ペルチェ素子冷却霧箱の作製 その11

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フライバックトランスをつないで動かしてみました。

….電圧が上がりません。たった(というべきではないかもしれませんが)300Vです。フライバックトランスの出力は脈波なので実際のピーク電圧はもっと高いのだろうと思いますが、それでも1kVは出てないでしょう。

困りました。以前でかいフライバックトランス自作CO2レーザ管の電源として使った時には問題なくバリバリ放電していたのです。
周波数変えたりデューティ変えたりしてみましたがうまくいきません。そもそもこのフライバックトランスの一次側(と思っている端子)は抵抗が高すぎます。100Ω以上あるのです。なんかおかしいです。ひょっとすると端子が違うのかもしれません。ほかにそれっぽい組み合わせも見当たらないんですが…..

ということで、このフライバックトランスを使うのは放っておいてほかの手段を考えました。それが「買ったもの」で書いた冷陰極管用DC-ACインバータとコッククロフトウォルトン回路の組み合わせです。今回の目的は電流を流しませんからどんな貧弱な電源でもいいと思われます。要は電圧だけ出てればいいのです。電子びっくり箱の世界です

ということでかったものはこちら。aitendoで390円。

aitendoのHPから引いたスペックは以下の通り。
負荷1kオームで650Vということですから、無負荷に近ければもっと高くなるはずです。

電源は12Vでいいとして、調光とenableがありますね。調光は何もつながなければ全力投球ということのようですのでほっといていいですね。問題はenableです。面倒ですが5Vくらいを作って入れないといけません。

結線はこのとおり、と言いつつこの説明では6pin入力になっていますが、買ったものは5pin(笑)です。基板にシルク(逆印刷:笑)がついていますので何とかなります。さすが中華製。いろいろ心配なモジュールです。

後ろに繋ぐコッククロフトウォルトン回路はほとんど何も考えてません。ダイオードの耐圧と接合部の容量が小さいのを探すくらいかな。ほとんど値段で決めましたが。秋月で20本100円だったかと。

とりあえずこっちはつなげば動くはずなので放っといて、

ラダー作っていきます。

パターン化されていますので間違うことはないでしょう。
それにしても最初にこれを考えた両氏はすごいです。ノーベル賞取るだけの人たちではあります。片手間でこの回路を思いつくわけですからね。

できました。まずはこれくらいでいいでしょう。あんまり上げると怖いです。

ここで改めてモジュールに取り組みます。ガワを外して。

入力周りのコネクタつけます。わたしの守備範囲ではないPHコネクタです。このために買いました。

出口はハンダ付けで直結しています。この部分のコネクタはなぜか高かったのです。シリコン線とセットになっていたからかな。

繋ぎます。左のシルクが表裏ひっくり返っているのがわかりますかね。

出力の直結部分。

まずインバータだけ動かします。
電圧測ってみましたが、OLでした。このテスタはDCで600VがMAXですので、尖頭電圧は相当出ていると思われます。データシートから800Vくらいと想定します。

後段にラダーつなぎます。

ラダーの出力は細いスズメッキ線でギャップを作っておきます。

では動かしてみましょう。

成功です。バリバリ放電しています。
怖いので割りばしでつまんでギャップを調整して見ますと、2mmから3mmという放電距離です。
高圧プローブがないので、おおよそですが、空気中の放電ギャップ1mmで電位差1kVと言われておりますことから、2kV~3kV出ていると推測されます。
これはインバータの出力電圧とラダーの段数を考えますとほぼ妥当な値と言えます。

※ウェイさんから高電圧の測定方法についてアドバイスをいただきました。ありがとうございます。
  が、メガの桁の抵抗はほとんど持っていないので作れませんでした。
  今回は放電距離での推測とさせていただいた次第です。

TT@北海道さんの情報を考えますと、これでとりあえずは雑イオンの抑制には十分な電圧ではないかと思います。
アルコール蒸気を爆発させないように注意して実験しないといけませんね。
空気中の雑イオンは陰イオンと思われますが、上と下どっちをカソードにするか迷うところです。直感的には上をカソードにするのがよさそうな気がしますが、どっちでもいいかもしれません。
実験が楽しみです。

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