自作3Dプリンタ その12

自作3Dプリンタ


 
DINレールをつかったスライド機構を思いついて以来、どう考えてもそっちでやった方がいいような気がしておりまして、ざくっとした設計を行ってみました。

まずこれがDINレールをつかった1軸のスライダー。

こちらはCetus 3Dに影響を受けてこれまで設計を続けてきた片持ち式の3Dプリンタ。

そのX軸とヘッドの取り付け部分。ヘッドのオーバーハングが非常に大きいです。アクリルのモータマウント、構造材のアルミフレーム、スライド機構のリニアガイドと3階建ての構造になっているためです。

で、これがDINレールスライダーを使って3Dプリンタを構想してみたもの。まだ主な部材を配置しただけで連結も何もしておりませんが、コンセプトだけは見ていただけるかと。

で、これがX軸のヘッド保持部分。この薄さ。
DINレールスライダーがそもそも薄いです。そのうえDINレール自体を構造材として使うことが出来ればこれ以外には何も加える必要がありません。非常にシンプルです。
おおよそものを作るときにシンプルな構造と複雑なものがある場合はたいていシンプルな方が正解です。強度的な問題は注意しておく必要がありますが、3Dプリンタくらいならこれで行けるかもしれません。

そうとなれば、構想の次はプロトタイピングですよね。ということで早速作ってみました。
といっても今手元にあるDINレールは長さが150mmしかありません。が、そんなことは本質ではないのであります。AliExpressにオーダーしていたU溝ベアリングも届いており、作りたくてうずうずしていたのであります。
早速プロトタイプの組み立て図面を起こします。

実に寸詰まりですが仕方ありません。

fusion360も随分と使い慣れてきました。アップデートの度にどこかしら怪しい挙動を示すという問題はありますが、そんなことは気にならない満足度です。
また、私自身のスキル、すなわち頭の中にある形をfusion上に再現するスピードも相当上がってきたと思っております。SketchUpで描いたときのスピードとほぼ同じ、複雑な形状や手直しの場合は確実にfusionの方が早くなったと思います。もう「どの順番で描くと速いか」といったことについて悩むことはなくなりました。頭の中にある形をひたすら書き込んでいく感じです。
今の心配は「fusion360がある日突然有償になること」ですかね(笑 そんなことにならないことを願っております。

さて、これをばらしてdxfをエクスポートします。

書き出したdxfは一旦jwcadに読み込んで重複線の除去やNCVCにかけるためのCAMレイヤーの定義などを行います。

NCVCに渡してGコードを作ります。

切ってるところを動画で。こちらは5mm厚のアクリル板なのでスピードは遅め。

組み立てていきます。以前作ったプロトタイプを分解して部品を流用することにします。

開始。

ステッピングモータつけて。

レールつけて、

キャリッジを切り出します。こっちは2mm厚のアクリルなのでさくさく切れます。

動画で。

取り出し。

M3用の穴とスロットを抜いた時の屑材。非常にきれいに切れております。先日調整をした結果がいい感じに保たれている模様。

キャリッジを組んでいきます。

作業時点ではまだU溝ベアリングしか届いていませんでしたのでそれで作業します。この日の夜にV溝ベアリング100個(笑)が届きました。

回転部分に干渉が内容に適宜ワッシャを入れて締めていきます。

こんなイメージで。

レールに組み付けてスロット部分で締りを調整します。

板からベアリングまでの距離が極小ですので全体が薄く仕上がり、ベアリング保持のオーバーハングもほとんど無いという理想的な状態になっていると感じます。
DINレールスライダーは実に合理的な構造です。

問題はその滑りと方ですが…

ベアリングの取り付け軸方向、つまりキャリッジ板の鉛直方向にゆするとU溝ベアリングが脱線する方向に引っ張られ、若干のガタが感じられます。ここはやはりV溝の方がよさそうであります。
動画で動きをどうぞ。いまいち伝わらないかもしれませんが、実にスムースです。

想定通りベルトもキャリッジの下をくぐります。欲を言えばもう少しクリアランスがあった方がいいのかなとも思われます。これはベルトを張ってから様子を見ましょう。

来週末はV溝ベアリングで組み立て直し、実際にベルトを張ってモータでスライドさせてみましょう。
DINレールの500mmのものをAliExpressで発注しておりますが、来週中にはまだ届かないと思われます。エジソンプラザのタック電子で買うか、たまには秋葉に出てもいいですね。天気を見ながら考えることにします。

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