Maker Faire Tokyo 2016 出展記

雑談

 
仕事が夏季休業に入り、昨日の山の日は山を見ることもなくMFTの片付けで終わりました。
多くの方がそうだと思いますが、MFTが終わるとくたくたに疲れているにも関わらず「すぐにでも何かを作りたい」というモチベーションMAXの不思議な状態になります。
が、ここは少しばかり落ち着いて、今回の出展記録をまとめておきたいと思います。3年前からMFTの見学速報/まとめを投稿してきましたが、今回は残念ながらありません。いわゆる「出すと見れない問題」が発動しています。Yamaguchi MINI Maker Faire の時もそうでした。こればかりは何ともやり様がありません。ということで、出展者目線でのまとめを投稿させていただきます。

私は特定の集団に属しておりませんので、ブースの準備は一人で行います。Yamaguchi MINI Maker Faire の時は自作のレーザ加工機をメインに出展しましたので大変でした。持ち込みはウェイさんに、片づけは Many Colors の中野代表に手伝っていただきました。特に片づけは一人で苦労していたところを中野代表にお声がけいただいたのです。ありがたいことでした。

今回の出展物は小さいとはいえ、全部で30kg近くあります。持っていくだけでも一苦労なのです。
ということで、今回はお手伝いいただける方を募集しました。
ありがたいことに(恒例の)ウェイさんほか複数の方からお申し出をいただき、無事に、いや楽ちんに終わることが出来ました。お手伝いいただいたのは、大分から遥々お越しのウェイさん。結構長い付き合いです。それから守谷工房の市川先生。ブログをご覧いただいていたとのことでしたが、今回初めてお声がけをいただきました。先生OBの方ですけどあえて先生と呼ばせていただきたく。まさに尊敬すべき先生です。そして文月さん。ライフワークと化しているミクさんのサイバーコンソールのプロジェクトオーナーです。
基本はこの3人体制で臨む予定でおりましたが、本番の二日前になってうれしいお申し出を受けました。私を荷物ごとビッグサイトに車でお送りいただけるとのじゅんさんからのご提案でした。聞けば(いや読めば)横浜基地のお近くにお住まいとの由。(ほんとに近くでした:笑)もちろん喜んでお願いいたしました。で、結局撤収も乗せていただくという実に楽ちんな経過をたどったのです。

荷物はこちら。

小さくまとめてはおりますが、下の段ボールだけで27kgあります。真空ポンプ、スライダック、MOTというどれ一つとっても鈍器(笑)です。
キャンプ用の結構しっかりしたカートに乗せてはいるものの、軸受が持つかどうか不安な感じが漂っておりました。
ビッグサイトまでの行程に階段が無いことは確認してましたが、やはり不安はあったのです。もし途中でカートが壊れたらと思うと、こんなもん抱えていけるもんじゃないです。また、ある程度頑丈に作ってはいるものの、ガタガタ振動を与えながら展示物を持っていくというのもあまり気が進まないことでした。
ということで、車で送っていただけるというご提案はまさに願ってもないことだったのです。
じゅんさんはメールの行間から滲み出てくる通りのお人柄で、まあ一言でいえば素晴らしい紳士でいらっしゃいます。

じゅんさんの運転で6日土曜日の8時に横浜基地を出発。9時前には現場着しました。ほんと楽ちん。
では設営中の様子など写真をまじえつつ。

今年の会場は西棟1階です。前の豆腐の下です。写真はブラスバンドの演奏がすごかったあたり。今回はNerdy Derbyのサーキットが作られています。

まだ人はまばら。開場までまだかなり時間があります。

会場に入りました。みなさんぼちぼち準備を始めるといった風情で、まだ静かな落ち着いた雰囲気です。

みら太な日々のブース。サイエンスグループ B-02-04 です。
すでに目印に看板がおいてありました。
赤い封筒はあとでわかったのですが、US版 makeマガジンのデジタル版の一年間の無料購読権の案内でした。
※登録手続きを行うと、去年の9月までの6冊くらいのバックナンバーが読めます。もちろん英語ですが。おとく。

ではセットアップを開始します。

基本は出して並べるだけ。少しだけ結線。

見学者の立場でした参加したことがありませんでしたので、この静かさがすごく変に感じます。

まだほとんどのブースに人がいません。

会場案内図。これ終わってから取り外してましたが捨てるんですかね。ちょっとほしいような、もらっても困るような。
今年は豆腐の下(しつこい)と屋上の下というか、電気自動車が走ってたところの下が会場です。L型しています。左上の方はドローンレースとかあってたらしいです。そう、らしいのです。まったく見ていません。

どんどん並べていきます。

内側から見て霧箱を左、スパッタリングが右です。この配置は消防に申告していますので変更できません。

霧箱の結線を完了。動作を確認します。ペルチェ素子がどんどん冷えていくのを確認して一安心。

さらに冷やして軌跡が出ることまで確認します。
この時点で消防署の確認が入りました。

消防法上の確認事項は火災に関することです。みら太な日々については霧箱に使うエタノール/IPA混合物がその対象になります。
申告はこんな感じ。

申告通りの容器、申告通りの量、申告通りの設置、保管がなされていることが確認されました。

確認後はこのような証明書が発行されます。事前に申請しているのでちゃんと内容が記載されています。これがあるので事前の準備と申請が大事なのです。手続きは面倒ではありますが、ちゃんとした手続きを踏み、指導に従えば結構なことができるということもわかりました。

自分のところが終わったので余裕が出て人のブースを見に行きます。

こちらちょいと物騒なイメージのテスラコイル。全体をケージで囲むことで許可が出たとのこと。
テスラコイルがデモできるんだったらなんでもいけそうな感じがします。

そうこうしているうちに次第に人が増え始めました。

MFTならではの混沌とした雰囲気が出てまいりました。

会場は結構暑いです。空調は入っているようですが、広いし、天井は高いし。

セットアップ完了です。10:30くらい。この時点でも裏のブースは誰も来ていません(笑

とりあえずデモが動き出したことを確認して、ざっと会場を見て回ります。
結局この時間しか見ることができませんでした。

ご存知タカハ機工さんのV32気筒(笑 今年は顔が変わりました。個人的にはヘビがかわいくて好きでした。

骨になっとる。

ここが、

これ。
ホットプロシードの湯前さんが監修なさると聞いていましたが、ご挨拶する暇もなく。

大急ぎで見て回ります。
これはプリント基板で作ったモデルガンというか、ガンです。プリント基板で造形をするというのはこれから来そうな気がします。精密に形状を作ることができますし、組み合わせ部分をハンダでつなぐこともできますし、当然電子部品実装もできます。ということは、立体配線を行いつつ高度な回路を実装していくことができるということですよね。アイデア次第では非常に面白いことが出来そうです。

こちらの作品は引き金を引くと銃口のLEDが光るという、まさかのBASIC Lチカ(笑

メインの出展物はこちら(写真がないとか…

お次。でかいのと光っていたのでいやでも目につくという。

お次。日々ほげほげ研究所さんのリニアモーターカー。
今年は昨年から比べるとコンパクトにまとまっています。大型そうめん流し機くらい(笑

あいかわらずものすごい作り込みです。単なるリニアモータ駆動ではなく、列車がどこにいるかをちゃんとセンシングしてFB制御がかかっています。

お次、IPネットワーク上でモールスによるコミュニケーションを行うというデモ。
さすがにCWだけあって大先輩が並んでいらっしゃいました。

お次、周期運動がお好きな二人組。pfFamilyさんの作品。とてもとても美しいです。

 こ れ だ け (笑

あとはただただ二日間立ちっぱなししゃべりっぱなし。二日とも昼ごはんも食べることなく、誰かしらが差し入れてくださるアクエリアスを飲みながら説明し続けました。
気がつけば、みら太な日々の常連の方々がブース内にいらっしゃったり、お客様に説明をいただいていたりという風景も(笑 赤鯥さん、suetoさん、ありがとうございました。
さらに、先生が英語圏のお兄さんを捕まえて流ちょうな英語で霧箱の説明をしてくださってたり、そのまま私にスパッタの説明を無茶振りされたりというワールドワイド風シーンもありました。
(お客様と先生がワールドワイドなだけで、私はあうあう系です。)
といった感じでお手伝いをいただける方はずっとブースに居ていただけたのですが、さすがにスパッタの高電圧大電流のデモをお願いすることはやめました。下手すると死んでしまうような電圧電流ですので責任が取りきれません。
実際はデモをほっといて見て回るということも出来たし、実際皆様から強くお勧めいただいたのですが、次々といらっしゃるお客様にぜひデモを見ていただきたくてついついそのままやり続けた、といった二日間でした。
ということで、ものすごく疲れましたが大変満足しました。
ブログをご覧いただいているといっていただけた方は数知れず。霧箱もスパッタリングも私よりずっと詳しくていらっしゃる方(やってます/やってました系の方々)もまた数知れず。
そしてお客様が別のお客様に説明するというMFTならではの光景も何度も見ました。
実はその間は楽ができます(笑

で、今回最も印象に残ったのは会場でα線源の入手をしたことです(笑
今回の霧箱にはマントルを線源として使っていたのですが、長時間使っているとだんだん軌跡が少なくなって行きました。冷却ステージの温度は十分低いにも関わらずです。これはどうも凝縮したアルコールにマントルのα線の元である硝酸トリウムが溶けて流れ去ってしまったためだったようです。これもお客様から教えていただきました(笑
で、どうしたものかと困っていたところ、お客様の中から「線源ありますよwww」という方が。
「いやふつうα線源とか持ち歩いてないだろう」と思いますがそこはふつうではない人が集まるMFTの会場です。実際たくさんもってらっしゃいました(笑
しかも適価でゆずっていただけるとの由。素晴らしい。 裏の方でちょこちょこと価格交渉をして売っていただきました。

これ。
今は販売されていない煙探知機から取り出したもの。アメリシウム線源です。

これを譲っていただいたおかげでそのあとのデモは順調に進みました。
まことにありがとうございました。

ということで、Maker Faire Tokyo 2016 の出展記とさせていただきます。
ほんとはたくさんの方のブースを訪問したかったんです。TT@北海道さん、わっちーさん、ブースに行くと言っておきながら行けなくてごめんなさい。ほかにも見たいものたくさんあったのですがまた次回です。
来年はぜひ霧箱を改良したもので出展に挑戦したいと思います。林式と呼ばれるエタノールのプールを持った過冷却層の厚いものです。これを使うと軌跡がもっともっとたくさんはっきり見えるはずなのです。
そして、ぜひ来年はチームで参加したいです。そうすれば交代でほかの展示を見に行けるはずなのです。今回お会いしたかった方の多くはそうやってみら太な日々のブースを訪れていただきました。先生とか、じゅんさんとか、ウェイさんとかそそのかしたいと思います。

皆様も来年に向けてよいモノ作りが出来ますよう。( ̄人 ̄)

コメント

  1. ほいほい堂本舗 より:

    MFT2016、お疲れさまでした。
    私も「すぐにでも何かを作りたい」衝動に駆られているところです。

    ところで、リニアモーターカーの出展は ほいほい堂ではなく「日々ほげほげ研究所」さんと思われます(似た感じの名前ですが)。
    リニアモーターカーは私も見てきましたが、あれを作るのは大変だったでしょうね。

    • みら太/mirata より:

      ほいほい堂本舗さん、大変失礼しました。ご指摘の通り混ざっておりました。
      修正させていただきました。
      ありがとうございました。