リモートON/OFFコンセントつくり その1

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CNCでアルミを切削するにあたり、大量に発生する切削屑を吸い込むためのサイクロン集塵機を作りました。
サイクロン集塵機は順調に稼働しており、非常に便利に使われております。が、一つ問題というか使い勝手の悪さがあります。
サイクロン集塵機はこんな感じに、CNCの近くに配置されております。下の写真ではサイクロン集塵機から右に延びたホースが吸い取り、そして左に延びたホースが掃除機に接続されております。サイクロンはそれ自体には吸い込みの力は無く、ブロアーなり掃除機なりといった吸引ソースと接続しないといけません。私は古いタイプの家庭用掃除機を作業台周りの掃除用に昔から使ってきており、サイクロン集塵機もこの掃除機を接続しています。下の写真には写っていませんが、作業台の左側の下に置いています。

で、こうして構成されたサイクロン集塵機は実にナイスに働いているのですが、これをON/OFFするのにいちいち掃除機の手元スイッチを動かさないといけないのが面倒であります。これをリモートでON/OFFできるようにしたいというのが、今回の投稿です。

古いタイプの掃除機、とわざわざ書いたのには理由があります。何が古いのかというと、掃除機の強弱操作周りの作りです。
最近の掃除機はノズルの手持ち部分にスイッチがいくつかついているものがほとんどですよね。強弱切り替えのほかにも先端のブラシを回転させるスイッチとかついてると思います。これらのスイッチはほとんどエンボスシートとタクトスイッチの組み合わせになっています。つまり、手元のスイッチとモータの間にマイコンがいて、手元スイッチはマイコンのポートにつながっているのです。ここらは結構コスト削減のためも工夫がなされていて、昔の(今もあるか)4Pヘッドホン端子の再生/停止/一曲送り/一曲戻りといった動作を抵抗値違いによる電圧変化でアナログポートに読ませていたのに似たような回路がつかわれているようです。少ない線の数でUSARTみたいな通信を使わずに複数の情報を送るための工夫です。こういった構成の掃除機では、手元スイッチで掃除機をオンにしてからコンセントを抜いて(当然この時点で掃除機は停止します)また挿しても掃除機は停止したままで動きません。マイコンがリセットされますから当然の動作ですね。
これに対し、私が使っている掃除機は一旦スイッチを入れると、コンセント抜き差ししても再度モータが回ります。強弱の調整はできるのですが、マイコンは使っていない作りです。これが古いタイプといっている理由です。
長々書いておりますが、こういったタイプの掃除機はコンセント側をON/OFFできれば掃除機自体をON/OFFできることになります。掃除機のハッキングは面倒ですが、電源なら何とかなります。
ということで、今回コンセントの無線制御に取り組んでみました。

使ったのはこのあたり。

何やろうとしているかは特徴的なリモコン見れば一目瞭然かな。ちょっと前のほとんどの車のキーレスエントリーに使われていた315MHzの微弱無線で行こうと思います。
かなり前に購入して死蔵していた車のキーレス化キットを使います。このキットは4CHの通信ができ、受信側はジャンパの設定でモーメンタムとラッチの切り替え動作が可能なAC 10A容量のリレーが4つ載っています。
10Aあれば十分かなとも思いましたが、メカニカルリレーで誘導性の負荷を駆動するのはあんまり気持ちが良くないので、その後ろになぜかたくさん持っている秋月の25A SSRをぶら下げることにしました。無駄な二階建てのような気がしますが、たくさんあるのでいいでしょう。~100Aといったもっと容量の大きなトライアックもたくさんありますのでアップグレードもできます。
こういったことを考えながら材料を集めました。買い足したのは外付けコンセントだけです。

では行きます。まずはコンセントのノックアウト部分の加工から。

ノックアウトをきれいに落とすのが大変に苦手なので超音波カッターで切り落とします。
つか、ここってちゃんときれいに落ちます?みんなどうやってるのかな。

切ります。体に悪そうな白い煙と共になんとも言えないアミン臭が漂います。ついったで教えていただいたところ、この手はユリアかメラミン樹脂を使っているとのこと。どっちも窒素を含む骨格を持ってますからこの匂いなんですね。

切り落としただけでは非常に汚いです。

ので、リュータ持ってきて仕上げます。

考えてみたらVVF線引っ張り込むわけじゃないので大きく削る必要はありませんでした。
二個目からは控え目に落とします。

コンセント一個にSSR一個を組み合わせます。

レイアウトとかどうするかなーとおもってしばらく考えた挙句、今回はごつい感じに仕上げてみようと思い立ちました。電源なので頼りがいがある感じに仕上げたほうがいいですよね。ということで、トライアックの放熱板もごつい奴を使おうかとジャンク箱を漁ります。

こんな感じにするかな。
ごつい感じの電源といいながらMDF板を持ってくるあたり矛盾してます(笑)が、まあいいでしょう。もちろん火が出ないように気を付けて作っていきます。
レイアウト考えるの楽しいです。左にコンセント、右に制御系という配置にします。

コンセントの位置を大体決めて、

固定用の穴位置を出します。

MDFなので木ねじで止めます。ハンズマンガラクタ市で買ったねじが活躍。これは恒例の10円袋ねじ。

ケーブルはこのあたりを使うかな。

端子使ってきちんと止めます。先日メルカリで3000個くらい端子買っちゃったので使いたい放題であります。

いざ接続と思ったら、持ってきたジャンクの白コードの心線があまりに細くて頼りないので、もう少し太いものに変更します。今回のテーマはごつさの演出であります。

こんな感じに丸端でとめて、

MDF板に固定していきます。

丸端カシメているうちに、やっぱごつさといえば端子台だよな、と思いまして、急遽端子台を使うことに。

意味もなく中継ポイントを作ります(笑

なんかごつい感じがしてきたぞ。

4CH分のトライアックは、一つのヒートシンクに乗せることにします。
ヒートシンクに2.7mmφの穴開けて、

タッピンでトライアックを固定していきます。

固定ができたら、真ん中にヒートシンク固定用の穴開けときます。

秋月のSSRは5-9V入力になっていますので、10円で投げ売りされていた新品のガラケー用充電器を使います。5V 600mAというふた昔前の容量ですが、駆動するのはフォトトライアック用のLED4つなので余裕です。
ちなみに、受信モジュールには12Vを入れる必要がありますので、この5Vを昇圧して12V
を作ることにします。
まずは分解から。再び超音波カッターを使って殻割です。

先のコンセントと違ってABSなのでそれはもうさくさく切れます。

外周をぐるっと切って、殻割工具でちょいとこじれば簡単に真っ二つです。

基板出して、

せっかくですからケースはMDFへの固定用に再利用することにします。

コンセントプラグを外して、100Vの引き込み線を直結しないといけないですね。

ここで、ヒューズくらい入れといたがいいかなと思い直しました。というか、電源ですから入れとくべきであります。しかし、ヒューズボックスはパネルつけのタイプしか持っておりません。
ということで、ジャンク箱を漁ります。

 

するとあら不思議、欲しいヒューズホルダが見つかります。さすが高品質ジャンク箱(笑

ヒューズはいくつか持っていたはずです。
….調べてみると4Aしかありません。まあいいでしょう。とりあえずつけといてあとで容量が大きなものに交換することにします。掃除機だけで切れるかもしれませんが(笑

それなりに部品が増えてきたので、MDF上のレイアウトを真剣に考えます。
電源引き込み用の2P端子台、昇圧モジュールも位置を考えます。

位置決めしたら穴位置出して、固定できるものは固定していきます。

この5Vアダプタの工事にかかります。

100Vの引き込み線出して、

 

ケースを再利用してMDFに固定。

昇圧モジュールは両面テープでケースに貼りつけることにしました。
5V出力を昇圧モジュールにはんだ付けし、受信モジュールの電源ポートにつなぎこんでいきます。

昇圧モジュールは可変タイプなので、100Vを仮配線して12Vの出力電圧になるように調整します。

…..調整します。…….調整します。なんか電圧出てきませんね。
おかしいなと思って、入力側の5Vを確認したら接続が逆でした(笑

前も似たようなことをやった気がします。が、この5VACアダプタ、出力線の色がピンクと灰色だったんですよ。まず間違いなくピンクが+で灰色が-だと思うじゃないですか。ええ私も疑うことなくそう思ってはんだ付けしました。

…逆でした。

こっちが正解です。赤に近い色である薄いピンクがマイナスで、黒に近い灰色がプラスでした。いやあこんなことってあるんですね。某国内メーカー製造のACアダプタでしたのですっかり油断してました。
中華アダプタだったら取り付けを行う前に、極性があっているか、いやそもそも動作するのかを確認したと思います(笑

めでたく調整も出来、受信モジュールに12Vが入りましたので、ここで動作確認をします。
キーホルダ形状の送信モジュールから基板を取り出して電源を直結します。送信モジュールにも12Vが必要です。
えっ12V? って思いますよね。12Vで間違いではありません。この小さなキーホルダ内に12Vの電池が必要なんです。
12Vの電池、しかもこんな小さな奴ってピンとこないと思います。が、ちゃんと売ってます。中にはちいさなボタン電池が8個直接接続で入っています。

4つのスイッチがそれぞれ4つのリレーをラッチで動作させることを確認します。
ついでにuxcellコネクタの極性を調べておきます。リレー毎に3端子出ていて、コモン、ノーマリーONとOFFになっています。
今回はこのリレーでSSRのフォトトライアックLEDをON/OFFしますので、コモンに5Vを入れ、ノーマリーOFFをLEDのアノードに接続します。

で、そのSSRを作っていきます。4CH分ですが、基板には抵抗二本、バリスタ、フォトトライアック、コネクタ代わりのピンヘッダだけですので簡単です。

実装は背が低い部品からが鉄則ですが、半導体は後回しにします。今の部品は(鉛フリーの温度であっても)熱で壊れることはほとんどありませんが、昔の悲しい記憶がよみがえりますので、できる限り半導体は後にしたいのです(笑

さくさく。

出来ました。

こんな感じで4CH分並べるかな。

今週はここまでで時間切れです。
次週末は送信側含めて完成させたいと思います。

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