【依頼案件】アクリルへのサイバーエフェクト描画 その1

レーザ加工機活用

 
文月さんのご依頼はいくつかありまして、まずサイバーコンソール(ミクさんの御席)から進めております。こちらのほうはサイズ確認から本設計に進む過程にありまして、ほぼほぼ順調に進んでおります。ということで、別案件にも着手したいと思います。
もうひとつのご依頼案件はサイバーエフェクトの作製です。

サイバーエフェクトとはなんでしょうか。私も知りませんでしたというか名前を知りませんでした。
こんなやつ。  あるある、という感じ。

で、これはやっぱりラスター描画で作ることになるだろうなあということで、このあたりから手をつけ始めております。 紙の上には何とか像が出ているという感じです。
アクリル上で紙のような”焦げる”ものと同じ階調感を出すのは容易ではありません。また、アクリルは、レーザーで焼き飛ぶと同時に周辺が溶ける、という性質上あまり細かい像を書き込むのも得意ではありません。

細かい像の鮮明さという点ではラスター描画よりもベクター描画の方が向いている場合もあります。

等々、いろいろと考えがまとまらないままではありますが、なんらか実験しないと前に進みませんのでとりあえずは思いつくままいくつかやってみることにしました。

まずはラスター描画でいくつか。
一枚のアクリル板でたくさんの実験をする関係上、非常に汚くて申し訳ないです。
これはここでもやった最初のラスター描画。 結構深くえぐれており、内側の細かい文字はほぼすべてつぶれております。6mAくらい流しているのですが、これはちょっとレーザが強すぎです。

少しレーザを弱くした例。こうすると内側のつぶれはなくなりますが、細かな文字はほとんど点だけになってしまい、何がなんだかわかりません。 ですがラスター描画であればこの辺りで我慢するしかなさそうです。デザインで逃げる必要がありそうです。

ちなみに、さらにレーザを弱くして描画すると、いきなりほとんど何も見えなくなってしまいます。
したの写真の奥のほうの文字です。わかりにくいですね。

試みとしてベクター描画もやってみました。
元絵が非常に細かいので、ベクターデータは膨大なサイズになります。Gコードをいじってどうしようもなく細かいところはのぞいていますが、それでも書き込みに1時間以上かかります。CAMソフトがアホだという話もありますが。

書いてるとこ

ベクター描画は像の縁だけをなぞっていきますので、ラスター描画のように文字が白くなりません。その代わりに、輪郭が非常にはっきりした描画になります。というか、輪郭しか描いてないので自ずとそうなります。
これは現時点で一番きれいだと思われるもの。

 

少しレーザを強くしてみます。
細かいところはレーザが小さな領域に当たる時間が長くなりますので溶けてしまってごつごつになってしまいます。

これはレーザを弱くした例。0.3~0.4mA程度とほんのちょっとしかパワーを変えていないのですが、結果は大きく変わってしまいます。

 ということで、なかなかまだ条件がつかめません。しばらく時間がかかりそうです。

条件がつかめないこともさることながら、つかんだ条件を再現するのもなかなか難しそうです。
アナログの電流計では数値の読み取り精度に限界があります。電流値の設定はボリュームですのでこれまたアナログであり、再設定しろといわれても完全な再現は困難なのです。

これはなんらか対策が必要ですね。
ということで、とりあえず思いつく案として制御ボックスの作製を急ぐことにしました。制御ボックスからPWMの信号を出してレーザの出力をデジタルで設定できるようにしたいと思います。

……これとて電源の再現性がなければ何の意味もないのですが….実はそれが一番怪しいのです。

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