中華フルHDプロジェクタ買ってみました

買ったもの

 

日頃ほとんどテレビを見ません。もの作るのが忙しくてテレビ見ている暇がないのであります。が、たまーに映画とか見たくなる時があり、さらに数回に一度その気持ちが異様な盛り上がりを見せることがあります。そんなときには「やっぱ大画面やろ」となり、自動的にプロジェクタに手が伸びるわけであります。
ということで、もう10年以上前にSVGAのプロジェクタを中古買いしました。三菱のやつだったかな。そのうち分解記事になると思います(笑
で、年に数回それでアニメ見たりしていたんですが、ここのところはとんとご無沙汰でありました。
で、この度また病気が再燃しまして、それに対応すべく中華プロジェクタを購入したものであります(笑

この十年間の技術革新と中国経済の躍進の賜物で、プロジェクタは恐ろしく安く高性能になっています。久々に商品調査をしてほんとに驚いた次第。
Amazonで「プロジェクタ 1080p」などと入力して検索しますと、なんと1万円を切るものから3万程度までで収まります。すごい時代になったものです。
まあ、中華製品にありがちなトラップがあちこちに仕掛けられておりますのでそれを巧妙に回避しながら品定めをしていく必要がありますが、そこはそれ、狩りにも似た頭脳戦、いや情報戦です。幾多の人柱となった先人たちの情報を集めながら進めていくところに買い物の楽しさがあるのです。「だまされた!」とかいうのは本当に騙されたときに言う言葉であって、よく見ないでポチったならそれは自分が悪いのです。

情報を集めた結果の注意点は、
・「1080P対応」と「リアル解像度1080p」は違う
・「光源ルーメン」と「ANSIルーメン」
・中華プロジェクタにはほとんど光学ズームがない
・貧弱な台形補正
といったところです。いずれもよく説明を読まないとわからない場合があるという日本製品では考えられない注意点です(笑

まず1080pについて、1080pというのはフルHD規格の走査線(縦分解)が1080本ということを意味しており、pはプログレッシブ走査(インターレースではない)であることを示しています(笑 テクニカルタームだらけ。
インターレースとかはgoogle先生に聞いてください。技術者の涙ぐましい努力の歴史があります。
で「対応」です。一目見てわかるのは「1080p対応」は「リアル1080p」よりも1万円以上安いです。ということは絶対に何かあります。いくら中華コストマジックでもこの差は何かあるのです(笑 これはまだ正直なほうかな、言葉通りなので。「1080p対応」は1080pの入力をしても映せるということであって、映したものが1080pだとは言っていないということです。たいていの場合これらを謡う製品の実際の縦分解は720pです。HD解像度ということですね。それに合わせて横方向も1280ドットになっています。ちなみに1080pの規格上の横解像度は1920です。
※いずれもpがついていますが、ほんとにpかどうかは知りません(笑

このあたりの数字はプロジェクタに内蔵されている液晶(透過にしろLCOSにしろ)やDMDの解像度に依存しますので、デバイスを選定した時点で上限が決まります。ソフトがどうこうといった話ではないのです。当然デバイスの性能が高いと値段も上がります。これが前述の1万円の差の一部を占めているということです。
ということで、今回のターゲットは「リアル解像度1080p」としました。自動的に価格帯は2万~3万円といったあたりになります。

次に「光源ルーメン」と「ANSIルーメン」。敢えて「光源ルーメン」と書いていますが、中華プロジェクタの説明では単にルーメンと表記があるだけです。
ここにも巧妙な(笑)罠が仕掛けられております。
そもそもルーメンとは光束量の単位であって、概念としては磁束量テスラ(今はWb/m2ですか)に近いものです。つまり表しているのはある一定方向に進む光束の密度であって、「どこの」話かは問題ではありません。定義は1カンデラ点光源、1ステラジアン方向の光束が1ルーメンです。1カンデラとか想像つきます?関東の方は国立科学博物館に1カンデラの光源がありますので是非一度ご覧ください。暗いです(笑 まあろうそくが基準ですから仕方ないですけどね。
で、問題の部分です。簡単には、お客様サイドに立った説明をする商品が使うANSIルーメンは「プロジェクタのレンズから出てくる光束」の量を表しているのに対して、ほとんどの中華プロジェクタが使っているルーメンは「光源」が発する光束量を示しています。
ディスプレイに例えれば「明るく見やすい画面、300カンデラ/m2の輝度」に対して、「バックライトに10000ミリカンデラのLEDを20個配置」とか言っているようなもので、そもそも比較していいものかどうかも怪しいです。いや光源が明るければ最終的にレンズから出てくる光束も多くなるとは思いますよ。光学系をまともに設計すれば。
今の家庭用プロジェクタの光源はほぼLEDです。LEDはレーザと違って光が放出される方向は一様ですので、プロジェクタの様にある方向(スクリーン)に向かって光を放出するには全方向に出る光を集めて束ねないといけません。ここには反射板やらレンズやらあるわけですが、これらは当然一定の割合で光をロスします。そして一番の問題は液晶部分です。透過型液晶は原理的に最大半分の光しか通しませんので、ここのロスが一番大きいと思われます。さらにさまざまなフィルタが損失に拍車をかけます。
ということで、紆余曲折あったのちに光源から放出される光の1/10くらいがレンズから出てくると思われます。つまり、光源ルーメンとANSIルーメンは一声10倍くらい明るさが違うということです。
中華プロジェクタの多くが4000ルーメン付近の数字を書いていますが、一般家庭の狭い部屋で夜4000ANSIルーメンのプロジェクタ使ったらまぶしくて直視できないと思います。まあ、この明るさについては、(怪しい口上ではありますが)夜間に使う限りちょうどいいくらいです。見た感じ、いいとこ500ANSIルーメンくらいじゃないかなあという感じですので、このあたりを納得したうえで購入するのであれば実害はあまりないかと思います。間違っても「4000ルーメンもあるなら昼間の会議室で使えるやん」とか思わないように(笑

「光学ズームがない」「貧弱な台形補正」
これも納得して買うなら問題がなく、知らずに買うと評価で星一つを付けることになる機能です。
何が起きるかというと「スクリーンに対する設置自由度が極めて低い」ということです。
通常の過程ではスクリーンの設置場所にそれほどの自由度はないはずです。画面が大きくなればなおさら。そんな日本の家庭事情を考慮して、国産プロジェクタには至れり尽くせりの画像補正機能が盛り込まれています。のでプロジェクタを(ある範囲で)近づけようが離そうが、多少斜めに置こうが、これら補正がなんとかしてきっちり四角の画像を、(ここだいじ)ほとんど画質を劣化させることなく映し出してくれます。
で、中華プロジェクタにはこの補正部分がダメダメです。少なくとも私が買ったものはそうでしたし、ほかの機種の人柱も一様にそういった意見のようです。
確かに台形補正はありますが、使ったが最後(笑)とても見られたものではありません。
参考までに、私はいわゆる画像グルメではないので「画面隅の輝度ムラがどうこう」とか気にしません。極々一般的な善意の消費者であると思っております。その私であっても台形補正機能を使おうとは思いません。字幕がボケボケになります。いや読めるんですよ、読めるんですが、読めればOKという話ではないですよね。
確かに投影画像の外形は長方形に補正されます。ので確かに確かに「台形補正」ではありますが、それは顧客が求めている台形補正ではないのであります。

はい今回も長い長い導入部であります。
で、これらを考慮したうえで選択したのがこちら

リアルフルHD解像度(の液晶を積んでいる)であることだけを選定の基準とし、明るさや補正機能については「暗い&出来ない」を納得したうえで最も安いものを選びました。
19,999円+20%オフクーポンで17,999円送料無料で購入しました。

こちら。

緩衝材が発泡ポリエチレンであるのが好感が持てます。中華発泡スチロールはもろくて嫌であります。

付属品箱

RCA変換ケーブル、リモコン、HDMIケーブル1mくらい、電源ケーブル1.5mくらい、取説(日本語)、天吊り用取り付けネジ。

しっかりした梱包です。好ましい。

オーソドックスなデザイン。

本体操作も可能なボタン。

ほぼ機能が想像できるボタン群。

背面。

HDMI二つありますので私には十分です。

VGAまであるじゃあないですか。言うことなし。

右横。ピンとリングと噂(笑)の台形補正リング。

全面はすっきり。レンズ以外はリモコン受光部のみ。

レンズふた。どう見てもどう見ても100均綿棒ケースの蓋です。
ちなみにこの蓋、レンズを引っ込めないと閉まりませんので収納用です。

レンズ。思ったより大きな口径。

上部外装はヒケやら歪やら見えますが機能には関係ないのでどうでもいいです。

早速映してみます。

スクリーンがないので天井に。天井のクロスはえらく凸凹しています(亡母の趣味です)ので非常に見にくい。

こんな感じでウマ噛まして立ててます。

こんな投影面でも画像が細かいところまで映されているのはわかりますね。
なかなか良い。

荒巻氏

バトゥ氏

艦長

ということで、私にとっては全く問題ない画質であることが確認できました。
明るさも想像通りで、夜なら快適に使えるでしょう。

思いのほか良い感じですので、無理やりスクリーン作ることにしました。
最終的には某所のハードオフで目を付けているスクリーンを手に入れるつもりでおりますが、それはまた後日。

持ってきたのは、二階の書斎の壁に貼り付けていたプラダン製の旧スクリーン。

プラダンに模造紙貼っただけのものでしたが、十分に明るいスクリーンでした。
経年劣化でかなり黄ばんでしまってますので、新しく紙を貼りなおすことにします。

100均の模造紙を両面テープで貼るだけという簡単工作。

出来上がり。

吊り下げ用に庭から園芸ポールの長めのやつを持ってきます。

これにスクリーンを結んで、

ピンボケで申し訳ないですが、天井にねじ込んでいるフックに吊ることにします。
ちなみにいまぶら下がっているのは昨年のMFTの時にアツシさんにいただいた南部鉄の風鈴です。清らかな音で楽しませてくれます。

反対側にもフックがありますので、

高さ調整用にベルトを使うことにします。
ちょうどプリンタやらスキャナやらから回収したベルトが山ほどあります。

長さの合っている二本を使います。

ちなみにスクリーンは16:9っぽいアスペクト比で、対角1560mm。61inchと控えめなサイズ。

それでも吊ると結構大きいです。ミクさんもびっくり。

 で、肝心の映像ですが、これは動画でどうぞ。
どうやっても見た目を伝えることはできませんので説明をしません。
私に言えるのは、ここまでくどくど書いてきたことに納得できるなら間違いなく買いです。こんな素晴らしいものがこんな値段で手に入るなんて夢かというレベル。

早くちゃんとしたスクリーンが欲しくなりました。

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