高圧電源準備

自作レーザ加工機

 
40WクラスのCO2レーザの発振には、15kV-20mA といったレベルの電源が必要のようです。
ということで、同好の士よりテレビをいただき、分解してフライバックトランスを入手したわけです。

高電圧発生という厨二心をくすぐる世界にはレールガンやらプラズマスピーカーやらを作っている先達がたくさんいらっしゃいますので情報には事欠きません。Google先生にちょいと聞けば、たくさんの有用な情報を教えてくれます。
今回はマキシマ工学さんのところの高電圧発生装置の自作関連のリンクなど参考にしながらタイマーIC555を使って回路試作を行ってみました。
とりあえず、CUPさんのところの回路をベースにして、コンデンサはテレビの基板から取り外した耐圧2kVものを、そしてFETはPC用のスイッチング電源から取り出したST micro の W9NK90Z を使いました。

555の回路を適当に組んでテスト。
消費電力削減できるかなと思って、トランジスタを一段かませてパルスをひっくり返してみました。
結果的にはあんまりかわらなそうですが。
FETの動きをテストして、
コンデンサとダイオードを入れて放熱板をつけて…
フライバックトランスに接続して、いざテストです!
12V入力で強い放電が確認できました。周波数をいじると電圧が上下しているのがわかります。
きれいな放電です。結構音がうるさいです。高めのハム音というか、蜂が羽ばたいている様な音です。結構なボリュームなので、これでスピーカーを作りたくなる方の気持ちが良くわかります。
とりあえず実験成功ということで安心ですが、果たしてこの電源でCO2レーザを駆動できるのかどうか不明です。555を含めた全体の電流は 12V-2A というところですので、入力24Wということになります。レーザの変換効率はせいぜい5%というところと思いますので、高めに見積もっても1Wちょっとの出力しかないことになります。
FBTの入出力の限界がどの辺りにあるのか良くわかりませんが、いずれにしても電流電圧を測定する手段を持っておく必要があります。しかしながら、高電圧プローブなんて高価なものは買えないし….と思っておりましたところ、ざっくりとながらも参考値が得られそうな情報が。
まず電圧。こちらはなんとなく知ってはおりましたが、ここに情報が。空気の絶縁破壊電圧は約3kV/mmとのこと。まあ机の上の適当な実験環境では倍半分程度の違いはあるでしょうが、桁はあっているかと思います。これから推測するに、上の写真はせいぜい20~30kVくらいかと思われます。
次に電流。こちらは見当がつきませんでした。直列に抵抗を入れて分圧を見るくらいかなあ、でも放電管は負性抵抗だし、FBTの出力は結構暴れそうだし、なんだかんだで測定器壊しそうだなあ、と思っていたところ、roboさんの実験室にFBTの出力にLEDをつないで点灯させている写真が。「これだ!」と思い早速実験したところ、
おお、確かに光ります。LEDもなんてことなく動いております。
当たり前ですが、FBTの出力は直流(というか脈流)で、LEDは順方向で接続していますので電源電圧がどんなに高かろうと、PN接合面にかかる電圧はせいぜい数Vです。ということで、明るさは電流のみで決まるということです。
つまり、このLEDの明るさを測ってやれば電流値がわかるだろうということに気がついたのです。上の写真ではいいところ 1~2mA じゃないかなあという気がします。ギャップから概算した電圧との積をとると、おおよそ入力値に近いのでそんなところでしょう。
ではどうやってLEDの明るさを測定するかですが、これはフォトカプラを使えばよいのではないかと考えています。その辺に転がっている817でも入力容量は50mAくらいありますので十分と思います。Current Transfer Ratio から計算するか、あらかじめ既知の電流を流して換算表を作っておくか、そんなやり方でおおよその電流を知ることが出来るであろうと思います。

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