自作CO2レーザ加工機五号機(大) その11 Smoothieboard との接続

自作レーザ加工機
 
その8でくどくど書きましたように、五号機の制御構成は結構わかりにくいものになっております。
PC(LASERWEB4)→Smoothieboard(grbl-LPC)→加工機のステッピングモータとか
という流れです。
ここまでに(ハードウェア基板としての)SmoothiboardとXYZのステッピングモータ(計5個)、3つのリミットスイッチが接続されて正常に認識されました。残りはレーザだったんですが、まだ載せてなかったので放置されておりました。
ようやくレーザが乗って光軸調整もそれなりに終わったということでようやくレーザとSmoothieboardを接続してON/OFF制御するところまで来たわけです。今回の投稿はその部分です。
ちなみに、Smoothieboardをレーザ加工機用に使うときは、ファームがsmoothiewareだろうがgrbl-LPCだろうが、ここを熟読することが必須です。
そのうち時間を見つけて完訳(意訳:笑)したいところですが、勤めている間はそんな暇ないやろうなあという気もします。
参考までに、これまで作ってきたレーザ加工機の制御はソフトにMACH3を使い、レーザONの信号には使わないZ軸の昇降命令を使っておりました。(ステージの昇降はA軸の命令を使っていました)つまり、レーザ加工をあたかもCNCルータでやっているような考え方で、スピンドルが下降する命令をレーザON信号に見なしていたわけです。こうすることで、PCから制御ボードにZ軸回転のCW/CCW信号の切替わりが発生しますので、例えばCWでレーザON、CCWでレーザOFFとかやっていたわけです。
Smoothieboardではそのあたりが全く別の考え方になります。LASERWEB4が作り出すGコードではレーザONがM命令に変換されてきます。これをgrbl-LPCが解釈して、Smoothieboardのいずれかのピンのロジックを反転させるのです。
問題はどのピンがレーザONに対応するのかということです。さらに、そのピンがハードウェア的にどういった構成になっているのかということを知る必要があります。
ちなみに、これまでの加工機ではパラレルポートのロジック出力の反転をトランジスタで受けてレーザ電源のポートを制御しておりました。このあたりをやってたのはもう7年くらい前の話で、まだネット上にレーザ加工機の情報がほとんど何もなかったころです。電源についての調査はこのあたりレーザ電源とPC(MACH3)の接続の検討経過はこのあたりにまとめております。
Smoothieboardに戻ります。結論から言いますと、grbl-LPCはLASERWEB4からのレーザONのGコードを受け取ると、Smoothieboardの PIN2.5(PWM1)をONにしています。ここの変化をハード的にレーザ電源に渡してやればよいのです。
このFETはSmoothieboardの本来の動作では3Dプリンタのエクストルーダやヒーティングベッドといった電流がたくさん流れる熱源を制御するためのものです。

動作を知るためにSmoothieboardの回路を見てみましょう。

この図の下のところに4つ並んでいるFETの右から二つ目のQ6が件のFETです。
これ見るとシンプルなNチャンネルのローサイドスイッチであることが分かります。ということで、レーザ電源の「短絡するとレーザON」のポートに繋いでやるといいです。さらに、PWMポートには二つピンがありますが、GND側しか使いません。もう一方(High側)は回路図上ジャンパをいじらない限りどこにもつながってません。私の基板も電位不定になってました。GND側という表現は正しくはないかもしれません。High側ではないのでGND側としか言いようがない感じですか。正確にはFETがONするとGNDにつながる側、です。いわゆるオープンドレインポートになっているのです。ので、レーザ電源との接続は、レーザ電源のLogicGNDをボードのどこかのGND(今回は5Vポートのマイナス側)に繋ぎ、レーザ制御線をPWM1のGND側(オープンドレインポート、上のボード見取り図のPWM1の青い端子)に繋ぎます。
さてこれでLASERWEB4からレーザのON/OFFを含むすべての制御ができるようになりました。テストしていきます。まずはベクター動作から。
モデルは当然ミクさんであります。LASERWEB4にdxfデータを読み込んでGコード化します。このあたりも加工機完成後に詳しい操作方法をまとめたいと思います。というかLASERWEB4の操作についてはWeb情報を完訳して薄い本にして技術書典なんかで販売することも考えていたりします。
贅沢にも桐の板を使います。端材で50円(笑

動画連発でどうぞ。

素晴らしいです。全く問題ない動作であります。
この板はB4くらいあるのですが、これでもまだステージの半分くらいですよ。

引き続きラスターもやってみます。
ラスターについては五号機の大きなテーマですので、今後しっかりと検証していきます。まずは軽くうごきを見ます。
これもやっぱりミクさんで。Tell Your World を使います。

煙がすんごいので、換気扇回しつつ扇風機で煙を追い払います。筐体囲んで排気系を整備するまではやむなしであります。

動画も織り交ぜつつどうぞ。

40分程度をかけて書き終わりました。

桐の板ではいまいち階調が出ませんし、素材もカラーまんまの成り行きですのでまだぼーっとした仕上がりですが、今の段階ではしっかりラスターで描画ができ、変なずれや欠落が無いことが大事なのであります。

とりあえず満足です。

これでレーザ加工機としての基本的な動作確認はできましたので、仕上げに向けて筐体や排気系の整備に移っていきたいと思います。せっかく調整した光学系ですが、一旦レーザ管を下ろしての作業を行います。しばらくは地味な作業が続きますが、完成までもうひと頑張りです。

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