プリンタ2台の分解

分解

不要不急の外出自粛が続いておりますが、みら太な日々はほとんどの週末玄関のドアノブに触れることもないのであんまり生活に変化がありません。
部屋にこもっていてもネットさえつながっていれば数年はやることに困らないと思われます。
さて今週はプリンタの分解からです。
暖かくなったら軽トラ借りて物置解体した鉄くずやら、庭の草抜いた山やら、よくわからない分解後のフレーム類などいろいろと溜まっているものを廃棄しようと思っておりますので、その一環として積まれている分解候補を整理していくのであります。

まずはこれから。

EPSONのA3プリンタ PM-3700C です。

このプリンタは今まで二台持ってました。いずれもハードオフで500円だかで買ったもので、実際に使うものと予備機としてでした。
一台目は1年半前に動かなくなって分解され、その後残りの一台を使っていましたが、それもついに動かなくなりました。今回分解するのはそれです。

分解は実に簡単。とりあえず見えているねじを外していけば何とかなります。上カバーは簡単に外れます。

凄いサイズの一体物です。厚みもありますので相当でかい金型で成形したんでしょうねえ。一体いくらくらいしたんだろう。相当昔のモデルですから、3000万円くらいしたかもですね。ほかにも大型の成形パーツが数多く使われています。相当投資をしています。
まだまだプリンタビジネスが儲かってた頃でした。

右横から。ヘッドを送るためのDCブラシモータと、給紙トレイドライブ、ヘッド掃除などを兼ねているステッピングモータが見えます。

左サイドの下の方には紙送りローラを動かすためのDCブラシモータが見えます。左端は回転角度検出のためのエンコーダ。正面の茶色の帯はヘッド移動を検出するためのリニアエンコーダです。

給紙トレイ部を外します。

ヘッド外します。ヘッドは退避位置ではロックがかかっていますので、電源が入るなら分解前に少し動かしておくと分解作業がやりやすくなります。慣れてくると裏のピン位置が分かりますのでそこをドライバの先などでちょいと押してやればヘッドが滑り出てきます。
インクジェットプリンタを数多く、覚えてないけど30台くらいは分解したかなと思いますのでおおよそわかるのであります(笑

昔のしっかりしたプリンタはヘッドが太いシャフトで保持されています。このシャフトが実に使い勝手がいいのです。自作レーザ加工機を作るときは大活躍でした。

 

 

分解を続けます。後部下方には電源と制御基板が入っています。電気周りの分解です。

ネジで止まっているだけなのであっさり外れてきます。

緑がロジック基板、黄色が電源基板です。
ロジック基板は頑張ってバラすほどの部品は乗ってません。電源も今は不要ですので全部廃棄です。

側面カバー外していきます。

小さな板金部品がたくさん出てきます。金かけてるなあ。

だいぶすっきりしてきました(笑

紙支えの板を外していきます。

これも成形が難しそうな長物パーツです。

紙送りローラー。表面をサンドブラストみたいなもので荒らした中実棒です。面白い部品なんだけどいまいち使い道を思いつきません。もったいないなあと思いながらもいつも捨ててしまう部品です。

このパーツからはバネと細くて短いシャフトがたくさん取れます。

底部に到達しました。インクジェットプリンタの最下層はインクの吸収パッドです。
ここにどれくらいのインクが吸われているかでどのくらい使われたプリンタなのかが推定できます。

こ奴はまずまず使ったほうかな。

全てのパーツが分解されました。

プラ筐体と板金部品に分けて廃棄します。

戦利品の確認。
シャフト、DCモータ2個、ステッピングモータ1個、ベルト、ばねたくさん、ねじたくさん。

ネジはすべてM3で、小ねじと

タッピングがこれだけずつ。結構な量です。

モータ近影。

ばね近影。

A3プリンタのシャフトは長いので貴重です。EPSONのシャフトは9mmφがほとんど。キャノンは8mmが多い印象です。

ネジはネジ入れへ。タッピンとこねじは分けておきます。

ばねはばね入れへ。

これが短いシャフト。汎用部品として結構重宝します。

ベルトはベルト掛けへ。

モータはジャンクモータ入れへ。

シャフトは作業机の下のシャフト&長物置き場へ。

わずかに残したフォトインタラプタはジャンク電子部品入れへ。

板金部品は不燃物入れへ。そろそろいっぱいです。捨てないと。

二台目の分解に入ります。こちらもエプソンのPX-045Aです。
これはPM-3700Cと違ってぐっと新しいモデルです。ということで、コストダウンが進みまくっており、残念ながらほとんど使えるパーツは無いものと思われます。
このプリンタは義母が使っていたもので、そんなに使わないうちに紙送りがジャムりまくるようになり一線を退いたものです。

では分解していきます。
このモデルはスキャナが乗っていますが、いわゆるCIS方式(Contact Image Scanner)の安い奴です。はし箱みたいなスキャンモジュールがついているだけで、ガイドも成形レールにグリスを塗ったもの、モジュールが軽いので送りのステッピングモータも小さいと、何もいいところがありません。
ということで、ハードオフのジャンクコーナーにあってもまず買うことはないです。

 

まあ文句言ってても進みませんので淡々と作業します。

おそらくこのプリンタからの最大の収穫はこのガラス板です。

あっさり外れます。両面テープも1辺しか使ってないという徹底したコストダウンです。
古いモデルはべったりついた両面テープを外すだけでもえらく苦労するのです。
まあ楽なので助かるのではありますが。

スキャナ部とプリンタ部を分離します。

プリンタ部の分解から。

 

サイドパネルを外します。爪ではめ込みなのでネジの一本もありません。

ヘッド外していきます。
先ほどのPM-3700Cに比べて金属パーツがほとんどありません。したがってねじもありません。

極めつけはこのヘッドをスライドさせるシャフト。

なんと中空ですよ(笑 これじゃ何の役にも立ちません。廃棄です。

で、ヘッド回り外したらもう底です。なんという簡単な構造。

ということで、いきなりですが回収品です。小物はこれだけ。

ということでまともに使える回収パーツはやはりガラス板だけでした。
皆様もハードオフで分解を目的にプリンタを探すときは必ず古いものにしましょう。
古ければ古いほどいいパーツとたくさんのネジやバネが入っています。その上古い奴は安いことが多いです。100円とかね。

それほど得るものはありませんでしたが、やはり分解は楽しいです。
外出自粛を前向きに考えましょう。お子様とプリンタ分解などいかがですか?

コメント

  1. こう より:

    初めまして。
    昨年の今頃からこのブログのフォローをさせて頂いております。
    ジャンク品の分解、3Dプリンタ自作、レーザー加工機自作で大変参考にさせていただいております。有用な記事の数々ありがとうございます。3Dプリンタとレーザー加工はそろそろ自分も作ろうと考えております。
    家電ジャンク品の分解は自分もすっかりはまりまして、安価な投資で様々な部品が溜まってきていてうれしい限りです。ところで自分が回収したシャフトは直径が9mmと11mmというものが多く、その径に合うリニアブッシュなどAliexpressで売られているような安価なものが無いように思います。どこかで売られておりますでしょうか(または回収できますでしょうか?)もし存在しない場合に、これらの径のシャフトの使いみちで何かお奨めなものはございますでしょうか?部品回収だけで悦に入っているわけにも行かず、モーターと組み合わせた装置をそろそろ何か作り上げたいと思っておりところです(本来目的が先なのですが)。たくさん回収してきたDCモーターやステッピングモーターも強固にくっついている歯車が抜けずに困っているのですが、どうやって3Dプリンタで良く使われているようなベルトを回すところまで持ってくれば良いのかアイデアが浮かばない状況です。ほぼ入り口で壁にぶち当たっている初心者ですが、是非ご教授頂ければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。

  2. みら太/mirata より:

    こうさんコメントありがとうございます
    奇数径のリニアブッシュはAliexpressにはないと思います。偶数だけです。LM**UUという型番で、**に径をmm単位で入れます。8mmφならLM8UUといった感じ。これでLM9UUとかLM11UUといった名称で検索しても何もヒットしません。
    お手持ちに偶数径のシャフトがありましたらそれをお使いになるしかないと思います。奇数径は….何に使いますかね。奇数径はCanonのやつじゃないですか?EPSONのGTシリーズのスキャナとかなら10mmφじゃないかと思います。私はそれを愛用しております。
    それと小型のモータのギアを抜くにはミニタイプのギアプーラーを使います。このあたり
    https://www.aliexpress.com/w/wholesale-motor-pinion-gear-puller-remover.html
    ジャンクステッピングモータのシャフト系は細いので、タイミングギアまで行くには一工夫が必要です。私はギアがついたままモータを回し、ギアにやすりを当てて望みの径になるまで削り込んでいきました。
    このあたりに写真がありますので参考になるかと思います。
    http://mirata.blogspot.com/2014/07/blog-post_19.html
    例によって丁寧に説明しているわけではないのでわかりにくいと思います。
    ご不明点何なりとまたコメントいただければと思います。
    私がお役に立てることであればなんでも協力させていただきます。
    ご遠慮なくどうぞ。

  3. こう より:

    みら太さま、
    早速のお返事ありがとうございます。感謝いたします。
    自分はエプソンの複合機を主に分解しましたが、なぜか奇数径のものばかりで途方に暮れておりました。先ほどみら太さんの2012年の記事を改めて読んでおりましたら、9mm径のシャフトを1シャフトにつき6ベアリングを用いて駆動されている記事を拝見いたしました。素晴らしいアイデアだと思いましたのでベアリングの価格と相談しつつ採用させて頂きたいと思います。
    プーリーのご紹介ありがとうございます。一度似たような器具を用いて試したのですが、強固すぎてプーリーの方が曲がってしまいました。砥石に回転させて当てる方法もやったのですが、2時間以上かかったので、大量のモーターを処理するには面倒かと。確かにヤスリの方が良かったかもしれません。ギアも大量にストックされましたので、ついたままなんとか別の歯車を組み合わせてベルトまでもってこれれば良いのですが、難しいでしょうか?

  4. こう より:

    みら太様、
    アドバイス頂き誠にありがとうございます。
    みら太様のプーラーで抜いている過去の記事を見返しまして、問題なくジャンクモーターから抜いておられることから、どうも自分の使っていたプーラーはなまくらだったようです。アルミ製とかの安い奴ではなく、しっかりしたものを(鋼鉄製?)取り寄せることにいたします。
    また、例え抜けなかったとしても、過去の記事でみら太様は短時間で削ったと書いておられることから、どうも自分のやり方の要領が良くないようです。抜けなかった場合、ヤスリを使ったやり方でもう少しトライしてみたいと思います。
    いずれにせよ、そこから異径カプラーやタイミングプーリー(こっちがプーリーでしたね)につなぐわけですね?承知いたしました。
    歯車を組み合わせてついでに高トルクを生み出そうなどと難しいことを考えすぎていたようです。もっとシンプルに駆動まで辿り着き、その上でトルクに見合うものを動かしていきたいと存じます。とにかく先に進みたいと存じます。

    奇数径のシャフトについて、6つのベアリング/1シャフトのコストがやや不満なのですが、U字のベアリングというのもあるらしいですね。https://www.aliexpress.com/item/32823348143.html
    これを2つ・3つ/1シャフトで1軸2シャフト駆動を考えました。こちらもこれでとにかく進みたいのですが、もしもこの時点でひどいアイデアでしたら遠慮なくご叱咤頂ければ幸いです。

    この度は有益なアドバイスを頂き誠にありがとうございました。
    困ったときはまた是非ご相談させて頂ければ幸いです。

    • みら太/mirata より:

      こうさんどうもです
      プーラーは別のものを試してみる価値がありますね。私はほとんど苦労せずに抜けたのでそんなもんだと思っておりました。
      直動機構は工夫すること自体が楽しいと私は思っているので、いろいろやってみていいんじゃないですか。動くようになったらぜひどこかで公開してください。
      楽しみにしております。

    • こう より:

      みら太さん

      しばらくぶりですが失礼いたします。
      本日Aliexpressより新たなプーラーが届きまして無事にシャフトから抜くことができました!アルミ製ではなく、最初から頑丈な奴を使っていれば良かったです。気持ち良く抜けますね!重ねて御礼申し上げます。

      ところで奇数径のシャフトの方も部品が入荷し、悪銭苦闘しているところです。で、相変わらずジャンク品からの部品回収続けておりますが、やはりEPSONプリンタやスキャナからはなぜかシャフトは奇数径ばかり・・・。ふと気づいたのですがこの種の裸のシャフトに対し手間をかけるのも面白いのですが、直動機構を元の形のまま利用しても良いですね。今まで気づかずほぼバラバラにしていました。ジャンクからの直動機構利用例として海外Youtubeで中古DVD-ROMからペンプロッターやミニレーザー彫刻機(焦がす程度)を作る、というのが拝見できますので当方も真似してやってみたら意外とあっさり動いてくれました。いえ、あっさりとは言いすぎでしょうが、それでも思い通りに動いたときは素直にうれしかったです。(これまで見向きもしなかったゴミからこんなものが作れたとは!!)。今は4cm×4cmの駆動面積しか得られておりませんが、直近で目指している3Dプリンタはこれの応用だと思いますので、引き続き頑張って参りたいと存じます。長文失礼いたしました。

    • みら太/mirata より:

      こうさんありがとうございます。
      プーラーにもいろいろあるのですね。やっぱり中華品質というものもまだまだありますが、私は中国製品は日本製品の品質を超えているものが多くなっているという印象です。
      うまく行って何よりです。
      ジャンクで遊ぶのはほんに楽しいです。お金はかからないし、内部を解き明かす知的な楽しみはあるし、3蜜にもならないし、おまけに出来たものが役に立つ(こともある)と、いいことづくめです。
      また進捗教えてください。
      ありがとうございました。