ガス冷却ペルチェ方式霧箱 その35 アルコールプール完成

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5mmtのアルミ板にチャンバを乗せる溝まで切削しました。刃物を3mmのフラットエンドミルに持ち替えてアルコールが溜まるプールを切削します。プールの底はペルチェ素子のコールド側に直接接触しますのでできるだけ薄くしたいところ。今回は4.4mmまで削り込み、つまり底の板厚は0.6mmとしています。投稿は週で分けていますが、実際は先週末の土日で溝とプールを連続で切削しました。このプールの切削には6時間半かかっています。
ではスタート。

溝堀に使った2mmφのエンドミルより直径が1mm大きいので、その分早いっちゃ早いのですが、しれているのです。

動画でどうぞ

あとはひたすら削るだけであります。たまに切削油を注してやり、切粉を吸い取ってやるくらいです。もちろんサイクロン集塵機が大活躍。切削油まみれの切粉も元気に吸い取ってくれます。

ヒマなのでFBでライブ配信などしつつ。
一般の(笑)方々には結構面白いものに見えるようで、いやもちろん私も面白いんですが、多くの方が見てくださいます。

これくらい切粉が溜まったら吸い取ります。掃除した直後は切粉が周りに飛び散りやすくなるのであんまりしょっちゅうやらない方がいいんですが、進行具合も気になるのでついやってしまうのです。

切削油をたっぷり流しますが、すぐに切粉に吸い込まれてなくなります。今回の切削で50mlくらい使ったかも。

MACH3も順調。
ちなみにこのMACH3は中華USBパラレル変換ボードに付属してきた著作権的にいかん奴をそのまま使っています。ちゃんとレジストした正規版も所有しておりますのでお許しを。
ちなみに正規版はタイトルバーに登録した名前が出ます。

 

ひたすら吸って油入れて、

削って、の繰り返し。

こんな感じで、絨毯敷いた室内、囲いなしという厳しい(笑)環境で作業しております。

そんなこんなしているうちに最終盤に入ってきました。

が、写真の見た目は何も変わらず。

ようやく終了。ノーミスでの完走です。素晴らしい。

捨て板ごと外します。

裏面は保護シート貼ったまま両面で留めていました。10時間近い切削作業を経てもしっかりしたものです。全くはがれる気配はありません。

都合よく捨て板に開いている穴から材の裏面にメタノールを注入します。

100均の両面テープはすぐにべろべろになります。

剥離。

保護シート剥ぎます。当然ですが裏面は傷一つありません。

改めて仕上がりをチェックします。

若干凹凸がありますが、これは後でやすり掛けするつもりなので織り込み済み。仕上げ切削をすればもう少しましになるかもですが、今回は時間を優先しました。

四隅の穴が首の皮一枚でまだ残っていますので、

皮を破ってバリ取りします。

完成しました。

こんな感じで固定されます。

チャンバまで載せたらこの感じ。

次にこのプールをつや消し黒で塗装します。
霧箱で観察される軌跡は白なので、アルミの地色がそのままだと実に見にくいのです。
ほんとはここでアルマイト自作とか凝ったことをやりたくもあるのですが、その楽しみは今後にとっておくとして、とっとと塗ってしまいます。がその前に、切削痕をざっと削り落としましょう。
ジャンク板材持ってきて、

かまぼこ板くらいのサイズに切り出します。

これの短辺の一端をやすりで丸めて、

こんな感じの治具を作ります。

これにサンドペーパーを当てがってプールの底の切削痕を磨くのです。

作業開始の前に、

裏面にキズが入らないように&塗料が付着しないようにマスキングテープを貼っておきます。

粉が出てもいいようにステンレスバットの中で作業します。

こんな感じにサンドペーパーを当てがって、手で押さえて、少しずつ位置をずらしながら使います。

アルミは柔らかいので割とあっさりと削れていくのですが、

切削痕を完全に消すことは容易ではありません。
あまり躍起になって変形させても嫌なので、そこそこで諦めて、

仕上げの水砥ぎに入ります。

1000番の耐水ペーパを使いますが、

仕上げはあくまでマットに行います。黒とはいえつやが出てしまうと軌跡が見にくくなるのです。

塗装は庭で。

遠くから少しずつ重ね塗りをしていきます。これは3回目くらいかな。きれいなもんでしょ。

使ったのはこれです。低温側ですので耐熱塗料とかの特殊なものは使っておりません。
アルコールに耐えるよう有機系のものを選択するところだけ気をつけました。

十分に乾燥させてから工房に持ち込みます。きれいな仕上がりです。

改めてガス枕の上にセットしてみます。いい感じですね。

さて、これで当初考えた部材はすべてそろいました。いよいよ動作に向けた実験に入っていきます。

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