはMACH3との接続を想定したものでした。駆動はMACH3でもいいのですが、MACH3を起動できるPCはWindows7未満、できればXPということになり、さらにパラレルポートが必須であります。このように、MACH3を使うにはいろいろと制限がありますので、今回はUSB経由、さらにGRBLを使っての駆動を行うことを考えました。
資料にはMACH3以外の設定情報はありません。が、十分な情報源になります。まずMACH3で動くことが分かっていること自体が重要です。MACH3は通常はプリンタに接続されるPCのパラレルポートをダイレクトに駆動し、それぞれのピンに例えば「X軸の回転方向(Direction)を決めるのは2番ピン。HighならCW(時計回り)LowならCCW。」といった割り当てを行います。つまりMACH3で動くということは、D-SUB25ピンのどれかがX軸モータの回転方向を決めるピンであり、どれかがY軸モータのステップを入れるピンなのです。よって、これらの動作がArduinoのピンに割り当てられているGRBLで駆動できる可能性が極めて高いです。問題はどの機能がどのピンに割り当てられているかさっぱりわからないということです。
ということで、開けても何がわかるというわけでもないですが、まずはやっぱ分解でしょう(笑
モータドライバはTB6560AHQ。
制御基板。あちこちにフォトカプラが使われています。絶縁には気を使ってます、というかちゃんとした設計です。私が以前作ったレーザ加工機用のドライバはプリンタポートとモータドライバが直結されておりました(笑
マイクロステップできるもののようですが、駆動音聞く限りフルステップのように思えます。
電源。多分24Vとロジックとかです。
電源基板をよく見ると、PWMなどという文字が。
で、肝心のD-SUBの結線ですが、まったくわかりません(笑
とりあえず74HC14がいくつか見えますので、シュミットトリガインバータが入っているということが分かったのみ。
これでは手も足も出ませんので、Google先生にいろいろ聞いてみましたところ、お世話になっているCNCZONEのサイトにこんなやり取りが。
そこには、
JP-3163B ver. 3.9
Pin 1: Spindle on/off Relay 1(active low)
Pin 2: X Axis Step (active low)
Pin 3: X Axis Dir (active low)
Pin 4: Y Axis Step (active low)
Pin 5: Y Axis Dir (active low)
Pin 6: Z Axis Step (active low)
Pin 7: Z Axis Dir (active low)
Pin 8: A Axis Step (active low)
Pin 9: A Axis Dir (active low)
Pin 10:Estop (active low)
Pin 11: X Axis Limit Switch (active high) = when NC switch(es) open
Pin 12: Y Axis Limit Switch (active high)
Pin 13: Z Axis Limit Switch (active high)
Pin 14: Buffer Chips “Enable” controlled by computer if Jumper 3 is set to 1-2 position
Pin 15: Probe (active low)
Pin 16: Is supposed to turn Relay 2 on/off but is currently not connected in board.
Pin 17: PWM 0-10V for VFD Spindle AN1 (if jumper 4 is in default 1-2 position) active low
Pin 18: Gnd
Pin 19: Gnd
Pin 20: Gnd
Pin 21: Gnd
Pin 22: Gnd
Pin 23: Gnd
Pin 24: Gnd
Pin 25: Gnd or NC
という情報が。これは素晴らしいです。そしてさらにGoogle先生にいろいろ聞いていると、ここにドライバの回路図があるじゃないですか。
なんか微妙にCNCZONEの情報と違っていますが、ほとんどは同じなので基本動作はできると思われます。この手の製品は派生品が多数出るのが常ですので、微妙に仕様が違っていても仕方ないでしょう。
ということで、当面の指針となる情報はあつまりましたので、GRBLを用いた信号変換BOXの作製に着手したいと思います。
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