ポンプが動くようになりましたので、もう少しImpact / Laser Engraver pluginで遊んでみます。
おおよそ絵はかけるようになったのですが、階調がいまいち出ません。今回はそのあたりを中心に攻めてみたいと思います。
一番上とその下は同じものを左右逆に配置しているだけで、どちらも16個のマスを作り両端を真っ白と真っ黒、その間をなだらかに階調を変えていったものです。3段目はパターンをいくつか描かせてみるもの。細かさの確認ができるかなと。一番下は線の太さをいろいろと変えて精度を調べるためのパターンです。
上の写真では何とか階調らしきものが見えてはおりますが、いいとこ3階調くらいです。これではだめです。
ということで、黒をもっと黒くしようとレーザの出力をちょっとだけ上げるとこうなります。
階調どころかパターンすらなくなります。これはまずい。
んで、いろいろと条件を求めてやってみるのですが、
なかなかうまく階調が出ません。
そんな中で、下の写真に注目。
これを見てふと気がついたのがパターンの部分です。ぱっと見階調があるように見えます。
Impact / Laser Engraver plugin の解説によりますと、Impact / Laser Engraver
pluginでは、画像の濃度情報を基にして1ドットを短い連続パルスで描画し、そのパルスの数を変えることでドットあたりに投入するエネルギーを制御して階調を出すということです。
Impact / Laser Engraver pluginの階調分解は8bitとのことですので1ドットを描画する時間をさらに256分割してレーザをON/OFFしているのです。これはそうとうに速い速度です。
ということで、おそらくですが、私が使っている電源の
応答速度が遅いのか、はたまたレーザ管の応答が悪いのか、いずれかが原因でImpact / Laser Engraver pluginの出すパルスにうまく応答ができていない結果階調が出ていないのではないかと思われます。
一方で、上の写真のようなパターンの色のついた部分はべた塗り、つまり真っ黒に相当する描画が行われているにもかかわらず、白い部分との面積比で中間階調に見えています。いわゆるマンガのトーンを見ている状態に近いと思われます。
トーンは真っ黒と真っ白の面積比で中間階調を擬似的に表現しますので、ドット単位で見ますとレーザは100%出力かOFFかの二択です。
これです。この考え方であればレーザと電源はドットあたりのON/OFFスピードにだけ忠実に反応してくれればよいのです。これならかなり反応速度が遅くてもちゃんと階調っぽく見えるはずです。実際見えているし。
ということで、この方法を追求してみることにしました。
いろいろ試行錯誤はあったのですが、結局たどり着いた方法は次のようなものでした。
①ペイントショッププロで任意の画像を読み込む。
(ペイントショップでなくとも以下の操作ができるソフトは多いと思われます)
②グレースケール変換する
③2値化する。このとき、 誤差拡散法によって中間調を白黒のランダムな点の濃度比に変換。
④Impact / Laser Engraver pluginに読み込んで書き込み
んで、やってみた結果がこれ。またミクさんです。
ミクさんの前髪と瞳、袖の辺りの階調感がお分かりになりますでしょうか。かなりいい感じです。
もう少し大きな絵で。
ミクさんの周りのパターンにもちゃんと階調感があります。
描画する画像の解像度と実際にプラグインが描画する解像度の大小関係も結構結果に影響を与えるようです。
たとえば下の比較写真。上半分はほぼ原画のドット数と描画のドットすうがあっていますが、下半分は原画のドット数が描画のドット数よりも4倍ほど高密度です。この結果から見ると元絵が高精細であることよりも、描画の解像度に近いことが大事なようです。
ちょっと暗いですが、描画中の動画を
で、出来上がったのがこれ。
画用紙を使ったときよりもさらにコントラストが出ています。ミクさんの髪のグラデーションもきれいです。
ちなみに元絵の解像度を上げたものはこちら。基板が画用紙から木になっても結果は同じです。
さらに調子に乗ってアクリル板に描いてみます。
あっさり描けました。ちょっと途中で手が当たってしまったのでずれてますが、きれいに階調が出ています。すばらしい。
さらにさらに調子に乗って、ガラス板に描いてみました。
描いているところ。
これはさすがに簡単ではありません。
いろいろと条件を探していますが、まだきれいには描けていません。
ガラスに描くときはフォーカスもかなりシビアなようです。もう少し装置の精度を上げてからの再挑戦ですね。でも条件さえ出せばきれいな絵が描けるでしょう。楽しみです。
ガラスの表面はこんな感じになっています。
場所によってはガラスがフレーク状にぽろぽろとはげてきます。
ということで、調子に乗るのはこれくらいにして、最後に大き目の絵を画用紙に出力してドット精度を確認しました。これは今回作った装置の位置決め精度にかかわる部分の確認です。
出力したのはこちら。解像度が低い元絵を横25cmくらいに拡大描画しました。
階調はちゃんと出ております。
で、文字の斜め線のところを拡大してみますと….
ちゃんと描けてますね。斜め線が直線の階段形状で補完されています。階段のそれぞれの段は5本くらいの横方向の描画線で形成されているようですが、同じ段の描画線にずれはほとんど見られません。 横線は往復両方で描いていきますので送り系にバックラッシュがあるとがたがたになるはずですが、それも見られません。思いのほかよい精度で動いているようです。
ドットの部分はこんな感じ。誤差拡散処理によってランダムに分布したドットが見えます。単ドットはほぼ円形ですので光学系の歪もあまりないと考えられます。
ということで、描画に関してはそれなりにノウハウがたまりました。
次はカッティングに取り組んでみたいと思います。
それにしてもミクさんかわいいな。
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