CNCステージを作っての反省

CNCステージを作ってみてわかったことはいろいろありますが、痛感したのは剛性の大切さです。
考えてみれば当たり前なのですが、加工の際にはステージにそれなりの力がかかるということです。
たとえば木の板に電動ドリルで穴をあけるときのことを考えるとわかりやすいかな。穴をあけるときは、ドリルの刃を材に対してそっと触れさせるのではなく、ぐっと押し付けていますよね。そして場合によっては体重をかけて押し付けたりもします。こんな力がステージにもかかるということです。
これは押し付けの力を発生させるステッピングモータのトルクにも関係し、押し付けの力によって変形の応力を受けるステージの構造にも関係します。
今回作ったCNCステージはM6の送りねじを使っていますので、ステッピングモータが少々貧弱でもそれなりの送り強さを発揮してくれているようです。が、ステージの構造体の強度はそれに見合っておらず、刃物を材に押し付けたときに変形が生じています。
刃物の押し付けが弱いケース、たとえばダイヤモンド電着やすりのようなグラインダ系の刃物を持たせてプラスチックの表面を傷つけていくケースでは、それなりの精度で加工ができています。
また、ペンで絵を描くようなときも押し付けはほとんど発生しませんので、それなりのきれいなものができています。

動画はグラインダの例

ところが、木材の切削のようにある程度の押し付けが生じる場合、刃物を材に押し付けたまま前後左右に動かすとステージがたわんで思うような加工ができていないのです。

音が均一ではないのがお分かりいただけると思います。
刃物が材に押し付けられるとき、ある程度まではステージがしなって受けてしまうので材への押し付けが徐々にしか強くなりません。そしてしなりによる応力が材を削り込む力を上回ると急に材が削られて刃物が進みます。するとしなりが小さくなりますのでまたステージが応力を受けてしなって行き….というのを繰り替えすわけです。結果として刃物は尺取虫のように進むことになり、切り口はきれいになりません。また、当然これらのしなりはXYZいずれの方向にもありますので刃物の進路も直線になりません。結果として硬いものの加工はできないということになります。
CNCフライスを作ることを思い立った当初の目的は、電子回路基板の切削加工でしたので、まずまずこれでも大丈夫なのかもしれませんが、あまりに余裕がなく、安定性に不安があります。
ということで、これらの反省を元に改善が必要だという結論に至りました。

コメント

  1. akirahitosi より:

    こんばんは、あきらひとしと申します。

    木質系材料でのNCフレーム作成は結構難しいですよね。。

    • みら太/mirata より:

      あきらひとしさんありがとうございます

      その通りです。
      ペン持たせてお絵描きして遊んでいるうちはいいのですが、何かを削ろうと思ったとたんに全体の剛性やら平坦度やら問題の山になります。
      今も少しずつ改良しておりますのでそのうち公開したいと思います。