ガス冷却ペルチェ方式霧箱 その30 冷却開始!

その他のプロジェクト

 
ついに冷却を確認しました!成功です!

その後ガスの注入位置を変更してもう一度充填を行いましたところ、徐々にガス枕が冷えはじめ、最終的にはマイナスまで冷却できました。
キャピラリの詰まりが通ったのか、あるいは一晩経って何かが落ち着いたのか、詳しくはわからないのですが、結果として冷えたのでとりあえず良しとしたいと思います。

では経過を。
前回の実験の失敗原因をいくつか考えていたのですが、その一つが冷却系をフロンガスと共に巡っているオイルの存在でした。
これまでずっとこのオイルは単なるコンプレッサのオイルであって特別なものではないと思っておりました。が、MONOTAROで追加のガスボンベの購入を検討している際に「オイルの中にゴミが入っているかもしれないからオイルも買っておこう」と思いオイルについて調べていました。すると、どうもこのオイルは通常のコンプレッサオイルではなく冷媒専用であること、さらにはフロンガスの種類によって変えるべきものであるということを知りました。曰く、134a用のオイルはPOE(ポリオールエステル)というものであるとのこと。脂肪酸エステルの一種ということで、いわゆる油脂類にはかわりはないようです。が、134a用としてフロン134aとの相溶性が良いということらしいです。
よくわからない(笑 一応私は化学専門のはずなんですけどね(笑

無理やり考えたのは「フロンガスは一定量オイルと相溶するので、長時間大気にさらしたオイルからはフロンが抜けてしまっているであろう」「なので、前回充填したフロンはオイルに溶けてしまって冷媒として働いている量が少なかったのだろう」といったことです。結論としてわからないんですけどね。
実際注入位置変更にあたって一旦ガスを抜いたんですが、前回入れた量ほどのガスが抜けてきたようには思えませんでした。
????なことがまだたくさんあります…..

で、注入口をここに変更しました。
ガス枕の後、ガスが膨張した側、低圧側です。低圧側はコンプレッサがガスを吸い込む側でもありますので、ここからコンプレッサを回しながら注入すればよりたくさんのガスが入るのではないかと考えました。
元々のサービスポートは高圧側のキャピラリ根元にありましたので、前回はその位置からガス注入を行いました。この時はコンプレッサを回すとガスが圧縮されますので、回しながらガスを充填することができなかったのです。

そしてさらに工夫したことは、

ボンベをお湯につけてよりガスの圧力が高まるようにしたことです。
こうすればコンプレッサはどんどん吸い込む、ボンベはどんどん押し出す、結果として冷却系にガスがたくさん充填される、ということが期待できます。

で、そんな目論見をしつつコンプレッサを回しながらガスを入れていくと….
ボンベの上部がどんどん冷えて霜がついていきます。お湯につかっていないボンベの温度はどんどん下がっていきます。これはボンベ内の液化したガスが気化して気化熱を奪っている証拠です。これはいいんじゃないですか。
で、そのまま1分ほど充填を続け、たまにボンベを取り出して振ってみますと、液化したガスの量が減っていっているのが分かりました。
そうだと思ってガス枕を触ってみると、びっくりするくらい冷たいじゃないですか!!
これが成功を確認した瞬間でありました。

そのまま充填を続けてボンベが空になったのを確認したのちにサービスバルブを閉じました。

もうガス枕が冷えるのは間違いないんですが、まだ温度を測定していません。
ということで、一旦ガス枕が常温に戻るまで待って、改めてコンプレッサを動かしてガス枕の温度変化を追いました。

まず開始前、ほぼ常温です。

コンプレッサを回します。数秒で温度が下がり始めます。

ここで動画を撮り始めました。動画でどうぞ。

放射温度計なのでいまいちどこ計ってるかわからないときがありますが、ちゃんと冷えています。
1分くらいでマイナスになって、

とりあえずこのあたりまでの温度低下を確認できました。

ガス枕を目視していると、表面にどんどん結露が進み、

やがて霜に変わっていきます。

キャピラリがある側が膨張開始点なので、そちら側がよりよく冷やされているのが分かります。

この感じから行くと、もっとガス入れないといけないみたいですね。

数分回し続けると前面に結露が広がっていきます。手前のネジ山は霜で真っ白になっています。感動であります。

まだラジエターの空冷を行っておりませんので実験はこのあたりで終了しておきます。
コンプレッサを止めると、霜は溶けてこんな感じに流れていきます。

この時ラジエター側はかなり熱くなっていました。ラジエターを空冷してやればガス枕はさらに冷えることが期待できます。
霧箱動作時にはガス枕の上にペルチェ素子が乗り、そこの発熱が相当な量になると思われますので実際にどこまで冷やせるのかはまだわかりませんが、今回の実験成功でこれまでの考え方が間違っていなかったことがはっきりしました。
スペアのガスが到着し次第さらにガスを充填して再実験したいと思います。あ、その前にラジエターの冷却系をちゃんと作らないといけないな。
一気に気分が盛り上がってきました。頑張ろう。

コメント