ガス冷却ペルチェ方式霧箱 その36 冷却実験開始

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いよいよペルチェ素子を実装しての冷却試験に入ります。まさにここからが佳境であります。
目標はアルコールプール温度で-30℃、欲を言えば-35℃あたりです。このあたりまで下げてやると安定してたくさんの軌跡を観察できると思われます。

まずは電源探します。
ペルチェ素子は抵抗が低く、電流がだだ流れします。今回使う12706もこの型番が表している通り、電圧を12V程度まで上げると4-6A流れます。
さらに、今回はこの電流食いの12706を4枚使います。並列にすると10-12Vで25Aくらいの能力がある電源が必要です。ここまで泣かれる奴ってあんまり見ないですよね。
もちろん直列つなぎをすることによって電流を増やさずに電圧で稼ぐことも可能です。が、その場合も48Vで6Aくらい、つまり300W近い電源が必要だということです。

早速手持ちの電源ひっくり返します。

24V7.5Aですか。二直二並なら行けそうです。とりあえず候補にします。

うーん、中途半端だ。

そのほかの電源は雑魚(笑)ばっかりで、タワーPCから外した電源がまあ使えるかも、という感じでした。二直二並(四並もですが)は中華素子のばらつきの可能性を考えるとあんまりやりたくありません。
どうしたもんかと考えつつ、ペルチェ素子を引っ張り出してきて考えます。

こう並べます。

こうやって、

こうじゃ。

四隅をねじ止めして固定する構造です。

そうこうしている間に良い考えを思いつきました。
ペルチェ素子に印加するのは別に安定化した直流でじゃなくてもよいのでした。であれば、100V商用電源をスライダックで落としてブリッジで脈流にしてやればいいじゃないですか。スライダックは20A品がありますので容量は十分。四直で接続しても電圧は余裕です。しかも電圧可変ですから冷却能力の調整をしながら最適点を探すこともできます。
これで行きましょう。

ジャンク部品箱からブリッジ探します。

でかそうなやつ探しますが、この手でも3Aとかなのでちょいと足りません。

ジャンク箱その2(笑)を出してきます。

こっちは結構ありました。

電流定格から行くとこ奴が一番余裕があり、いくつもジャンク箱の中に入っているのですが、この接続のものが二つあってもどうやってもブリッジが組めませんよね。
ということで諦め。

ジャンクその3が登場。こちらはモノによってそれなりに整理された袋になっています。

ひっくり返しますが、容量の大きなブリッジはありません。

しゃーないので、単品でダイオードが無かったかなと(ジャンクではない)部品箱調べてますと、

これはSSR。

これは容量は十分だけど、カソードコモンになっていて使えないファーストリカバリダイオード。何のためにこれ買ったんだろう….

しゃーないので、ジャンク箱にあったもので最も容量が大きかったRS605Mを使います。
とりあえず絶対定格6Aあるので、注意して使えば大丈夫でしょう。

一個しかないので、死んでしまうと困ります。ちゃんとヒートシンク抱かせます。

配線して、

ペルチェは全部直列です。

ストレートの圧着端子で接続して、

一次側をスライダックに繋ぎます。

怖いので電流計見ながら流します。脈流なので表示値は正確ではありません。注意注意。

接続完了。

で、エタノールプールに温度計貼りつけて、スライダックを調整しながら最低温度を探ったのですが、結論は全くダメでした。
あまりに予想を裏切る展開だったため、落胆して写真を撮り忘れています(笑
電流を流し始めると、ガス枕表面の温度がすぐに上がり始め、10℃近くまで上がってしまいました。
ペルチェ素子はそれなりに冷えてはいるのですが、ホット側が10℃もあると、コールド側はいいとこ-10℃、行っても-15℃くらいです。これでは話になりません。

これはガス枕の到達最低温度をもう少し下げてやらないといけないようです。
現時点ではガスを多めに入れていますので、いずれやらなければならないと思っていた作業なのです。
いぞがば回れでまずはガス冷却系の完成度を上げましょう。

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