ガス冷却ペルチェ方式霧箱 その4 除湿器各部の温度測定

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前回作った8chの温度センサアレイを使って除湿器の各ポイントの温度を測定し、動作を調べます。基本データとして動作中に各部が何度くらいになっているのかを知ることは意味があると思いますし、コンデンサをバイパスしてエバポレータにつながっている管路とそれを制御しているらしい電磁弁の動作タイミングも気になります。
これらを調べておくことで、後日改造した時にも動作時の各部温度が正常なのかどうかを判断するための一つの指標になるでしょう。

半分解した除湿器。

前回作った温度センサアレイ。

ポリイミドテープで温度センサを固定していきます。

こんな感じ。取り付けた場所は、コンプレッサ出口、コンデンサ入り口、コンデンサ中央、バイパス管出口、エバポレータ入り口、エバポレータ中央、エバポレータ出口、シロッコファン吹き出し温度の8ヶ所。

あと、この冷媒のバイパスを制御しているらしいこの電磁弁の動作を調べるために、

電磁弁への電源線の表皮を剥いで、

ワニ口で電圧測定をします。ONした時はここに電圧が出るはずです。

こんな感じにセットアップします。

で、これら8か所の温度をモニタしていくわけですが、Arduinoには液晶も何もありませんのでシリアル経由でデータを吸い出すしかありません。
Arduino 側は1秒に1回8点分の温度データをカンマ区切りでシリアル出力するようにスケッチを描いています。これをシリアルモニタで受けて、さらにそれをコピペしてテキストエディタあたりに貼りつけてから一旦CSV保存し、あとでエクセルとかでグラフ化するといったやり方が簡単ではあるのですが、やっぱりデータはリアルタイムで見たいですよね。ということで、今回はもう少し頑張って受け側のプログラムを書き、Arduinoから流れてくるデータをExcelに貼りつけてリアルタイムでグラフ化してみました。
使ったのはC#です。みら太な日々では以前VBを細々と使っておりましたが、windowsプログラムについてはほとんど投稿したことがありません。windowsプログラマ、.NETプログラマの方はたくさんいらっしゃいますし、スキルも遥かに遥かに上の方ばかりですので私がわざわざしゃしゃり出て恥をかく必要もないわけであります。ということで、ほとんどプログラミングに関する投稿をしてきませんでした。
ということで、今回も特に詳しくは言及しません。やっていることは、Arduinoが送り付けてくるシリアルデータを
serialPort1_DataReceived(object sender, System.IO.Ports.SerialDataReceivedEventArgs e)
で受けて、エクセルのセルをforで回しながら書き込んでいるだけです。ネットにはこのあたりの情報は山ほどありますので、それら正確な情報を参照ください。私もそれらのハイスキルな方々のソースをコピペさせていただいて、ほんの少し改変しているだけです。それでも私のソースを見ると目が腐ります(笑 
ということでスクリーンショットだけ。

で、これを動かしますとこんな感じです。

とりあえずデータは残っていくようですので、動かしながら温度の変化を追跡していくことにします。
初期状態から、

30秒もかからないくらいででエバポレータ部の温度が下がり始めます

一方で、コンデンサの温度は上昇していきます。
が、最も温度が高いのはファンの吹き出し口です。効率よく放熱されている証ですね。

5分もかからずに安定状態に入ります。
一番温度が低いのはエバポレータの出口の青い線です。エバポレータ出口は冷媒の到達が最も遅くなりますので冷え始めるまでに時間がかかりますが、エバポレータ内で聴かして温度が十分に下がった冷媒が通過し始めるとどんどん温度が下がって最終的には最も低くなります。

その後しばらく見ても、ほとんど変わりません。

ちなみに、この状態でエバポレータは霜がついていますので、表面温度は間違いなく氷点下です。

でも温度は6℃とか示してます。これは全然違いますよね。

今回使っている温度センサはTO-92パッケージ(3本足のトランジスタC1815なんかと同じ)なので、冷媒配管の表面に張り付けても大気側にさらされている表面積の方が大きいです。おそらくそのせいで正確に温度が計測できていないのでしょう。
実際は低温側は計測結果より10度くらい低いと思われます。高温側は、最も高いファンの吹き出し口温度と同じくらいか、それより少し高いくらいと想像します。ファン出口のセンサは風の中に置かれていますからかなり正確なはずです。

ということで、精度としてはダメダメですが、どんな傾向で温度が動き、どれくらいで安定化しているかは明確にわかります。これはこれで十分なデータであります。

では電源切ってから常温に戻るまでを見てみましょう。
電源を切るとすぐに温度は上昇/低下します。

そして、ほぼ10分くらいで常温に収束するようです。触った感じもその通りであります。

本日は9月1日で、まだ夏といってもよい時期ですが、今年はすでに涼しいというか寒いくらいです。室温も空調なしで25℃を切るくらいしかありません。
ということで、除湿器の動作環境としてはまことにやさしいといえるでしょう。
そのためでしょうか、今回の実験を通じては一度もバイパス弁への通電はありませんでした。これでは動作条件の調べようがないですね。まあ、必ず動いているものではないということが分かっただけでも収穫でしょう。あんまり気にしなくても良いのかもしれませんしね。
ということで、除湿器の動作検証らしきものでした。このデータは改造後にまた振り返りたいと思います。
ほんとのところは、こんな地味な作業ではなく、派手に改造をしたいのです。が、まだそれをやるための材料やツール類がそろっていません。一通りAliexpressに発注をかけていますが、すべて到着するにはまだ二週間くらいはかかるでしょう。
今のところ手元にあるものを紹介しておきます。
まずフロンガス。除湿器に使われているHFC-134aです。代替フロンとして車のエアコンによく使われるほか、エアブロー用の缶のガスだったり、ガスガン用にも使われているものです。こちらはアマゾンで購入。

それから、HFC-134aの空き缶。これは結構入手するのに苦労しました。
あちこち探した挙句、自動車整備でお世話になっているディーラーの整備の方にお願いして入手しました。
今後除湿器を分解するにあたって必ず中のガスを抜くことになります。HFC-134aはオゾン破壊係数こそゼロですが、地球温暖化係数はCO2よりはるかに上です。大気放出は極力抑えるべきであります。
ということで、今回の改造にあたってはできるだけ除湿器内のガスを回収する計画です。その時のリザーブタンクにするために空き缶が欲しかったのです。

昨日届いたチューブピアシングバルブ。除湿器のガスを抜くときにパイプに抱きついてパイプ壁面に小さな穴を開けます。ピアス穴のピアシングです。

サービス缶バルブ。フロンの缶にねじ込んで穴を開けるため&封をしておくためのバルブだったのですが、ねじが合いませんでした。このバルブはガス種ごとに微妙に違うので、ちゃんと134a用で注文したんですけどね。まあ中国通販ですからこんなことはよくあります。アマゾンで買うかな。

フレアユニオン。切断した管を接続するためのジョイントです。ワンタッチジョイントでも行けるのかもしれませんが、この機会にフレア加工やってみようかなと思って。

あとはフレアツール、エルボ、ガス入れ用のチューブ、サービスバルブ、等々思いつくものをいろいろ発注しております。
そろそろガス枕の設計に入るかな。fusion360で設計して、アルミ板をCNCで削り出す予定でおります。できればそれに黒アルマイト処理までやりたいんですが、塗装で妥協になるかもしれません。
やること山積みです。楽しみでしかない。

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