参号管構造検討

自作レーザ加工機

 
弐号管はプラスチックのワンタッチコネクタを使っているため共振器の構造がいまいち不安定です。ということで、黄銅チーズを使った参号管の試作に入ります。

ポイントはCO2レーザ発振実験 続き で書いた通り。

  • 共振器の固定を確実にする。
    弐号管のミラーマウントモジュールとレーザ管の接続はワンタッチジョイントですので若干ですがぐらつきがあります。コレを黄銅チーズにします。
  • 整流を全波にする。
    ダイオードはたくさん買ってますので、ちゃんとブリッジを組みたいと思います。
  • 光取り出し窓を大きくする。
    現在1.5mmφ程度の穴をもう少し大きくします。この穴形は壱号管が内径4mmφと細かったためにそれにあわせて決めたのですが、今使っているレーザ管の内径は8mmです。これから計算すると、わずか4%程度の光取り出し率です。コレはもう少し高くしても良いはず。
  • ヘリウムを混ぜてレーザガスをちゃんとした推奨混合比にする。
    何気にコレが一番効きそうな気がします。

まず共振器の固定。
黄銅チーズを使うとミラーマウントモジュールとレーザ管ががっちりと固定されますので調整した共振器がずれる可能性が低くなります。
部品はこれら。

参号管ではチーズとガラス管を繋ぐのに、10mmφの銅パイプと10mmφ外径用のソケットを使います。まずは銅パイプにソケットをハンダ付けします。

こんな感じに差し込みます。接合部分はフラックスで酸化膜を剥いでおきます。

バーナーで炙ってハンダを流し込みます。簡単になじみます。

ガラス管との接続はこんなイメージで行います。ここは具合を確認するのみ。

ソケットをつけた銅管をチーズに固定します。

次に光取り出し開口部の大きなミラーを作ります。
壱号管、弐号管と同じく一方を全反射ミラー、もう一方(光取り出し側)には全反射ミラーに穴を開けてシリコン窓をつけます。
スキャナから取り外した表面反射ミラーを使います。今回はちょっと厚めのものを使ってみることにします。

タングステンのペンで鋭い傷をつけ、引っ張るようにして折ります。

二つ準備して、

球形のダイヤモンドビットで穴を開けていきます。

厚いので大変です。両側から迎えに行きます。

苦闘の末、

貫通しました。

いい感じに穴が開きましたが、作業の間に鏡が傷だらけになってしまいました。
ということで、コレはお蔵入りです。

しかたないので、弐号機のミラーを外してエポキシをきれいに落として穴を大きくします。
弐号機ではOリングを介してミラーを取り付けていましたが、今回は瞬間接着剤で直接つけます。もう流用は利きませんが、よしとします。

こんな感じ。

さて、チーズにレーザ管を固定します。ソケット部分にエポキシを塗ってねじ込みます。

基準レーザを入れて直線を調整します。

こんな感じ。奥にドットが見えます。

直線が出たところで反対側も接着します。これでレーザ管は出来上がり。

次に、ダイオードで半波整流しかしていなかった電源を全波整流にします。
使うのはこのときに買っておいたHVM12.電子レンジ用のものです。逆方向耐圧は12kVなので、ネオントランスの電圧には足りません。ということで、二本直列で使います。電圧降下も倍ですが、もともとこのダイオードは中がいくつかのダイオードの直列接続になっていますので気にしません。高電圧ですから電圧降下は誤差範囲です。

二本ずつ繋いで、

切った端子を利用して、

MDF板上にこんなターミナルを作ります。

ブリッジになるようにハンダ付けすれば出来上がり。

電圧が高いので下のネジ穴を囲むようにゴム足をつけます。

絶対定格を書いておきましょう。

そんなことをしているうちにレーザ管の方は接着剤が固まりました。

ということで、共振器の調整に入ります。

基準レーザを入れて、

全反射側にミラーを取り付け、反射光がきちんと戻るように調整します。

うまく調整できました。戻り光がディスプレイのところに当たっています。

次に焦電素子から切り出したシリコン窓。ミラーは嵌め殺しにしてしまったため、こちらを取り外し出来るようにOリングで取り付けます。

こんな感じ。

で、光取り出し側のミラーも調整していたのですが、いまいちリークが多いです。シリコン窓回りだと思っていろいろやってみたのですがちっとも改善しません。
仕方が無いので、一度ばらして見ましたところ、どうも銅管+ソケットをチーズに止めている部分にリークがあるようです。
しばらくすったもんだしましたが、どうしてもリークが収まらないようなので、別の構造を先に検討することにしました。

別の構造というのは、ソケットが異径になっていてガラス管の内側に入り込むタイプのものです。
上で使ったソケットは外径10mmφ用ということで、ガラス管の外径も10mmでした。ここでは10mmと8mmの異径ソケットを使います。このソケットの8mmφ部分の外形が10mmφなので、内径10mmφ/外径12mmφのガラスの内側にすっぽりと入るのです。

こんな感じに。 まだ接着していません。

このような構造にすることで、放電の開始点をガラス管の内側のソケットの先端にすることが出来ると考えています。うまくいけばプラズマの発生部位をガラス管内に限定できますので、正極側のミラーがスパッタで汚れるといったことを避けられるのではないかと思うのです。

今日はここまででタイムリミットとなりました。
また来週末に取り組みたいと思います。

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