前回の作業でX軸をZ軸に取り付けました。が、L材の端っこが飛び出していて気に入りません。X軸もZ軸のリニアガイドの中心線に対してオフセットされています。
設計をせずに適当に切った貼ったするとこうなるという典型的な状況になっています。
このままでも機能的には問題ないんだと思いますが、妥協の跡がずっと見え続けるというのは精神衛生上よくありませんので、ちゃんと設計して作り直すことにしました。
まず現状。こうなっています。
黒いアルミL材が手前に飛び出しています。でX軸はL材の奥側に取り付けられています。
こうしないとねじが当たって取り付けができなかったのです。ちゃんとモデリングしておけば当たることはわかったはずです。
ということで、ちゃんと設計をしました。
こうすることで、X軸のレールをほぼZ軸の中心で保持できます。
では作っていきます。今回の作業で使用したのはこのアルミのL材です。一本1000円少しでホームセンターに売っているヤツです。これを切って作ることに。
今回の大型3Dプリンタのテーマの一つは「剛性」であります。びくともしないヘッドを目指して設計をしております。できる限りプラスチックは使わず、アルミ材を中心に作りこんでおります。
バンドソーで50mm幅の材をいくつか切り出します。
バンドソーで50mm幅で切り出します
バンドソーについているのは目の細かい「竹挽用」という刃ですが、アルミであればサクサク何の問題もなく切れます。
切り出した板材に穴を開けていきます。図面から拾った寸法を元に位置を出し、ドリルで穴開けるだけ。
こんな感じ。
付け替えました。違いが判りますかね。飛び出しがなくなって、X軸のレールが手前に来ています。
右側。
裏。ねじ4か所でレールを保持しています。
反対側。
L材の板厚が2mmですので、思い切り力を入れるとねじれ側にたわみますが、プリント時にはまず問題にはならないと思います。キャリッジ持って揺らしてもびくともしません。
これですっきりした気持ちになりました(笑 やっぱり設計を先にしないとダメです。
お次は台形ねじの取り付けです。設計してから作業します。
今回の再作製でX軸が手前に出てきましたので、台形ねじはX軸の後ろに持っていきます。
これが自然な配置ですよね。こんな感じで行こうかと。
ここはX軸の全重量を支える力がかかるところですので、この3mmのアルミL材を加工して使います。近所のホームセンターナフコで打っているものです。一つ100円もしません。
変に穴加工がされているものよりも使い勝手がいいので気に入っております。
このナットを受ける必要があります。8mmφの台形ねじが中心に通り、そのすぐ近くに正確にM3穴を4つ開けないといけません。それなりに精度が要求される作業です。
まず台形ねじ8mmφの下穴を開けます。
XYステージ(手動、遊びあり:笑)を使って慎重に4つの穴の位置を出しつつ開けます。
まずまずかな。
ここからが問題。真ん中の穴を8.5mmφまで広げます。
こんな感じに固定して電ドラに8mmの錐をつけて作業します。このほうがボール盤で錐を差し替えてセンター探すよりも中心が出やすいだろうとの判断です。8mmの錐で作業すると手元がぶれてちょうど8.5mmφくらいの穴が開きます(笑
結果としてうまくいきました。
バリを取ります。
我ながらきれいに加工できました。うれしい。
しかも穴位置も径もばっちりじゃあないですか。
台形ねじは左右のZ軸に使いますので、同じものをもう一つ作りました。
次は取り付け用の穴加工です。
ここはM6穴です。M6も一発で開けるのはちと怖いので、4mmの下穴を開けて広げることにします。
さっきと同じように作業。
出来ました。素晴らしい仕上がり。
と自画自賛したのもつかの間。穴位置間違ってました(笑
端っこまでの寸法当たって、その位置に穴開けてました。間抜けです。
ということで、開けなおし。
今度はばっちりです。そのうち作り直したいと思います。
両側に取り付けます。
台形ねじのナットにM3ねじ入れて、
取り付けます。
一応バックラッシュ防止のバネが入っているタイプのナットですが、必要ないと思われます。X軸はこの台形ねじにぶら下がる形になり、しかも結構な重さがありますので、少々上に遊びがあっても自分で持ち上がることはないはずです。500mmのねじが届いてちゃんと作るときには外すことにします。
金属の安心感がすごい。
実にええ感じであります。
下はM3のナット4つで受けています。
台形ねじを駆動するモータは上側に取り付けようと考えております。
最近の箱型ではないプリンタは、Z軸駆動用モータが下についているものが多いように思われます。重心位置の問題かな。
今回のプリンタもどうするか迷わないでもないのですが、とりあえずは上で行こうかと。
どうせどでかくて重い筐体ですから、ひっくり返ることはありませんし、メンテすることを考えるとメカ部分は見やすいところにあったほうがいいでしょう。
ということで、上部にモータを取り付けるための補助柱を入れることにします。
2020のアルミフレームを切り出します。
この位置に入れて、辺のフレームとの間に板を渡してそこにモータを取り付ける作戦です。
ブラケット入れます。後入れナットが活躍。
とりあえずこんな感じで仮止めしておけばいいでしょう。
モータの取り付けはアクリル板でもいいかなと思っています。
透明な奴で作れば邪魔になりませんし、5mm厚で作れば強度的に問題ないことは経験上間違いないと思われます。
作業は500mmの台形ねじが届いてからですね。曲がってないといいんですが…
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