先週ケースを除く部分まで作ったスピードコントローラーであります。本日は箱の作製です。
箱は頑張ってfusion360で設計しました。だんだんとですが上達しているらしい手ごたえを感じますね。
設計した箱はこれです。
ではいきます。
3mmtのクリアアクリルがありましたので、これを切っていくことに決定。
ここで秘密兵器登場。nonsayaさんに教えていただいた梱包用のラップです。
これを保護紙をはがしたアクリルに張り付けていきます。
こうすることで加工状態を確認しつつ、板の表面が曇ることを防ぐことができます。
アクリル板をレーザカッターで切ったご経験のある方はお分かりと思いますが、アクリル板は条件によって表面に曇りが出ます。切断時に蒸発するアクリル樹脂由来のガスが板の表面に再凝縮するのです。
特にキャスト板で顕著に現れます。梱包用ラップは板材の表面に張り付くことでこれを防いでくれるのです。
曇りを防ぐためには保護紙を貼ったまま切断するというのも手ではありますが、保護紙貼ったまま切断するとどこまで切れたかよくわからず、ちゃんと切れていないまま取り出したりした日には、板材が丸々一枚無駄になります。アクリル板は高いのです。
ということで、ちゃんと切れていることを確認するためには保護紙を取りたいけど、保護紙を取っちゃうと表面が曇る…….という悩みをこのラップは解決してくれるのです。
nonsayaさん、素晴らしい情報をありがとうございます。
ちなみに、よく似ていますが、台所用のラップはダメです。焦げ焦げになってしまってこびりついてしまい全くNGであります。このこともnonsayaさんから教えていただいていたのですが、無理やりやってみて(別に疑っていたわけではありませんよ、興味です興味)ひどい目にあいました(笑
ということで、切断します。
動画で。
切れてなさそうなときは様子を見ながら何度か繰り返します。
大丈夫そうですので、取り出します。
いいですね。レーザ加工機の醍醐味であります。
出来ました。
これでも曇りが出ているのがお分かりいただけますかね。裏の保護紙側に曇りが出てしまいました。
保護紙は粘着でついているわけではありませんのではがれやすく、保護紙と板材の間にガスが侵入してこのように端っこの部分に曇りが出ることがあります。ほんとは両面ラップにした方がいいのです。
とりあえず半分出来ました。
二枚目切っていきます。
複数回切るときはこんな感じです。
レーザがアクリル板を完全に切断し、レーザが裏面に抜けると、アクリル板の下に敷いている厚紙が切断されます。その時には下の動画のように光が出ますので完全に切断されたことがよくわかるのです。
この光を見るために表面側の保護紙を剥いでおきたいのです。
下に敷いている厚紙を含めて切断されると、切断部分が下に落ちていくのがわかります。
排気のための穴加工部分の切断動画です。わかりますかね。
動画をもう一つ。
この動画の後半、四角い窓を切り出しているところは切断時に小片が下に沈んでいくのがよくわかります。
二枚目切れました。
取り出します。
完全に切れていると、このように加工機の中でばらばらになります。
出来ました。
裏側の保護紙を剥ぎ取ります。ガスが侵入していない場合は保護紙はぴったりと板に張り付いていますので、このように角にセロテープを貼ってはぎとります。こんな感じにぴったりと保護紙が張り付いている場合は全く曇りのないきれいな切断物が得られます。実にきれいです。
今回の加工では残念ながら一枚にこのような曇りが出てしまいました。
写真では光を当てて曇りを強調していますので見苦しいですが、ぱっと見それほど目立つわけではありません。このままでもよいのですが、今回はちょっとだけ後処理をします。
東急ハンズで買ったこれを使います。
あまりけちらずに塗り付けて、
かるーくこするだけでこんなにきれいになります。素晴らしい。
曇りの範囲が広くて面倒なときは荒っぽい方法があります。荒っぽいので全然お勧めしません(笑
例えばこんな曇りの部分を、
ガスバーナの還元炎で炙ります。
すると表面が一瞬溶けて曇りが消えます。
結構コツがありますので、お試しになる方はいらない破片で練習してからにしましょうね。
まあこんな感じでいいでしょう。
組んでみました。
実にいい感じです。
実装していきます。
まず電源用のメガネプラグソケット。
トライアックと放熱板。
表側の板には電源スイッチと実効値を制御する可変抵抗。
つまみをつけて出来上がりですが、やっぱ表板くらいは不透明なものにすべきでした。見苦しい。
基板のレイアウトを大体決めて、
固定のための穴を開けます。ここはドリルを使用。
設計ではハーネスのことを考慮しませんので、基板の取り付けは現物を見てからにするのが良いです。
いつものジャンクねじで、
ばっちり固定です。
引き回し長さを考慮して線材を切り、端子台に接続するものには圧着端子をつけます。
ケースの中で配線をすれば出来上がり。
いい感じに収まりましたね。
では動作テストです。
ちびオシロ持ってきて出力部分の波形を見ます。負荷としてはんだごてを使用。
負荷がないと正しい波形が観察できませんというのは豆知識。
ボリューム全絞り。出力出ておりません。
ちょいと回すとこんな波形になります。正常です。毎180度の後ろの方にトリガがかかっています。
トリガの遅れが大きい時ですね。
ボリュームを回していくとだんだんとトリガが遅れが小さくなって実効値が上がっていきます。
で全開にするとほぼ正弦波を出力します。
ということで、きっちり動いているようです。
本番実験です。
anchanさんのブロアをつなぎ込みます。
回してみると、
いい感じに制御できています。
ボリューム半分以下でも結構引いています。このくらいならほとんど騒音というレベルではありません。夜でも動かせます。素晴らしい。
ちなみに、ハンダごてから誘導負荷であるブロアに変わりましたので、もう一度波形を確認します。へんな髭が出ていたらいやーんなのです。
…..ちょっとだけ髭がありますが、まあ許容レベルですね。バリスタさんが頑張ってくれているのだと思います。
このままで行けそうです。
ということで完成であります。
これで夜でも騒音を気にせず切ることができるようになりました。
しばらく様子を見て、天板を入れて完成にしたいと思います。
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