ガスを入れすぎているガス冷却系からガスを抜きながら最低温度を探っていきます。
ガス枕の温度は、充填しているHFC-134aの蒸発温度で決まります。ガスを抜いていくと冷却系内のガス圧が下がっていきますので、フロンガスの蒸発温度も下がって行って、結果ガス枕の温度も下がるのです。もちろん、抜きすぎると冷媒が足りなくなって再び温度の下がりが悪くなっていきます。このあたりにも書いていますが、要はガス圧には系に応じた最適ポイントがあるということです。
熱電対をガス枕の冷媒入り口と出口付近に貼りつけて、断熱材を介して上から押さえます。冷媒入り口はキャピラリ先端近くですので、まずガスの揮発が始まるところです。ガスの揮発が始まっても依然として液化したままのガスも残っており、これらが次第に蒸発しながらガス枕内を通過していきます。この液化したガスと気化したガス(変な表現ですが…)の混合状態をしめり蒸気と呼びます。
効率から考えると、ガス枕の出口まででちょうどガス化が終わるとよいように思えますが、これだとガス枕から奪う熱量に余裕がありません。実際のガス枕はペルチェ素子でガンガン加熱されますので、かなり余裕がないと冷却が負けて温度が上がってしまうのです。
そんなことを考えつつ、ガスを抜きすぎないように調整していきます。
コンプレッサ始動直後の二点の温度。
10秒もしない間に-3℃まで下がります。ガスがたっぷり入っていますので、熱を運ぶ能力も十分飽和している領域です。
ガス出口には霜がつき始めます。
ガス枕全体にも霜が。
この状態でしばらく運転を続けても、これ以上に温度が下がることはありません。
これは今までに確認した通りです。
時間と共にガス枕と下流側の配管に付着する霜の量が増えていくだけです。
すると、ゆっくりとガス枕の温度が下がり始めます。
配管内のガス圧が下がって(したがってガスの蒸発温度が下がって)からガス枕の温度が下がるまでにはしばらく時間がかかります。ゆっくりとみていきます。
気のせいか、霜の増える速度が上がったような。
さらに下がって行きます。
凄い霜の量になってきてますが、まださーびすぽーとのあたりは銅管が見えています。
写真倒れててすみません。さらに下がって行きます。
-10℃が見えてきました。
このあたりから下がり方が早くなります。さらにバルブを絞って、ガスが抜ける量を下げる、あるいはバルブを完全に締めて温度低下が安定するまで待つ、といった作業を繰り返していきます。
ガス枕はもうこの通りです。周りは25℃くらいあるのに、断熱材無しの裸の状態でこれです。すごいです。
このあたりまでかなあと思いつつも、ついつい限界点を探りたくなります。
サービスバルブからチューブを外すときにも冷媒が漏れますので、そこで失われるガス量を考えるとこのあたりが潮時と考えました。
-14℃で一旦良しとします。
ガス枕がここまで下がるとペルチェ乗せたくなりますよね。
ということで乗せてペルチェの到達最低温度を見てみたいと思います。
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