みら太な法華院温泉の旅

雑談

 
本州にお住まいの方もひょっとすると坊がつるという地名をご存知かもしれません。
坊がつるは九州本土の最高峰九重中岳(1791m)の麓、高度約1200mに広がる湿地帯で、ラムサール条約にも登録されています。
この坊がつるには歩いてしか行けない法華院温泉山荘という山宿があります。一昨年行った尾瀬湿原の宿と似ています。8/12-13のペルセウス座流星群の極大日にこの法華院温泉山荘に一泊してきました。
ブログの趣旨とは離れますが、たまにはいいでしょ。

坊がつるには法華院温泉以外でも何度も行ったことがあります。私はいつも北側の吉部登山口から鳴子川沿いを登っていきます。
横浜生活の時には帰省してもう一歩足を伸ばすのが億劫でしたので久しぶりであります。
見てくださいこの風景。

こんな風景の中を1時間半くらい歩いていきます。

すると視界が開けて山に囲まれた坊がつる湿原に到着します。緑一色。
奥に見えている山は平治岳。

湿原には尾瀬と同様こういった板が渡してあります。

二時間程度で法華院温泉山荘に到着します。

個室で120人、大部屋で120人を収容できる大規模な山荘です。

個室が集まる棟の中の様子。

山小屋って感じで行きたくなるでしょ。ほんとにいいとこなんですよ。
写真はありませんが、温泉がありますのでゆっくりと汗を流すことができます。

物資が豊富なのは山荘だけは車を使って輸送ができるからです。
登山道とは別に林道が整備されており、特別な許可を受けた車両は山荘まで入ってくることができるのです。

そのおかげで夕ご飯はこんなにメニューが充実していますし、

自動販売機だってあります。しかもいわゆる山料金も50円程度と非常に良心的です。
このほかにビールの自販機が3台くらいあります(笑
尾瀬や中部山岳地帯の山小屋へのヘリコプター輸送、富士山のブルドーザ輸送などに比べて圧倒的にコストが安からこそ実現できる価格です。ありがたいことです。

今回の目的は登山ではなく流星を見ることです。
見てくださいこの美しさ。都会に住んでる方は天の川見たことがありますか?しtの写真の中央部にぼんやりと見えている雲のようなものが天の川です。左下には大接近中の火星が明るく輝いています。

天頂付近。夏の大三角形が美しいです。織姫(ベガ)、彦星(アルタイル)そして白鳥座のデネブが明るく輝いています。ど真ん中は天の川。織姫彦星が天の川を隔てて分かれている、という七夕伝説そのままの景色です。

シルエットは平治岳。
ちなみにこれらの写真は私が愛用しているHUAWEI P9を三脚に固定しての30秒間シャッター開放による撮影です。結構きれいに写るでしょ。

さすがに流星を動画で撮るほどの機能はありませんので流星群の写真はありませんが、今年は新月に近い絶好のコンディションでしたので二時間で50個くらいは見れたと思います。それはそれは美しいものでした。深夜にも関わらず周りでもたくさんの人が観察していて、大きな流れ星が見えるたびにあちこちから歓声が上がっていました。

で翌朝。朝食です。

食堂&ラウンジ周りの写真を何枚か。

ピアノもあります。たまにコンサート開かれています

外に出てみます。

13日の朝は青空が美しい最高のお天気でした。いやほんとに心が洗われます。

さて、ここからは若干ですがブログの趣旨を意識しつつ山荘の設備を観察してみましょう。
これは冬用の車両ですね。この辺りは高度1000mを越えますので九州といえども冬は雪がしっかり積もります。

山荘の裏手ではディーゼル発電機が複数稼働しています。
山荘に電気は引かれておらず、電力はすべてこの発電機で賄われています。
DENYOのHPにある外観写真からこのモデルはDCA-30EXと思われます。100V-136Aの二出力、合計30kVAといったスペックと思われます。

もう一台同じようなサイズの発電機があります。当然バックアップはあるでしょう。

燃料タンク。30kVA程度の発電機は100%負荷の状態では1時間に8L程度の軽油を食うようです。フル稼働させると一日でドラム缶1本です。燃料代だけで2万円を越えますね。なかなか大変な量です。

ということで当然のようにドラム缶があります。

配電盤の元締め。

ここから各棟に電気が送り出されています。

ガスは当然プロパンです。

水だけは潤沢にあります。しかも最高の澄み切った水です。夏場でも恐ろしく冷たいです。手を洗う間にしびれてしまうくらいの冷たさです。

こちらは食堂の片隅にあるテレビアンテナ系の配線。
地上波は全く受信できません。衛星のみです。

昔は無かった監視カメラ。こんな山の中には似合わないと思うんですが…。

これは長さから想像するにFMかな。

衛星アンテナ。日本中どこにいても、いや世界中どこにいても衛星放送のアンテナ見れば正確な方角を知ることができます。北半球か南半球かはわかっている必要がありますけどね。

様々な補修用資材。

トイレはなんと水洗、簡易水洗です。とてもきれいです。
山小屋のトイレはお世辞にも褒められたものではないことがほとんどです。が、ここはウォシュレットこそないものの、山小屋としては女性でもきっと満足の設備です。

各棟の電気配線は廊下に沿って這っています。

エアコンのホースカバーが活用されてますね。

宿泊施設ですので非常口、火災警報、館内放送等しっかりと装備されています。

証明はほぼ全てLEDに代わりました。

個室の中には電灯はありますがコンセントはありません。その代わりに廊下のあちこちに共用のコンセントがあります。スマホの充電などはここを使わせてもらいます。

火災報知機と避難経路説明図。

ベル。もちろん別系統で配線されています。

火災と煙探知機。

大型消火器が廊下の隅に置いてあるほか、小型の消火器はあちこちに配置されています。

以前は白熱電球だったと思われるこういった照明もすべてLED化されています。

個室棟の二階に上がってみます。

こちらももちろん非常時の備えは万全です。

大部屋。

ベランダには別の種類のアンテナが。
長さと構造からアマチュア無線の2mバンド、3段コリニアアンテナではないかと推測。
下界との交信というより登山路との連絡用でしょう。

大部屋の壁にはアルファベットのパネルが貼ってあり、それに従って宿泊者の場所が決められます。ごはんの時もこのアルファベットで呼び出しが行われます。

大部屋は区画によってブレーカーがあるようですね。

階段室の片隅にはこんなものが。コンサート用かな。

階段の雰囲気もいいですねえ。

これはジャンダルムではないですか。なぜこんなところに。

ラウンジには大型テレビが置かれているほか、天井にはプロジェクタ用のスクリーンも取り付けられています。

定番の漫画群が(笑

グループで食事ができる個室もあります。

ラウンジの中央にはこれが。
さすがに今回は置いてあるだけでしたが、おそらく9月中には使われるんじゃないでしょうかね。

今年の行事です。通年で開いています。今度冬に行ってみたい。

ということで、法華院温泉山荘でした。名残惜しいですが下山します。

法華院温泉山荘全景。

来た道を戻ります。

ここが林道の入り口。ゲートには鍵が掛けられております。

登山道入り口。

そんなに厳しい山ではありませんので死人が出るほどの事故ははるか昔ですが、今でもたまに遭難する人はいます。舐めてはいけません。

登山道の一部には硫化水素ガス濃度によって通行禁止になるところがあります。

下りてきました。ここは吉部からぐるっと回った表玄関の長者原。
写真は九重のガイド犬として有名だった平治号です。今でもお参りをする人が絶えません。

ということで、天候にも恵まれた素晴らしい山行きでした。
また来年も必ず行きたいと思います。

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