その16で完成を宣言した自作3Dプリンタですが、早々に改造しました。
まだ初期不良(笑)機関だと思いますので、その17として追記します。
きっかけは冷却ファンの取り付けを検討していた時でした。(冷却ファンについては別途投稿します)
例によって確認用の30mm角立方体に丸凹みが付いた五右衛門風呂状のテストピースを出力しましたところ、あらら、ずれてるじゃあないですか。
上下ひっくり返すとこんな感じ。出力を始めて早々にずれております。その後は問題なく進んだようですが、これは嫌な感じであります。アルミベースを取り除いてY軸が駆動するステージの重量をかなり減らした改良をした部分です。まだ完全ではなかったようです。
精度向上のために採用したリニアガイドでしたが、重量級を使ったためかリニアガイドのスライドブロックそのものの重さも相当なものになっており、しかもそれを二つ使ってます。スライドブロックの動きそのものは非常にスムースです。つまり摩擦は非常に少ないのです。しかしブロックそのものの重さは慣性重量となってモータの動きに抵抗しますので、そこが脱調を招く原因になっているようです。重たいスライドブロックを急に止めたり、逆方向に転換したりするときに脱調しているのでしょう。このテストピースは、30mm高さを0.2mmピッチで積んでいますので、全部で150層あります。この時Y軸は300往復しますので、300回に1回の脱調となります。これは結構な頻度といえます。
ということで、これはもうリニアガイドを諦めよということなんだろうと結論しました。
リニアガイドでなければ、迷いなくV-Slotです。早速組み換えを行います。
まず現状。
8mm厚アクリルを外すと重量物用リニアガイド二本が現れます。いうまでもなく過剰なスペックです。過ぎたるはなんとやらということでしょう。
リニアガイド外します。もう手放すかなこれ。ここで使わなきゃ使いそうにない。
フレームも外します。
外したところに500mm長さのV-Slotレールを乗せてしばし構造を検討します。
この板の四隅にプーリーを付けてキャリッジにしてみましょう。左右のレールをそれぞれ挟み込むようなプーリー配置も考えましたが、調整が面倒そうなので止めました。閉まり具合はレールそのものを動かせばなんとかなるんじゃないかと。
ということで、さくっと図面を描いて(省略)レーザ加工機で切って(省略)こんなものを作ります。
中央にベルトを掛けるためのねじを二本、
そして四隅にこのV-Slot用のプーリーを取り付けます。
プーリーとベアリングを別々に買っているので、ベアリングを圧入してプーリーを作ります。一つのプーリーにつきベアリングを二個使います。こうすることで軸のぶれがほとんどなくなるのです。
プーリーはAliexpressで購入してストックしているもの。このあたりです。
取り付けていきます。
調整はレール側で行いますので、こちらは締めて終わり。簡単です。
完成したY軸キャリッジをレールに乗せて動きを調整しながら固定していきます。
動画で。
スコヤを使ってX軸との直角を確認しつつ、スムースに動いてがたの無いポイントを探っていきます。
こんな感じかな。
ベルトを掛ければ完成です。
Z軸と違ってY軸の原点はどこでもよいので、適当にプーリーがリミットスイッチを押すようにスイッチの位置を調整すればY軸の組み換えは終わりです。
リニアガイドの時と比べると、動きのスムースさは同等ですが、圧倒的に軽いです。今回乗せたY軸キャリッジの重さはこれまで二つ使っていたリニアガイドのスライドブロック一つ分もないと思われます。これでもう脱調することはないでしょう。
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