【依頼案件】ダン石田とニューブリッコ その1

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皆様「ダン石田とニューブリッコ」をご存知でしょうか。???という方はこのあたりをご覧くださいませ。関東人にはむつかしいかな。
ダン石田とニューブリッコは昭和のアイドル歌謡専門のアマチュアビッグバンドです。
福岡を中心に活動しており、定期的に開いている演奏会にとどまらず、各地の地域イベントやラジオ出演もこなすという実に面白いバンドであります。コンサートは毎回超満員で、固定ファンも多いためチケットを入手するのはとてもむつかしく、私も一度しか聴いたことがありません。
実はこのニューブリッコを率いるダン石田氏は高校の吹奏楽部の同じパート(Saxophoneです)の二つ上の先輩でありまして、高校時代はそれはもうお世話になったことは言うまでもなく、さらに大学も同じということで学生時代は月曜の夜から徹夜で遊びまわっていた(笑)り、アンサンブルを組んでコンテストに出たりして学生時代の非常に多くの時間を共に過ごした心より尊敬するご縁の深い方であります。
ニューブリッコ結成の際には私めにも参加のお声がけいただいたのですが、その当時すでにモノつくりにのめりこんでいたため、「両立は難しかろう」「中途半端になってご迷惑をかけても悪い」と思い見送っていたのでした。

その先輩に思わぬ形で恩返しをできる機会を得ました。それもモノつくりで。
発端は年末の高校吹奏楽部の飲み会でのこと。ダン石田氏より「ニューブリッコのステージを飾る電飾をやりたいのだがいいやり方はないか」との相談がありました。
例えばレッツゴーヤング(笑:若い人はわからんでしょうね)なんかで使われているような昭和な電飾をステージで使いたいと。特に今回はステージ前にずらっと並んだ丸い電飾がやりたいとのこと。
お安い御用&最も得意とするところであります。相談の瞬間から頭の中でシステム設計が始まります。ポイントはなんといってもWS2812(NeoPixel)でしょう。これさえ使えば色も制御も自在であります。しかもミクさんのサイバーコンソールでさんざん使いましたのでコツはわかっております。
ということで、飲み会では大いに盛り上がり、ぜひぜひやらせていただくことになりました。

まずはプロトタイプであります。
ダン石田氏より「ピンポン玉が並んだようなランプで、光が行ったり来たり」というご要望。昔よくあったアレであります。fusion360でサクッと形を作ります。
こんな感じでしょう。

WS2812の在庫を確認します。150個以上、十分にあるようです。

こんな感じでピンポン玉の下に仕込んで、

こう光らせるイメージで。

ピンポン玉は工房へお越しいただく際にダン石田氏より支給(笑)いただくということで、ベース部分を作って待ちます。ピンポン玉6個入ということで、ベースを6ケプリント。

このくらいの大きさですから、1時間もあればプリントできます。

プリントの間にベースを固定するSPF材とWS2812の準備をします。

とりあえず250mm間隔くらいでWS2812繋いでいきます。

仮固定。

プリントが終わったベースをSPF材に固定していきます。

WS2812はほぼ図面通りに収まっております。

裏側を配線していきます。

ピンポン玉載せてみます。

この状態で点灯させてみましたが、なんとも暗いです。
ということで、すべてのピンポン玉の底を超音波カッターで切り取って、直接LEDの光がピンポン玉内部に入るようにしてみました。

点けたところ。

うーん。
やはりLED一発では暗いです。暗めのステージならきれいに見えると思いますが、明るいステージでは照明に負けて何やっているかわからないでしょう。
それと、ピンポン玉も小さいです。もっと密に並べる必要があります。

ということで、ダン石田氏とプロトタイプ品を見ながら協議しまして、最終的にLEDの数を増やすことにしました。
WS2812の複数使い、またはWS2811に直接RGBLEDをぶら下げるといった方法が考えられます。WS2812を複数使いにするのが手っ取り早いですが、プログラムが非常に面倒になります。
例えば一つのピンポン玉に4つのWS2812を仕込んだ場合、これらは協調動作させたいので、4つ単位での信号処理になります。もちろんこの程度であれば変換関数を一回書けば終わりなのでそれほど嫌がる必要もないのかもしれませんが。
やはり最も良い方法はWS2811を使って6直12V 18.5mAでLEDを駆動することです。これなら相当明るいはず。ただし、この場合は基板から作らないといけません。数が多いので大変です。何より問題は納期です。ダン石田氏は1/26のコンサートでの実践投入を計画しているのです。ということで、WS2811+外付け6直*3色LEDという魅力的なパターンは納期的にあきらめざるを得ません。

さてどうしたものかと思い、何か策はないものかとAliexpressを見ておりますと、なーんと考えたままのものがあるじゃあないですか。

Aliexpressというか中国恐るべしです。まるで自分が設計したようなものが売っています。すごいです。
この物は各バルブにWS2812と6発のRGB LEDが載っています。ピンポン玉に相当する玉の径も60mmと目立つ大きさです。
さらに、コントローラについても見ていたところこれまた最適なものを見つけました。

様々な点灯パターンをプリセットされたコントローラは数多く売られていますが、これはプリセットに加えて、音声に反応して点灯するmusic modeを搭載しています。演奏のビートに同期して電飾が動くのです。素晴らしい。しかも無線リモコン付き。
※ちなみに、出力がどの程度なのか、技適が必要なレベルなのか、取得しているのか(してるわけない)など全く不明です。せめてISMバンドならいいんですが。

ということで、この組み合わせは時間を金でかうなら最適な投資ということでダン石田氏に決断いただき直ちに発注しました。

で、先週届いたブツがこれです。

長くなりますので投稿を分けます。開梱から組み立てまでをその2にまとめます。

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