前回アクリル板を削ってみましたが失敗でした。アクリルが切削の熱で溶けて刃物に巻き付いてしまったのです。何か冷却のための手段が必要だなと思っていたところ、こばたいしょうさんから「水をちょっとつけて冷却」とのアドバイスをいただきました。切削といえば切削油と思っていたので、水の発想はありませんでした。
ということで、早速やってみました。
ものは何でもいいので、もう一度これを使います。
今回ちょいと工夫するのはこの部分。
このウィンドウのボトム高さのオフセット値を設定します。この値は、輪郭を削って目標の形状(今回は上の図)を母材から切り出すときに、母材の厚さを超えて捨て板に切り込む深さを設定するものです。以下の設定では、5mmの母材から輪郭を切り出すときに5,4mmの深さまで彫り込むということです。このオフセットを設定することで切削物を首の皮一枚残すのではなく、完全に切り離すことができます。これと前回設定したタブ機能、すなわち「切削物が母材から離れて暴れないようにつながっている部分をちょっと残す」という機能を併用してうまいところ切り出すことを試みます。
シミュレーションして問題ないことを確認して、
切削をしてみます。切り込みが無事に終わったところで、
洗瓶で水を置きます。
動画で。例によって大音響注意です。
水は切削粉でどんどん濁っていきます。
一つ目のポケット加工が無事終わりました。ティッシュで水を吸い取ると切削粉の塊が残ります。順調に次の加工に移ります。
すかさず水を供給。
順調に輪郭に入りました。最後まで行けそうです。
ここでミスが一つ。先に設定したタブとオフセットですが、タブの厚さを0.35mm、オフセットを-0.4mmに設定していました。0.35mm残すんだけど、いつもより0.4mm多めに削ってね、という命令ですから、当然タブは全部削られてしまいます。というか、正確にはオフセットされた底から0.35mm残す加工をしているはずですが、そこには母材が無いということです。ということで、当然ですが途中で外れて「ガッ!」という音がしました。あわてて止めたところ。なんかぐちゃぐちゃですが、果たしてどうなっているでしょうか。
水で洗って切削粉を流したところ。
す ば ら し い
完璧な出来です。
もう一枚。わかりますかね。
輪郭部分。きれいです。
こちらは水浸し(笑
でも水ですから拭き取れば終わりです。これが油だと考えると掃除がすごい大変なことになります。
こちらは捨て板の切り込み部分。このどこかにタブが作られているはずです(笑
前回作ったMDFのものと並べてみました。形状は若干違いますが、輪郭は同一です。
改めてアクリルの切削部拡大。
角部分。きれいです。0.5mmピッチの切り込みの跡もほとんどわかりません。
ポケット加工の底もきれいです。向こうが透けるくらいきれいな面ができています。
素晴らしいです。
ちなみにこちらはMDFの同じ部分。こちらも十分にきれい。
全体。
レーザ加工と違って深さ方向の切削は垂直ですから、きれいに立ちます。
いや実に面白いです。
こばたいしょうさんのアドバイスでこんなにきれいなものができました。こばたいしょうさんまことにありがとうございました。
コメント
こんにちは。
うまくいってよかったですね。
3Dプリンターやレーザー加工機よりも加工までが大変ですが、
出来た物は比べ物にならない位きれいな仕上がりなので
うれしくなりますよね。
水をつけながらの加工中はそばを離れられないことと、
水無しで切り込みを少なくしての加工も、切り粉の後処理
が大変なので最近はほとんどCNCを使用しておりません。
時間ができたら何とか他にいい方法を探してみようと思っています。
まずはレーザー加工機の完成が先ですが、なかなか捗りません...
こばたいしょうさん、ほんとにありがとうございました。
アドバイスをいただけなかったら油を使って周りをたいへんな状態にしてしまっていたと思います。助かりました。しかも非常にきれいな仕上がり。
水を使っても周りへの飛び散りはありますが、油よりはずいぶんとましですからね。今度吸水性樹脂で粘度を上げたもので試してみたいと思います。別のアプローチとして、たまった切子ごとアスピレータで吸い取ってしまうことも考えています。
いずれにしてもこばたいしょうさんのアドバイスの賜物でいろいろとネタが出来そうです。
ありがとうございました。
私もGoogle先生にLDの構造を聞きました。こりゃ線状になりますね~(T_T)
アナモルフィックプリズムですかあ!LDではダンボール工作までにしておきます。
CO2 Laser欲しいけど、早2ヶ月目でAliExpressのDarkSideに落ち込んで多額の請求が!!!
こばたいしょうさんの水冷、眼から鱗でしたが
動画で見ると更に実感できます。
私も早く削ってみたい~。
今日やっと色々エンドミルが届きました。
先週からHeightMapの検討中です。
以下、ご参考になれば幸いです。
付属のGRBLcontroller ver.0.9 ですとデフォルトでは出てこないので[Service]-[Setting]の[Panel]の所で[Heightmap]にチェックを入れ、メイン画面に戻るとSpindle調整の上にHeightmapの項目がでてきます。
PCBの場合、エンドミルを直接、ワニ口クリップのケーブルでA5と接続し、銅面は、GNDと接続すれば、HeightMapを自動で作成してくれます。
起点を基準に各ポイントの高さのOFFSETデータをHeightmapとして作成してくれるものです。
まず加工するGcode(何でも可)を読み込むと
HeightmapのCreateボタンが有効になり、左下に設定項目がでてきます。
ここでXY範囲、Gridの数(辺当りの測定ポイント数)、Z軸のZt:TOP、Zb:BOTTOM、辺当りの補間ポイント数(Interpolation Grid)を設定しProbeすると、起点をほぼZ=0とする高さのマップ=Heightmapを作ってくれます。
これで材料表面の歪みを記録して加工にOFFSETかけ加工することが可能になるはずです。
ゼロ点Probeの再現性は、5回計って±0.001mmでした(このCNCの測定限界)
これを木材やアクリル板でも平面調整せずにXY座標によりZ軸をOFFSET調整できないかと検討しています。
ドリルの代わりにモーメンタリSW(古いDVD-Drive分解したら小さたLimitSWをゲット)をつけ、コントロール基板のA5-GND間に配線します。SWは部材に接触した時にONする様にします。
まだ、Heightmap作成を始めたばかりで加工にまで進んでいませんが、かなり使えそうな気がしています。
10mm程窪んだお皿でもHeightmapを作成できました。
つまり湾曲した表面を一定の深さで加工するといったことも可能になるようです。
GRBLcontrollerは、ver.0.9よりは何か良いかなと思い、Candle ver.1.0.1.1を使用しています。
それにしても3つのモータードライブシールドは、かなり熱くなりますね~。付属のフィンでは小さすぎるのでファンでも付けようかと思っています。
そうそう、Fusion360入れました。が、一緒に入るArtCAMって面白そう!
長くなりすみません。
誤解があるといけないので補足ですm(_ _)m
「AliExpressのDarkSideに落ち込んで多額の請求」は、Aliさんが悪いのではありません、私が買物しまくったからです。
マーティさん、ものすごい有益な情報をありがとうございます。
ハイトマップ機能がGRBLにもあるんですね。素晴らしい。それならあんまりシャカリキになって水平出さなくてもいいですね。しかも曲面にも対応するとか素晴らしすぎ。
マーティさんこの情報ってどっから仕入れたんですか。GRBLの総合的な情報サイトとかあるんですかね。教えてくださいませ。出来れば日本語のところ(笑
素晴らしい情報をありがとうございます。
やあ、嬉しいですね~ みら太さんに参考になるなんて言われると、元気が湧いてきます。
Heightmapのやり方は、色々調べたのですが見つけることができなかったのです。
A5端子を使うことだけわかっていたので、後は手探りなんです。
元々「基板加工機 その3」でのkenkomaさんのコメントに「レベルは、Heightmapで補正はダメなんでしょうか?」というのが大ヒントでした。
Zゼロ調整の時にエンドミルとA5端子、部材の金属表面をGNDに繋いでGRBLcontrollerの「虫眼鏡に↓マーク」ボタンでできるのは、色々ありましたが、Heightmapそのものをやっているのは見つけることができませんでした。
たまたま付属のGRBLcontrollerの新しいバージョンを見つけ(名称Candle)起動すると
HeightMapの項目がでているではないですか!
思わず嬉しくなり、エンドミル折りそうなので釘でやってみましたらAuto設定の四隅四点測定でなんか動いている!
途中で止まることがあるので一時はダメかと思いましたがZ軸のBottomを深めに設定していないと途中で止まることがわかり、その後は、他の項目は名前から機能が推測できたのでうまくいきました。
そこで、エンドミルの代わりにSWを付けてはと言う発想がわき
(今年から小さな思いつきノート持ち歩いています!)
以前分解したFAXのフックSWを使ったらON位置の再現性が15μm程。
そこでDVD-R Driveに何か部品が隠れてないか分解してみたら、たまたま微小のLimitSWがあって上手くいったという訳です。
でもEAGLE等Toolを使うスキルをまだ吸収できなくて~
実際のPCBはまだ削っていないのです。
エンドミルも続々と届いているので
また、Inkscapeでランドの形つくって削ろうかなあと。
が、肝心のPCが不調になりOS入れ直しなど修復中。もどかしい...
また長くなりm(_ _)m
こんにちは
大学の部活でCNCを使ってアクリルを彫っています
(OriginalMind RD420)
切削条件ですが、今少しずつ速度を上げているところでまだ確定はしていませんが、
F1200、Z送り0.12、超硬エンドミルφ2.0、主軸回転数最大(たぶん1万rpmくらい)
クーラント有、水溶性切削油(自作)
でかなりきれいに削れています。
Z送りをさらに増やすとどうやら、主軸出力が足らずに停止しそうになるので気をつけています
以上参考になれば・・・。
(以前色つき基板の件で質問したのは私です)
Elecさん、どうぞよろしくです。
CNCでアクリル削るってどんな部活ですか。うらやましい。
Z送りが結構控えめですがそんなもんですか、0.12mm?あるいは私がへんな勘違いをしているような気もします。単位が違うのかな。Fは分速1200mmですよね。
今後ともどうぞみら太な日々をごひいきに。
いろいろとご指導くださいませ。
単位はおっしゃるとおりであっています
Z送りをもっと増やしたいとは思うのですが、そうすると主軸モーターが止まりますw
確か30Wのブラシモーターなのでこれくらいが限界なんです
300Wクラスのブラシレスがあるので、そのうち改造しようと考えています。
かなり部活ですきかってやらせてもらってるので(クーラントも勝手に作りました)、大体何やっても大丈夫なのは楽しいところです。
あと、エンドミルのメーカーカタログでの推奨彫り深さがあるのでそれも一応参考にしています
普段はアルミ(A2017)やポリカを削るためにCNCを使っているのですが、最近アクリルもはじめてみた、っていう感じです
例の端材やさんが安いですし。