レーザ加工機 参號機組み立て その31

自作レーザ加工機

 
いよいよレーザ管の取り付けです。
せっかくなので端子周りの汚れたところを徹底的にきれいにします。

おそらくMDFを切る際のヤニと焼き飛ばされたカスが混ざったものと思われます。水拭きで簡単に取れるのですが、入り組んだところは大変です。割ってしまったら元も子もないので慎重にやります。

裏側も。

冷却配管は薄汚れてつぶれもありましたのでこの機会に交換することにしました。
インシュロックを切ってチューブもカッターで切って取り外してしまいます。

では取り付けです。レーザ管を保持するパーツは何と5月につくったまま放置でした。 ようやく使います。前側は回転と仰角が可変になったもの、後ろ側は本格的なレーザ管保持でよく見られる3本ネジの角度調整機構付きです。
これは前側。

こちらは後ろ側。スポンジを巻いてその上からビニールテープを巻きつけます。

調整機構のネジは先端が当たるとレーザ管を傷つける可能性がありますので、こんなゴムの中心を軽くざぐって先端を保護します。

こんな感じに取り付けました。これで少々締め付けてもレーザ管が痛むことはないでしょう。

取り付けてみました。

なんかかっこいいです。本格的な感じが。

さて、いよいよ光学調整に入ります。ここからは少々面倒です。
床に本体を置いてレーザ管を仮置きし、通電できるように電源を接続します。

フローリングのつなぎ目を利用して部屋に対してビームがほぼ平行になるようにします。

そして、第一ミラーの前に紙を置いて、第一ミラーの回転軸の真上にビームが来るように管全体の位置を動かして調整します。

上から見てほぼ筐体とレーザ管が平行になっているのを確認して、保持冶具の位置出しをします。
いったんレーザ管を外して、冶具をM3のネジで筐体にしっかりと固定します。

まず後ろ側がつきました。

続いて前部も同じように固定します。

 取り付けしました。

ここでもう一度レーザ管を取り付けて射出口位置の確認(第一ミラーの軸上を通るか)の再調整とビームの仰角 調整をします。
仰角調整は第一ミラーを取り外した状態で木片を床に置き、そこにビームを当てて高さをマークします。次にその木片をレーザ管から3mくらい離れたところにおいてもう一度ビームを当てて焦がします。
レーザ管が床と平行であれば二つの焦げ跡は同じ高さにつくはずです。ずれている場合は後ろ側の保持冶具の調整ネジで合わせていきます。ここは簡単です。

レーザ管の取り付け位置が決まりましたので冷却配管を接続します。
ちなみにここまでの調整では冷却をしないままで発振させていました。本とはまずいのですが、短時間かつマーキングが出来る最弱のビームでやっておりましたので大きな問題ではありません。
このあたりはレーザ管を自作していたときの経験が活きています。

冷却配管も今までのごちゃごちゃしたものからすっきりとしたレイアウトに変わりました。

 レーザ管の構造上、冷却配管の口は向かい合っていますので、全反射ミラー側の配管をU字管を使って反転させます。

こんな感じ。U字管もインシュロックで筐体にしっかりと固定します。こうしておけばホースを少々引き回してもレーザ管に力がかかることはありません。

射出口側の接続。ホースをねじ込んでインシュロックで締めます。変な力をかけないようにどきどきしながらの作業です。

末端はこれまでと同じ10Lの水タンクと小型のベーンポンプに接続します。

これで冷却ができるようになりましたので、ちゃんとビームを出しながらじっくりと光軸の調整ができます。ここからが面倒なミラーの調整です。

第一ミラーを元通りに取り付けます。この状態でビームを当てるとミラーのど真ん中に来るように床の上で調整しました。ミラーはジンバル構造になっていますので、取り付け軸周りにミラーを回転させても必ずビームはミラーの中心に当たります。

第一ミラーを回転させて、第二ミラーの取り付け部分においた木片にビームが当たるように調整します。そして、最終的に台にミラーのど真ん中にビームが来るように第一ミラーを微調整して追い込みます。この辺は写真では説明のやりようがありませんので割愛です。一生懸命になっていたので写真を残していないというのもあります(笑
この間およそ10分。

第二ミラーの真ん中にビームが来たら、今度は第二ミラーを回転させて第三ミラーにビームを導きます。第二ミラーの取り付けもジンバル構造になっていますので比較的調整は楽です。

画用紙にビームを当てながら調整していきます。まだ左ずれです。
ビーム形状がほぼ真円をしています。これはここまでの調整が直角基準でうまく進んでいることを示しています。

第二ミラーのおおよその角度が出たら、第三ミラーの前に紙片を置いて、第三ミラーのど真ん中にビームが当たるように第二ミラーを微調整します

おおよそ真ん中にビームが来たら、最後の仕上げ、レンズの中央にビームが来るように最終調整します。
目印となる円を書いた紙をレンズの位置に置いて、その中央にビームが落ちるよう第二ミラーを調整します。一般の製品では第三ミラーにも調整機構がついているのですが、私のものはそれがありません。いずれ改造も考えたいと思いますが、ひとまずはキャリッジの構造が単純なものになるようにしてみました。

紙片をたくさん使いながら調整していきます。
おおよそ調整が済んだら、キャリッジをいろいろな場所に動かしてさらに微調整を行います。
今回はレーザ管からもっとも遠い点(キャリッジが右手前)で調整した状態で、加工範囲のどの位置でもほぼ完全に光軸はあっておりました。設計どおりに作れていることを示しています。このあたりは地味にうれしいところです。
壱号機はいろいろとやっつけだったので光軸調整をしていると良く発散してわけがわからなくなっていました。今回は壱号機から考えると本当に飛躍的な進化をしています。すばらしい。

さて、面倒な光軸調整も完了しました。
これで描画テストがうまくいけば参號機本体はほぼ9割がた完成したといってよいと思います。

レンズを取り付けました。いよいよテストです。

一発目からほぼ完璧な動作です。Zステージの高さがいまいち完全ではありませんが、テストパターンはひずみなくきれいに描けています。問題ありません。これで大きな山を越えました。

このままいろいろ遊びたいところですが、蓋と排気系を作らないと部屋が煙だらけになってしまいます。ここはぐっと我慢して作業継続です。
あとは鼻歌まじりで楽しく進められます。いやあうれしいです。こんなにうまくいくとは。

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