名前だけだとなんじゃそれ、というイベントですね。
唐突ですが、福岡市ではその昔アジア太平洋博、通称よかトピアいう博覧会が開催されました。バブル景気よりも前のことです。そのときに今の百道浜(ももちはま)地区が埋め立てられていろいろなパビリオンが立ち並びました。そしてよかトピアのシンボルとして立てられたのが福岡タワー(確か高さ123m)です。で、博覧会終了後の跡地にはホークスの本拠地福岡ドームを始め、総合図書館、産官学連携推進施設、企業を誘致したソフトリサーチパークなどが建設され、そして高い福岡タワーがあるということで、いくつかのテレビ局が引越しをしてきたりしました。
博覧会跡地利用ということで、全体的には行政主導で作られた実験都市といった風情で、公的色彩が強いところです。
ということで、私はその昔まだここが海岸だったころに泳いだこともある百道浜ですが、いまや福岡市を代表する箱物行政の集合体観光名所のおしゃれな街となっております。
で、引っ越してきたテレビ局のひとつにフジテレビ系のTNCがありまして、そのビルの二階にロボスクエアというロボットをテーマにした福岡市が運営する施設があります。
まだ続きます。で、そのロボスクエアの中に今月末モノつくりのためのものづくり工房が開設されます。 そしてその関連でだと思うのですが、この土日にファビーファブリケーション福岡というイベントが開催されました。
イベント自体はどちらかというとお子様向けの「作ってみよう」系のプログラムが多いのですが、二日目の午後に「逆シンポジウム」と称して、九州の FabLab が集まるシンポジウムが開催されました。
これに参加してきたのです。長い……
参加したのは、FabLab大分、FabLab佐賀、FabLab太宰府、FabLab福岡β、FabLab九州大学β、そして株式会社三松 というパネルの方々でした。
みら太な日々的な今回の目玉はFabLab九州大学βさんと株式会社三松さんです。そのほかの方々は今までのいろいろなイベントでお話を聞いたり、遊びに行ったりしたことがあり、どのような活動をしていらっしゃるのかおおよそ知っているのです。
佐賀の陣内さん。
太宰府の柳瀬さん。
福岡βの加藤さん。
三松の田名部さん。
九州大学の富松先生。
中谷さんの進行でディスカッション。
九州大学のFabはまだまだこれからと言った感じです。つい数日前にようやくレーザカッターが届いたとのこと。今後の活動がどのようなものになっていくのかは今回のお話からは断片的にしか見えませんでしたが、大学らしく世界のFabとの連携といった活動にも力を入れていくようです。個人的には会社から歩いていけるようなところに出来るFabですので期待したいと思います。
三松さんは以前から「面白いことをやる会社だなあ」と思ってみておりましたので、社長のお話を聞けたのは良かったです。そして、予想通りのおもしろそうな会社のようです。
ここは金属加工を専門とする中堅どころの規模の会社なのですが、加工対象の7割が一品物だそうです。一品物を年間百万個単位で作っているという非常に小回りの効きそうな会社です。
FabLabとの関係としては、FabLabが不得意な金属加工を一品、小ロットから受けるプロフェッショナルサポートとしての立ち位置です。FabLab福岡βを運営する株式会社マイサさん(こちらは講演された加藤さんが率いるセンスあふれる建築デザインの会社です。)と連携して、福岡FABtra というコラボレーション活動をしていらっしゃいます。
とにかく、非常に楽しく、収穫の多いイベントでした。…で、逆シンポジウムという名前ですが、狙いとしては主客逆転して会場側からの声をトリガーにして議論を進めるという趣旨だったようですが、どうしてもパネラーの話す時間が長くなるのは仕方がないことでして、結果的には普通のシンポジウム+αといったものでした。中谷さんが進行してくださるということで会場からの声を引き出す役者の力は十分だっただけにもう少しバランスを調整していただけるとより良かったと思います。
私もみら太な日々を代表して(笑)質問をしてきました。中谷さんに「逆シンポジウムの講演ですよ」と促されて、前に出てしゃべってきました。汗顔であります。
「福岡にもTechShop欲しいですよね」という意見(?)や「FabLabの将来は?」という私の質問にお応えいただく中で、もうすぐ日本にもteckshop(的な?)が出来るらしいことを知りました。(調べてみるとここに記事がありました。)
また、会場からの声の中の主にタカハ機工株式会社の大久保さんがいらっしいました。 タカハ機工さんが福岡の会社だったこと、そして現在同社内にFabLabの開設を検討していらっしゃることなどを本日知りました。
タカハ機工さんといえば昨年のMFTで「ソレノイドで作ったV32エンジンで動くうねうねしたやつ 」を出品していらっしゃったところです。こちらも今後の動向を全力で期待しながら注視したいと思います。
最後に、ロボスクエアについて少々ご紹介。
私今回ここに初めていきました。自宅から比較的近いにもかかわらず、また足しげく通っている図書館のすぐそばであるにもかかわらずです。
実は私なぜかまったくといっていいほどにロボットに興味がありません。 工作機械のロボットについては興味全開なのですが、いわゆる人型といえばいいんですかね、あの手に興味がないのです。
ということで、今までいったことがなかったのですが、ショップの品揃えがすばらしく、驚きました。自宅からもっとも近いArduinoが買えるショップであります。
会場中央にあるオブジェ。レーザカッターを使って切りまくったアクリルの人型シルエットを導光で光らせてレイアウトしてあります。今回のプログラムのひとつ「みんなでつくるピカピカシティ」です。アクリルの板にさまざまな模様をEngraveで予めつけてあり、それを様々なポーズをとったモデルのシルエット型に切り取ってあります。 変な目で見てはいけませんが、LEDの使い方やうまく導光させるためのカットの形状などなかなか参考になります。
こちらはArmコアのCPUが載ったテストボード。ロボット界では常識なのかもしれませんが、始めて見ました。 NXPのチップなのでmbedなのかもしれません。
モータやらセンサやら様々なロボット系の部品。
生まれる時代が違っていたらきっとこのあたりに毎日張り付いていたんだろうと思います。
ちょいと緩めのロボットも売ってあります。
Arduino とシールドがたくさん。カホパーツよりも充実しているかもしれません。すばらしい。
遠目ですが、ものづくり工房とtrotecのレーザカッターspeedy100。 ほかにimoderaとかAfiniaのプリンタとかがおいてありました。今月末に正式開設されます。
ショップ全景。子供たちがたくさん。
順番が逆ですが、看板。
ほかにもデコレーションが山ほどあったのですが、写真を撮るのを忘れました。
ということで、たいへん収穫の多いイベント参加でした。
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