レーザ取り出し窓材についての考察

自作レーザ加工機

 
光共振器用ミラー作製 また理論編で説明し、ミラー作製実践編 でも紹介しましたように、現構成のレーザ光取り出し窓は太陽電池の破片であるシリコンの板材を使っています。

シリコンの赤外透過スペクトルは下のようになっております。

http://www.irsystem.com/product/irparts/window/window.html

シリコンの研磨品に比べるとARコート品の特性のよさは一目瞭然です。しかしながらARコート品は1万円近くしますので簡単に使うことも出来ません。といったことを以前書きましたが、良い方法を見つけました。
現構成で使っている太陽電池の破片は良くて研磨品と同等、多分それ以下といった性能と思われますので、代替候補として検討してみる価値ありと考えています。
で、おもいついたその良い方法です。

秋月電子でこんなものを売っています

秋月電子さんは非常に安く部品を販売してくださいますのでいつもお世話になっており、何か面白いものはないかとwebを見ておりましたところこの部品を見つけたのです。そしてデータシートを見ているうちに良いことに気がつきました。この部品は焦電素子を使った赤外モーションセンサなのですが、これの窓材がシリコンARコート品なのです。これは使えそうだと。
データシートを見てみますと、波長特性は以下のようになっているようです。
残念ながら窓材の厚さがわかりませんので、実際の透過率は不明ですが、比較に示してあるSilicon filterは1mm厚の物と思われます。もしlong pass filterが同条件、つまり1mm厚さのデータであるならば、この部品に実際に取り付けられている窓材の透過率はこのグラフよりもっと良い値、つまり10um付近で80%とかそれ以上の値を期待できるのではないかと思います。なぜなら、実際のデバイスの窓材に1mmもの厚さのシリコン板を使うとは思えないからです。
ということで、この部品を分解して窓材を取り出せば、かなり光取り出し効率が高いレーザを作ることが出来るかもしれません。
検討してみたいと思います。

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