いよいよ改造の核心部分に入っていきます。ガス抜きと冷却サイクル部へのガス枕導入です。本日はガス枕と冷媒配管を接続するユニオンをガス枕底板に固定する作業を行います。
現状のガス枕は、二枚のジュラルミン板材の削り出しを終えたところです。
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二枚の板を合わせた内部には冷媒が膨張する空間が確保されており、全体がエバポレータとして機能します。冷媒はユニオンの一方から入ってきて、ガス枕内のクランク状流路を流れながら気化し、そこで気化熱を奪います。
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底板にはユニオン取り付け用のバカ穴が開いております。ここにユニオンを締め付ければ固定自体はできるのですが、これでは穴の隙間から冷媒が漏れ漏れになりますので、ここの気密を確保することが必須です。
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ガスケットとかOリングとかいろいろ考えたのですが、最終的にこのシリコーンコーキングでやってみることにしました。
シリコーンは浴室の防水や外壁の隙間のシール剤なんかで使われる接着剤で、硬化してもある程度やわらかく、炎天下から氷点下までの環境に耐えるように設計されています。ということで、冷媒による悪影響が無ければガス枕のシール材としては理想的な特性を持っていると考えています。
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これをユニオンと板材の間の狭い隙間に注入する必要があります。
こんな時には(武蔵エンジニアリングなんかの)ディスペンサを使うのが最も良いのですが、そんなもん持ってませんので手作業でやります。
1mlのシリンジと太めのニードルを準備します。
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問題はこの細いシリンジにどうやってコーキング材を入れるかというところです。気泡が混ざらないように充填するのは板材とユニオンの隙間にコーキング剤入れるよりも難しいです(笑
で、しばし考えたのちにいいアイデアを思いつきました。このコーキング材の蓋を使ってアダプタを作ります。
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シリンジの先端は4mmφで、根元に向かって0.5mmのテーパーがついています。
そこで、コーキング材の蓋に4mmφの穴を開けて、
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その穴にシリンジをねじ込みます。
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一方でシールされる側の準備もします。コーキング材が接触するユニオンの首と穴周りの油分をエタノールを染ませた綿棒で丁寧に拭き取ります。
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準備ができたところで、先ほどの蓋をそのままチューブにねじ込みます。
こうすることでチューブを圧すればコーキング材が押されてシリンジの中に入っていくだろうと考えたわけです。
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やってみたら実に目論見通りに行きました。これ素晴らしいやり方です。
一液性の接着剤はこの方法がベストですね。今後もこれで行きたいと思います。
コーキング材は口の部分にポリ袋をかけてから蓋をすれば硬化が進むのを押さえることができるでしょう。
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ユニオンの首にたっぷりとコーキング材をなじませます。実に楽に作業できます。
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裏から挿し入れてナットで迎えます。締め付けて完成。
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裏から。
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もう一方も同じようにたっぷりとコーキング材を入れて、
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締め付けます。
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ちなみに使ったのはこれです。
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あとは硬化を待つのみです。冬の寒い時期で湿度も低いので時間がかかると思いますが、来週末にはしっかり固まっていることでしょう。
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