いよいよ光共振器の調整に入ります。
調整は以下の手順で行います。
- ミラーを取り除いたレーザ管の内部に一直線に基準となるレーザ光を通します
- 基準レーザから見て出口側のミラーを取り付けます
- ミラーの角度を調整して基準レーザの反射光を基準レーザの出射点に重ねます
- おおよそのネジ位置を記録し、調整したミラーを外します
- 基準レーザをレーザ管の反対側に移動し、逆側のミラーを取り付けて同様に調整します
- 先に調整して取り外したミラーを再度取り付けて、ネジを記録していた位置にあわせます
ここで取り付けたミラーは発振させながら再度調整します
では開始。
基準レーザはHe-Neのようなコヒーレンスの高い高原が望ましいのですが、そんなものはありません(いつか作って見たいとは思っていますが)ので、半導体レーザを使います。
使ったのはこれ。DealExtremeでかっておいた小さなモジュールです。このモジュールはひとつ$2と激安で、5mWと十分な出力を持っています。しかも出力レンズはフォーカス調整可能という優れものです。
3Vを入れてやれば放熱も必要なく連続使用可能です。
これを位置調整してレーザ管の中に通します。調整の手順は以下の通り
- 入口側のレーザ管開口部高さに基準レーザの高さを大体あわせる
- 基準レーザを少し横にずらして出口側の開口部方向に向ける
- 出口側の基準高さの点にマーカーか何かを置いておき、その位置にドットが来るように基準レーザを調整する。このときは基準レーザのあおりを調整することで位置合わせをする。
- もう一度入り口側に向けて高さを見てみる、とだいたいずれている
- ということで入り口側の高さに再度あわせるが、今度はあおりではなく基準レーザの高さを上下させる
- 2に戻る
これを繰り返しているとそのうちに基準レーザのビームがレーザ管を抜けてきます。この作業はレーザ管と平行かつ高さの合った基準レーザビームを調整している事になります。
基準レーザのビームがレーザ管を抜けると、下のようになります。
奥の壁に基準レーザのドットがあたっているのがわかります。
あんまり意味は無いですが、出口側から撮るとこんな感じ。もちろん直視してはいけません。
5mWとは言え立派なレーザです。エネルギー密度は相当なものです。
さて、ここからが本番。出口側にミラーを取り付けて調整を行います。まずは光取り出しミラーから調整します。やり方は冒頭に書いた通り。
はまると解が見つからなくなりますが、あわてずに心静かに3本のネジの調整を続けると下の写真のように基準レーザの反射光が戻ってきます。下の写真でモジュールの1mmほど上に赤いドットがあるのがわかるでしょうか。これが反射光のビームの先端です。
ちょっとわかりにくいですが、動画を。
ミラーのネジを回すと反射光のドットが動いているのがわかります。
調整が出来たらネジ位置を記録します。
どうせ再調整になりますのでおおよそで十分。
次に、せっかく調整した光取り出しミラーですが、あっさり取り外します。
んで、基準レーザをいま取り外したミラー側に移動します。そして再度レーザ管の中に基準レーザのビームを通します。
うまく通るとこんな感じ。奥に置いたブロックにドットが出来ています。
で、今度は全反射ミラーを取り付けて同じように調整します。
下の写真では全反射ミラーで反射されて戻ったドットが基準レーザのすぐ上にあるのがわかります。
こちらについても動画を。
コメント