ガス枕にフレアユニオンを固定し、隙間をシリコン系のコーキング材で目止めして一週間の硬化を行いました。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.04.18.jpg)
もちろんしっかり固まっております。
冬の寒さの中、平日は暖房もしない工房に放置ですが、しっかりと硬化というか反応は完了しているようです。硬化しても弾力がありますが、完全タックフリーになっております。上出来。
問題は気密ですが、この状態ではまだ調べようがありません。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.04.24.jpg)
反対側もきれいに固まっています。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.04.27-1.jpg)
ということで、本日は蓋とエバポレータ本体を合わせる作業です。
本体側の外周にはこのように幅1.4mmだったかな、の溝が切られています。ここにコーキング材を流し込んで上下から挟み込むことで気密を確保しようと考えております。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.04.32.jpg)
ここで一つ設計変更を行いました。
ガス枕完成の暁にはこのように四枚のペルチェ素子がその表面に並ぶ予定です。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.05.12.jpg)
当然ペルチェ素子とガス枕は密着させたいので、ガス枕表面側は平面になっています。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.05.48.jpg)
裏返すとこのように中央にもボス穴があります。
当初設計ではこの穴は貫通させず、M3のタップを立てて裏側からねじで止めるつもりでした。
ところが、実際にタップ突っ込んでみると、この穴の深さ(~8.5mm)ではなんぼもねじキリができないっぽいことが分かりました。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.05.56.jpg)
ということで作戦を変更し、このように貫通穴を開けて、表から皿ネジを入れることにしました。ついでに外周の4ヶ所も皿ネジにすることに。こうするとねじの出っ張りがありませんのでペルチェ素子の配線の引き回しも楽そうです。
四隅のねじ穴は、長ネジ入れてペルチェ素子のさらに上に乗るエタノールプールを固定するためにも使いますのでそのまま使います。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.12.53.jpg)
皿ネジ入れる穴をザグリ加工します。このセンターリーマーでアルミを削るのは初めてなのでややどきどき。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.13.31.jpg)
まず真ん中。ここは真っ平らにしないとペルチェ素子が浮いてしまうのでしっかりザグる必要があります。
M3の皿ネジはネジ山つぶさないようにヘキサ頭のものを使用。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.13.53.jpg)
ちょいとザグってみて、
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.14.31-1.jpg)
ねじ入れてみます。まだ飛び出してます。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.14.59.jpg)
もう少し掘って、
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.15.23-1.jpg)
ギリギリつらつらくらいかな。もう一息行きましょう。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.15.35-1.jpg)
これでどうだ。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.16.07-1.jpg)
今度はちゃんと落ちました。
アルミの厚さは十分にあるので思い切りザグっても大丈夫なんですが、気が弱いもんで(笑
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.16.17-1.jpg)
といいつつ、一旦要領が分かれば思い切りを持って進められます。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.18.14-1.jpg)
中央と4辺の中点の穴をザグリ加工しました。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.23.08-1.jpg)
さて、ここからはさらに緊張するところ。気密を確保するためのシールを溝に流し込みます。まずは接着面となる部分に付着した油脂をエタノールで丁寧に拭き取ります。切削の際に油を使っていますのでかなりの量が残っているはずなのです。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.25.35.jpg)
溝の奥は綿棒を無理やり押し込んで拭き取ります。綿棒が真っ黒になりますので相当あぶらよごれが残っていたということでしょう。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.28.49-1.jpg)
前処理が終わったらいよいよ充填です。先週使ったテクニックでシリンジにコーキング材を詰めます。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.31.15-1.jpg)
この方法はホンに素晴らしい。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.32.07.jpg)
では行きます。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.32.28-1.jpg)
まずは少々気密が破れてもいい内部の土手部分で練習。シリンジを一定速度で動かしつつ、これまた一定速度でピストンを押すという職人技が必要です。なかなかむつかしいですが、足りないくらいなら多めに、という考えで乗せていきます。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.33.38.jpg)
引き続き外周へ。ここも迷ったら多めに乗せます。あとで気密が破れていることに気がついてももはや修復はできないと思われます。一発で決める必要があります。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.35.42.jpg)
乗せ終わりました。大丈夫かな
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.36.33-1.jpg)
ガンガン揺らしたり叩いたりして溝の奥までシール材が入り込むように祈ります(笑
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.38.17-1.jpg)
足りないくらいなら多めで。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.38.21.jpg)
ではいよいよ型合わせ。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.38.45-1.jpg)
ネジを準備して、
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.39.14.jpg)
慎重に合わせて、
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.39.57-1.jpg)
中央から仮止めしていきます。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.41.04.jpg)
まず皿ネジ部分。まだ本締めしません。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.42.35.jpg)
四隅はとりあえず鍋ネジ20mmのものを入れておきます。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.43.30.jpg)
全9本のねじが入ったら、均等に締まるように位置をランダムに変えて少しずつ増し締めしていきます。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.44.53.jpg)
締めることによってシール材がはみ出してきます。
これが多すぎず少なすぎずというところを狙ったのですが果たして。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.44.56-1.jpg)
4辺からほぼ等量はみだしが出てきましたのでとりあえず破綻はしてなさそうだと考えております。
このはみだしはエバポレータの内側の気室にも生じていると思われます。そのはみだし量は確認することはできません。少ないことを願うだけです。あまりに内側のはみだしが多いと、はがれたシール材がコンプレッサに流れ込んでトラブルを起こす可能性があるのです。うまくいきますように。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.45.46.jpg)
シール材が硬化すればガス枕は完成です。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.49.37-1.jpg)
年末まで放置硬化させ、その後内部を真空に引いて気密のテストを行う予定です。
![](http://miratanahibi.peewee.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/2019-12-222B13.49.54-1.jpg)
2019年のみら太な日々の活動は本日までです。
年末は沖縄に旅行に行く予定にしておりますので、次回更新は年明けになると思います。
沖縄では米軍ジャンク品の店を回る予定ですので、面白いものがあったら投稿するかもしれませんが、モノづくりについては店じまいであります。
ということで、本年も多くの皆様のご愛顧をいただきました。まことにありがとうございました。
どうぞ良い新年をお迎えくださいませ。
コメント