ライフワーク(笑 などと言ってる場合ではなく、そろそろ仕上げに入らないといけないのです。
文月さんからご依頼をいただいた当初は、形を作るのをメインにして塗装などはお任せしたいと考えておりましたので、形が出来てイルミネーション入れたら終わりと考えていました。しかしながら、作りながら「これ塗装するのは結構大変だなあ」と思うようになり、なんとか色付きの完成した形でお引渡ししたいという気持ちが強くなってきました。
ですが、現在は狭いマンション暮らしであり、塗装をする場所も設備も準備するのは一苦労です。
ということで「色はつけたし塗装は難し」と、ここ数週間どうしたものかといろいろ考えておりました。
で、これならいけるのではないかという方法をついに思いつきましたので、今回テストしてみることにしました。
思いついた方法というのはこちら。
いわゆるカッティングシートと呼ばれているものです。カッティングシートという名称はどっかの登録商標だったかもです。マーキングフィルムというのが正しいのかな。よくわかりません。
これをMDFの上に貼れば塗装をしなくてもきれいな色つけができるじゃないか、ということを思いついたのです。
カッティングシートは、ものとしては、着色塩ビフィルムの裏がシールになっているシートです。下のサイズで500円くらい。
パーツは全部平面ですので、シートを伸ばすといった高等テクニックも必要なさそうですし、なんとかなるんじゃないかなと考えた次第。
シートを貼れば完全に均一な着色面が得られますし、フィルムの選択によってつやあり、つや消し、メタル、ホログラムとなんでもありです。
まずは試してみないとわかりませんので、とりあえず白黒灰色の三色(厳密には色ではないですが)を買ってきました。
ということで、失敗してもダメージが少なそうな台座を使って実験することにします。
パーツをシートの上に並べて、
マジックペンで切り取りの線を描きます。やや余裕目に。
線を入れたらはさみで切り分けます。
さて、まずこれから行くか、
という前に、まずは端材と100均のMDF板で予備実験です。
裏紙をセロテープではごうとしましたが、うまくいかず。
なかなかむつかしいですね。裏紙がめっちゃ厚いのです。
爪でやった方が簡単でした(笑
粘着面を触らないように注意しながら、ある程度裏紙をはがして、
MDFの上に端を乗せてちょっと押さえます。
裏紙が厚いので、こんな感じに安定して貼りながらはぐことができます。これは何とかなりそうな感じ。
貼れました。しわも全くありません。平面なので思った通りわりと簡単。
MDFの表面はなめらかですので、シートの表面もこの通り。非常に綺麗です。
これを塗装で出そうと思ったらそりゃ大変ですよあなた。
ということで、これは非常に期待が持てます。
気をよくして、本番へ行ってみましょう。
裏紙を一部はがして位置を合わせ、
一気に貼り付けます。なんだかわかんないですが、このシートの下にMDFがいます。
裏はこんな感じ。曲がったせいで結構ぎりぎりでした(笑
シート面からよくこすってしっかりと粘着が効いたところで、
カッターで余分なところを落としていきます。ここは刃先30度のデザインナイフ風のカッターを使います。
直線部分は簡単。定規を当ててフィルムを切っているようなもんです。しかも張り付いてるからずれないし。
楽勝楽勝。
曲がっているところは、角がくっつかないようによくカッターを入れて落とします。
ここも全然むつかしくないですね。
周辺を落としました。ここからが問題。01を切り抜いていきます。
と思ったら、これも思いのほかあっさりとできます。
大体のところを落としてから、角をカッターの先でぐりぐりやってきれいにする感じで進めます。
めっちゃきれいにできます。
ゼロは曲線ですのでやや慎重に、刃ではなくパーツの方を動かす気持ちで。
もともとのレーザ加工機切断面がガタガタしているので、この辺りが限界です。
一枚貼りました。素晴らしいと思いません?
これはよいですよ。塗装より圧倒的に楽です。しかもきれい。塗装に比べるとコストは高いかもしれませんが、工数の少なさと仕上がりの綺麗さでおつりが来ます。
問題はこの切り口の黒なんですが、今回はこの面には何もしない方針で行こうと思っています。
黒以外のシートを貼ると切り口の黒が目立つかもしれませんが、そこはそんなデザインだと解釈して(笑
調子に乗って二枚目。
端っこを貼って、
すいーっと裏紙を横へ引きます。実に綺麗に貼れます。
うら。ヤニが汚い。
切っていきます。
切れました。いいですいいです!きれい。
細かく見るといろいろ言いたいことはありますが、十分でしょう。
勢いをそのままに他のパーツにも貼っていきます。
この3つをやります。
貼り付け面をきれいにして、
貼って、
貼って貼って、
縁を切れば出来上がり。このパーツは直線だけなのでほんとに簡単。
さて、それなりにやり方がわかってきたところで少し難易度が上がります。
形も変だし、大きいし、おおきな穴も開いています。
ですが、これもやってみると思いのほか簡単でした。
ネットで調べてみると「大物はしわが寄りがち」と書いてあるところが多く、確かに気を付けないとしわが寄ります。が、コツは簡単で「なんも考えないで一気に貼る」です。棒状のものでシート面を平たく押していくことがポイントです。変に指でつまむと点で張力がかかりどこかにしわが寄ります。引っ張らずに一気に行きます。
棒で裏紙を追い出してく感じでやるとよいようです。
とりあえず縁と大穴だけあけておいて次へ進みます。
慣れたら早いこと。
最後に今回のパーツでは最もむつかしい形をしたアーチ形状のパーツに貼ります。
これもずれさえなければ怖くないようです。ちなみに、右端に見えているアルミ定規で貼り付けています。
このパーツも穴などは後回しにしておきます。
ということで、片面は貼り終えました。
ここでグレーのシートは残りわずかとなってしまい、全パーツには貼れません。
やむなく反対の面は白で貼ることに。何事も実験です。そのために台座を選んでいるのです。
白シート持ってきて、
裏返して位置取りをします。
マジックで切り取り線描いて、
こんな感じ。
切って、
貼っていきます。もう完全になれました。
パーツの勘合部は接着剤が効くようにシートを貼らないままにしてMDF面を残します。
両面貼れました。綺麗です。この時点で塗装ではなくシート貼りで仕上げていくことに決定します。
ここでようやく小穴を開けていきます。
これも思ってたより簡単、というか面白いです。コネクタ作りにも似て、完成度との戦いというか、集中力がいやが上にも呼び起こされるというか、もっとやらせろというか、私向きの作業(笑
穴がたくさんあるとうれしくなります。当初の不安はどこへやら。
あと一枚しかない….
味わいながら、
終わってしまいました。切り抜いた円形のシートの束。
今回貼った全パーツ。
ここで、どちらを外面にして組むかをしばし考えました。…..その結果、ベースは白を外に、シートを角度可変に支えるアーチ部材はグレーを外側にして組むことにしました。
勘合に必要な方向だけ勘合用の穴を切り抜きます。
シートを貼ると勘合部が外から見えにくくなるというメリットもあるのですね。もちろん、勘合部分は見ればわかりますが、気にはならなくなります。
アーチ部材も勘合部を切り抜きます。こちらはグレーを外にしますので白シート側の勘合部を切り抜きます。
こんな感じになります。パンダみたいですが仕方ありません。そのための台座を使った実験なのです。
本接合します。木工用ボンドを流し込んでよくなじませて、
組み立ててしばらく放置です。
アーチ部材も同様に、
組み立ててしばし放置。
できるだけ狂いが出ない置き方で硬化させます。
有ご飯食べ終わって1時間後。
ねじ出してきて、
組み付けます。完成。
シート乗せてみます。
シートがMDFだらけなので何とも変な眺めですが、台座の完成度は素晴らしいと思います。自画自賛。
はやくシートもやりたくなってきました。
ここで巨大な問題があります。
ここまでの予備実験でもお分かりの通り、わたくしには配色のセンスがないのです(笑
色塗るとかシート貼るとかのはるか以前の大問題なのです。
ということで、シミュレーションをしてみることに。
fusion360起動して、適当な配色をしてレンダリングします。
配色のセンスがないなりに思うことは「ゴテゴテのデコレーションだけは避けよう」というものです。
ですが、白一色というのもあまりに芸がありません。
そこで、一面くらいは黒にして作ってみたのがこちら。
黒部分をカーボン繊維のメッシュ風にしたもの。カーボンプリプレグ柄のシートも売ってるのです。
「どれもいっしょやんけ」と思ったあなた、正しいです(笑
…..しばらく悩んでみます。 文月さんのアドバイスを期待しつつ。
コメント
うちでは、ワイヤフレームで出力して、
2D系のペイントソフトで「センスよく塗って」とお願いしています。
て、きっとそうしていますよね。
KOHさん
「センス良く」が難しいんですよ。この下のコメントにもありますが、文月さん悩み中のようです(笑
色は、正直決めあぐねているところです(汗)
仕込めるか否かのネタが色に関わる部分もあるのですが、今週中に一度メールで投げますね!
文月さん
一度現物を見てみるというのはどうですかね。
ど う で す か ね
では30日の土曜辺りは御在宅でしょうか?(`・ω・´)
色々こちらが準備出来ない(謎)感じではありますががが!
絶賛在宅中です。
が、天気がいまいちっぽいですね。
それでもよろしければ歓迎でございます。
なんか強制してしまっているような。
無理はなさらず。